映画はしごしてきた!!

劇場版魔法少女まどか☆マギカ ワルプルギスの廻天

映画 Backrooms

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一応ネタバレを不意に踏むことがないよう、物語に触れる部分に関しては折りたたみ方式にしてから感想を書く。

叛逆の物語を見に行ったときの感想はこちら。



パンフレットが売り切れだったのが残念すぎるー!


Backroomsは、この映画における登場人物はどういう設定で――というような情報はあえて一切入れないで見た。
実はずっと楽しみにしていたんだよね。
Discordの「クエスト」っていう機能があるんだけど、アメリカでの上映日が決まったときにそのクエスト機能で
「Backroomsの劇場前売り券を買う」
みたいなクエストが出たのよ。
(クエストを達成するとポイントが貯まる)
「おお、ロードショーの日取り決まったんだ! 前売り券買う買う!」
って思ってリンク先に飛んだりした結果、日本上映をするかどうか自体未定だとわかった……てなことがあってねw
そのくらい、つまり日本上映が決まる前から……「映画化プロジェクト進行中!」を見かけてからもうずっと楽しみにしていて。

私は、このバックルームズ系とかリミナルスペースという概念に初めてまともに触れ始めたのが『Dreamcore』というゲームなんだけど
このゲームのリミナルスペースの表現はかなりすごくて、体験版だけで10時間くらい遊んじゃって、そのうえで製品版も買ったのだよね。
それで『Dreamcore』の場合はテストプレイヤーの投票結果を受けて、クリーチャーとのチェイスみたいな要素はすべてオミットされた。
だから、何かに追いかけられるということは絶対起こらないという、ある意味での安心感があるBackrooms系ゲームなんだよねw
リミナルスペースはその空間自体がすでに不気味なので、追いかけられるという要素を省いたとしても
『Dreamcore』は十分にその非日常感を楽しむ立体迷路的なポテンシャルを秘めているのだった。
ある方角からある通路に差し掛かると、ニコちゃんマークのボールが「ぴゅぅ!」と言って飛び出してくるジャンプスケアが一箇所だけあったと思うけど
存在というか音の方にびっくりする。
そして当然追いかけてはこない。
『Dreamcore』には全5ステージあるが、どこへ行ってもとにかくクリーチャーはいない。

一方本映画『Backrooms』は、リミナルスペースが題材であるという部分やその原点をDreamcoreと共有しているが
こちらはYouTubeの映像作品群が先にあって、そのクリエイターが監督をやっているわけで
それぞれの作り手のセンスの違いを感じられたのが面白かった。
DreamcoreにはDreamcoreの作り手のセンスとか良さが出ていて、Backroomsにはケイン・パーソンズのセンスとか良さが出ている。
双方違ってどちらもよいぞ!
たった1枚の写真から始まった「Backrooms」というネットロアがこんなにさまざまな文脈を持ちながら
多方面へ広がっていくのはネットの面白いところだよね。
日本で言うところの「きさらぎ駅」みたいなもんで。


そして、映画のキャラクター情報などを事前に仕入れなかったとはいえ、
Backroomsというネットロアの予備知識を持っていたからこそ面白く感じた設定がある。
それは男性主人公の仕事が「家具屋の経営」で、その家具屋の地下1階からバックルームに「壁抜け」してしまう点だ。

というのは、いっとう最初(2019年5月12日)に4Chan掲示板にアップされた
「Backroomsのすべての元凶」であるあの画像は「家具屋の居抜き物件の改装工事中の写真」だからだw
つまり、Backrooms文化の大元となっているあの場所が概念的に「家具屋」と密接であるという文脈を
映画に取り入れているところがめちゃくちゃ面白くて――逆に、それを知らない人は「なんで家具屋なんだ」と思うだろうがw
文脈上は大正解な設定だなと思った。





まぁそんなわけで、単純に得体の知れない、どうやら人を食うっぽいクリーチャーが徘徊していて見つかると追われる
みたいな怖さもあるにはあるのだが、クリーチャーよりこの空間そのものの得体の知れなさが一番怖いというところが
この作品の最大の特色であると思った。
「場所が怖い」映画ってあんまりないと思う。
さっきも行ったけど、リミナルスペースはただそれだけで怖さのある空間ではある。
でも、じゃあ2時間だの2時間半だの、リミナルスペースを映し出すだけの映画を作って
それが売れるか、面白いか、理解されるかというと違うだろうw
つまり、やろうと思っても、うまく「空間が怖い」を引き出して映画という媒体にするのは難しいと思う。
ゲームなら別に良いんだよな、遊ぶ人がどれだけの時間そこにいるか決めるし
プレイヤーこそが体験する主体になるから。
でも映画は事情が異なる。
映画を鑑賞する人は、主人公の経験することを追体験したように感じはするかもしれないが、
絶対的にゲームほど「自分が経験した」という感覚を持ち得ない。
傍観者の域は出られない。
そんななか、リミナルスペースを2時間映し続けてもダメw
その条件下で「空間が怖い」を映画として構成できたという点にこそ、ケインのセンスがばっちり光ってるってことだな!と思った。

それから、4DXなら酔ってたかもとも思った。
普通に2Dで見たのだけど、特にハンディカム映像部分は手ブレがいっぱいあるので、この揺れに加えて椅子がガタガタしたら酔いそうだなって。
……それにしても今日、映画館ずっと揺れていたな。
映画館ってあんなに振動し続けているものかね?
同じ映画館内に4DXシアターがあるからと言って、それ以外のすべての部屋がガタガタ揺れたら困るw
一回目は地震かと思ったよ。

ケインのBackroomsの動画群はここからすべて見られる。

映画の前日譚に当たる映像ばかりなので、先に見てもいいし、映画を見てからこのリストを見てもいい。
1本目のFound Footageなんかはもうすぐ1億再生〜!

あと現時点での最新動画である「Backrooms - Everything Must Go」は
日本で上映されているBackroomsではエンドロールの後に流れるので映画館で見ることになると思う。
エンドロールで席を立ったとしてもYouTubeで見られるということにもなるw

YouTubeの映像の舞台は1989年〜90年、映画は90年6月の出来事を描いているんだけど、
ケイン・パーソンズが若すぎて「1990年には監督は生まれてない」の面白すぎるw
いや、世の中にいくらでも「自分が生まれる前の時代を舞台に映画を作る監督」はいるよw
でもそれが1990年だよw
ケイン・パーソンズ、今21歳だからね……。
彼にとって1990年というのは、自分のこれまでの人生を2回分ほど生きられる過去。
私くらいの世代にとっては「1990年はついこの前だろwww」みたいな感覚あるけど、そのときまだ生まれてないって人が
興行成績1位を取って史上最年少記録を樹立しちゃうなんてすごいぜ。

ちなみに入場時、以下のような紙を渡された。

『ネット怪談の民俗学』は、バックルーム含めてネット怪談・ネットロアを体系的にまとめてくれているので
一読の価値があると思うよ!!
前にも何度かブログとTwitterで紹介しているけど!!
ネット怪談の民俗学 (ハヤカワ新書)
廣田 龍平
早川書房
2024-10-23