最後の「あとちょっと」が長い。
(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)
・12月21日
今日はかなり唄った。
配信とかではなく、リハビリとして色々なことを試した。
歌のリハビリ開始当初に日課としてやっていた『月光』や『I'm here saying nothing』だが
最近はそう頻繁に唄っていなかったので、今日は久しぶりにベンチマークを取るつもりで歌ってみた。
かつて、『月光』の課題は「片付けられずに」のところだった。
『I'm here saying nothing』の方だと、２番Aメロの最初の１フレーズをノンブレスで歌えないという課題があった。
このへんを重点的にやって、やはり「息の使い方」が肝だと思った。
声を響かせたりとか、芯をくっきりさせたかったら、息をたくさん吐くのではなく、むしろ逆なんだ。
めいっぱい吸う必要もなく、そこそこに吸って留める。
で、吸い込んだ息をなるべく長持ちさせるつもりで、細く息を出す。
頭ではずっとわかっているし、合唱団でもそう指導されていたんだけど、
最近これを改めて意識してみると、風船みたいなものがイメージされる。
空気の入った風船や袋を想像する。
たとえば、その袋の口を両手で握って閉じているところを考える。
手の力を一気に緩めて、袋の口が空気の流れを全然抑えない状態になったら
空気は一気に抜けるし、袋の口からは「ぽひゅん」みたいな音がして終わりだろう。
でも、空気の入った口が小さい風船を手放したら、空気の抜けるブルブルした音が鳴ったりするし、
空気が抜けきるまでに時間がかかる。
それに、風船表面には内側からの空気の圧もかかっている。
物から空気を使って音を出すには、この圧が無視できないと思う。
人が声を出す時も、吸った空気の圧を使って声帯がたるまないようにするべきなんだと思う。
だからこそ、体内に空気が一定量入っている状態を維持して、空気圧をかけていないといけない。
じゃないと、たるんだ声帯を無理やり擦り合わせようとして、空気圧でない過度の力がかかって声帯を傷めるか、
うまく声が出ないか、その両方になるんじゃないだろうか……と思う。
この「体内から外に向かって空気圧がかかる」状態をよく感じるためには、前に多少屈んだり
いっそのことうずくまったり、あと四つん這いになったりするとわかりやすい。
それから、仰向けになって胸より上の上半身は脱力するというのもいい。
空気圧を中から外にむけてかけるのと同時に、肩まわりの無駄な力は抜いた方が
声帯が無理なく閉じてくれる感じがする。
肩まわりに力がこもっていると、内圧が弱まる。
だから、でんでん太鼓みたいに上半身をぐるんぐるんを左右にひねるようにしながら
肩の力を抜いて、吸った息をなるべく使わないよう小さな声・細い声でもいいから出す
というのをやっていると息漏れは減ってくる感じがする。
歌だと、明確に「ここで吸う」っていうのがあるし、結構瞬間的に吸い込んで、
そのあと一定のアタックの強さを持ってフレーズを歌い出すけれど、文章の読み上げの方は
歌に比べると呼吸の瞬発力を必要としなかったり、アタックの強弱も読むものによったりだから
空気による内圧が弱くなりやすいというのはあるなあと思っている。
読み上げでも、四つん這いになると体が自然と「息をとどめよう」とするから、内圧が保たれる感覚がある。
これを、四つん這いでないときにも無意識にできるようになれば、元の状態になるんだろうなと思っている。
地声の音域は、他に『チカラ』を唄って調整した。
やっぱり課題となる箇所はサビの「ウ」段だったけど、繰り返し部分練習しているうちに
声帯が閉じてきたりした。
「いつも無意識によく閉じる」という状態にならないといけないと思う。
ファルセットの発声練習はサンホラ祭りをやった。
とても楽しかった。
『聖戦のイベリア』は名盤すぎる。
・１月２日〜５日
収録や配信環境において、
「返しにもリバーブやコンプなどのエフェクトを自在にかけつつ、出力はノーエフェクト」
という配線をすることが可能なサウンドデバイスを譲ってもらえることになった。
もちろんPC内部での設定を変更すると、「返しにも出力にもエフェクトあり」ということもできる。
ただ、それだけ自在なことができる代わりに、以下のような特色がみとめられる
・趣味で買うには高いのであまり使っている人が多くない
・ユーティリティソフトの日本語化はできない
・元々Mac向けだからWindowsと相性問題がある
・上記の合せ技により、日本語で調べ物をしてもなかなか解決策にたどり着けない
などなどｗ
そんなわけで、
「多分、繋いで即、快適に使い始められるってことはなさそうだなｗ」
という覚悟はしてあったし、年始の仕事が詰まってこないタイミングでがっつり環境作っちゃおうと思って
まずPC開けてThunderboltEX4を挿したり、機材繋いで認識されなかったりと色々を約３日かけて乗り越えたｗ
１月ということは、声帯結節ありますよの診断が下ってから１年経つということになる。
もう１年も闘ってるのかよ、早く勝ちてえ！
闘いを終わりにしたいが、勝利で終わらせてぇわ！ それもなるべく早くだ！！ ちくしょう！
みたいな気持ちが強い。
この１年で、本来請けられたはずの仕事やチャンスをどれだけ逃してしまったのだろう。
失ったものや手に入れられなかったもののことを考えても仕方がないが、悔しくてしょうがない。
挽回しないわけにはいかない。転んでもただでは起きないのだ。
この機材を使いこなせるようになったら、発声の矯正に良さそうだという予感はあるので、
絶対にここであらゆる問題を解決して使用できるようにしようと頑張った。
その結果得た知見は別記事ですでにまとめた。
【トラシュー】WindowsでApollo twin|x（ThunderboltEX4接続）を使う
一応、想定していた環境は整ったので、動作確認も兼ねて５日は「歌い初め」をして録音もした。
ベンチマークなので、昨年の８月に録ったのと同じ楽曲を色々録って比べてみた。
８月は、歌を唄ってもいいというお達しが出たものの、いざ唄ってみると手術前と同じくらい苦しいぞ！
というのが歌にも表れている感じｗ
対して今回録ったのは、同じ曲でもだいぶ余裕が出てきて、まず変な位置でブレスしなくても息が保つようになっているし
声に混じっている息の量が減っているのもわかる。
８月のは、そもそも声を聞けば息が無駄に多いことがわかる。
空気が混ざっている音だから。
それがだいぶ減ってきて、「声という音」だけの混じり気の少ない状態になってきたと感じる。
なんというか、私の声は元々弦楽器みたいな声のはずなんだけど、息が無駄に多いせいで
木管楽器みたいな声になっていた。
それがまた弦楽器寄りになってきた。
こうなってくれば、音程の安定感の方にも意識を向け始められる。
８月に歌いだしてからずっと、音程どころじゃなかったが、やっと次の段階かぁ〜って感じｗ
・１月８日
仕事も納品したので、早めの時間からリハビリの歌。
かなり、「力を入れるべき場所と、脱力すべき場所」を本来のバランスにできてきてる感じがある。
力を入れなくても良いところに力を入れていたから息が沢山漏れていたと思うし、
力を入れるべきところに入っていないから、声量を増すには声帯を強く擦り合わせたり
息を沢山使うしかなくて悪循環に陥っていたと考えている。
今は、息を無駄にしないためにどこに力を入れて、どこの力を抜くかを実践できてきてる。
ここ１年は、それが頭でわかっていてもできなかったから困っていたんだけどｗ
多分、症状がどんどん悪化していった段階では、頭で考えていたイメージにある
「力を入れるべき場所」がもう間違っていたんだろう。
もちろん部屋の環境のこともあるし、椅子もあまり録音に適していないと思っているけどｗ
今座っているのはいわゆるゲーミングチェアの一種なんだけど、座面の角度が腹式呼吸に向いてないのよ！
フットレストを使うかどうかは無関係に、座面そのものについている傾きが
「腹式呼吸でたっぷり息を吸い込んで、留める」
というのに向いていない。
この椅子に座っていると、横隔膜をすごく下げにくい。
背もたれに寄りかかってお腹と太ももとの間の角度が鈍角になるようにすると、
声の出が変わることからも明らかなんだよな。
でも背もたれにもたれて発声すると、鼻声っぽいか、寝転がったような声に近づいてしまうから
ナレーションには向かないわけ。
そう思って、背筋を伸ばしてまっすぐ座ると、腹と太ももの角度が鋭角に近づいてしまい
横隔膜を使った呼吸法をとりづらい……。
そう考えると、以前使っていた普通のビジネス用PCデスクチェアの方が録音にはよかったかもな。
そんな感じで、そのうち椅子を買うかもしれないｗ
今の椅子は引っ越してきてから使い始めたから、引っ越して変わったものの一つだし
もしかしたら症状と絡んでいるのでは、とずっと疑っているｗ
今は、座布団やひざ掛け毛布を敷いたりしてなんとか工夫している状況ｗ
サンホラを歌って、ファルセットやミックスボイスの調子を確認していたら、ライブが見たくなってきた。
そこで、久しぶりにBlu-rayを引っ張り出してきた。
特に、初日はMoiraだけでなくインディーズ時代の曲も沢山含まれているし、特に冒頭が
『聖戦のイベリア』からなのもたまらなく好き。
そこだけ何回も見ちゃう。
これがVHSだったら、冒頭部分のテープは今頃伸びていることだろう。
こういうのを見ていると、自分もまたステージで歌いたいというか、実際にそういう機会を得られるかどうかはともかく
「ステージで歌えるようなコンディションになりたい」
と強く思うのだった。
前に、『石畳の緋き悪魔』を一人で全編録ったことがあり、主旋律をずっと担当する分には
生でも通しで唄えるとわかったのだった。
Bメロ終わりで「あかきひかり〜〜↑」ってやったあとに、オクターブ下げて
「君ノ愛スモノ全テ、」ってやらないといけないけど、コンディションに問題がなければそれもできていたわけで。
ライブを見ながら、それをやってみたら、今のコンディションだとファルセットをちゃんと出せたとしても、
その直後にオクターブも下げたらまともに声が出ないことがわかった。
再びこの急激な上げ下げにも耐えられるような喉づくりをするのが目標になるな、と思った。
それにしてもこのライブは、『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』までやってるのがすごいと思う。
あと、何回見てもじまんぐのステージ慣れっぷりに舌を巻きつつ笑ってしまうｗ
・１月10日
生放送でリハビリの様子をそのまま垂れ流した。
配信しているかしていないかの違いしかなくて、普段からこんな感じで歌のリハビリをしている。
でも、鼻が詰まっている状態で始めてしまって、鼻が抜けるまでは苦しかったｗ
ハナノア＋ミサトールローションしてからにすればよかった。
様々な曲が「前唄ったときより良い！」という手応えをくれて、進展を感じた。
やはり大事なのは横隔膜！！
今日一番手応えを感じたのが『call my name』だったので、８月に録った同曲のデータを流して聴いてみたら
その頃の声のガサガサと息の抜けて苦しい感じが音声にしっかり表れていて、今がいかに良くなったかがわかりやすかったｗ
四つん這いの効果はすごいので、四つん這いの布教をした。
もちろん、四つん這い以外の体勢のときも色々気をつけるべきことはあるけど、
声帯が緩んで息が漏れてしまい声が張れない症状の元となっている呼吸法を矯正するのにはかなり効く。
新環境は、少なくともUA-４FX�兇里茲Δ法�大声を出したからと言って勝手に返しのボリュームを
絞ってくれちゃったりはしないので、その点だけでもかなり歌いやすくなった。
リバーブも細かく調整可能。
あとは、鼻が詰まっていないにもかかわらず、読み上げ時に部分的に鼻にかかったような声になってしまうのとか
一部の文字が明瞭でなくなるときがある点を詰めていけば、次はシチュエーションボイスの収録とかをしてみてもいいかもしれない。
歌は、経過の記録と復帰の形として何か１曲、ミックス編集する前提で録るのに際して
どの曲にしようか迷っているところがある。
一番無理なく録れるものから再開していきたい。
・１月14日
今日も２時間半ほどボイトレ。
録音もしておいた。
10日の生放送で唄ったときに課題を感じた曲が、そのときより良くなっていたので、
やればやるほど回復を感じる。
例えば『真赤な誓い』は「いつまでもいつまでも」のところは「まだ良くはないけどマシ」で
『Last Love Song』とか『鳥の歌』あたりは「完全にマシ」だった。
『Breeze』と『infinity』も良くなった。
中でも、今日一番手応えを感じたのは『1st Priority』だ。
最近唄っていなかったから、比較対象となるような録音はないものの、
「出したい音程で出したい声が出ない〜〜！！！ぐぎぎ」
みたいな感触がなくて、結構楽に出せた点で発声の難がなくなってきていることを強く感じた。
多分、ほんの数週間前に唄ったら苦しかったんじゃないかなと思う。
音程はまだ不安定なところがあり、自分でも唄っている最中に
「今、正しい音程で声出せてなかったな」
と自覚もある。
これは「自覚があるだけマシ」だと思うｗ
まず前提として、自覚がなきゃ音程を矯正しようがないので。
音感が鈍って音程が外れているのではなく、音感は正しいのに喉の制御が利いていないという状態。
出したい正確な音程を出せるようにするには、それこそ回数を重ねるのが一番なので
酷使しない程度にコツコツ唄っていくしかないと思う。
実際、ここ最近ずーっと唄っている分『月光』は音程も安定してきた。
回数を重ねればその分良くなっていく状態なのが幸いだ。
そもそも、回数を重ねれば重ねるだけ悪くなっていった時期があったわけだし。
それを考えれば、今がどれだけマシになったことか……と実感する。
１日おきに唄っているから、２日経過するごとに良くなっていく。
椅子にいい感じに重ねたタオルを敷いて、座面の角度が「前に行くほど少しだけ下がっていく」角度になるよう
調整したのも良かったと思う。
座ると、自重でほぼ水平に近くなる。
あまりに角度が強いと、結局体のどこかには悪いと思うので、この調整は大事だと思う。
立って唄って喉をよく起こした後に、座って唄ってみたりもするんだけど、座っていると露骨に発声が悪くなる。
ただ、立ちっぱなしも疲れるので立ったり座ったりでやらざるを得ないがｗ
それにできれば、立っていても座っていても同じ発声ができるようになるのが最終目標かな。
早く手術後からの経過を音声として並べて、動画にしたい。
どれだけ酷かったのをここまで持ち直したか、流れでわかるようにして共有したい。
途中何度も、悔しかったり怖かったりして何もかも投げ出して諦めて死にたいみたいな考えが過るのを強い気持ちで堪えてきたし、
良くなっていく段階では何度か泣いたりもした。
でも逆を言えば、「良くなってくるときにしか泣いていない」。
気持ちとしては、悔しさとか恐怖や不安の方が強かったけど、涙は出なかったな。
ずっと
「畜生悔しい、絶対に良くなってやる、転んでもただでは起きないぞ」
みたいな気持ちの方が勝っていたのだと思う。
負けず嫌いで良かった。そうでなければ早晩死んでいただろう。
・１月16日
病院。
２か月ペースでの検診。
以前は、どんどん息が混じった声しか出なくなっていき、歌の中でもブレスが保たなくなっていたけど、
今はどんどん無駄な息の混じらない声が出せるようになって、唄える歌も増え、息が保つようになった。
強いて言えば、素早く畳み掛けるような曲ではまだ症状を感じる――
という報告をした。
ともかくすごいスピードで良くなっているのは自分でも感じているし、その一方で完治ではないという感じ。
先生は電子カルテに何かをバチバチ打ち込みながら、
「まぁ、日本語の”畳み掛けるような”歌っていうのは、元来ものすごく難しいものだからねｗ」
と仰っていた。
私もそう思う。
でも、私の場合は、それを「売り」「特技」としていたのが、突然出来なくなったので
「難しいと感じずに出来ていたことが出来なくなった」という衝撃が大なんだけどね。
元からできなかったならいざ知らずｗ
まぁともかく、そういう「元来誰にとっても技術的に難しいこと」が一番最後まで課題として残るのは
当然のこととも言える。（先生もそういうことが言いたかったのだろうと思うし）
そして、恒例の高精細スコープで声帯チェックおぇっ！
14日で、このクリニックに通い出して１年経ったことになるのに、一向に慣れないおえっ！
なぜかたまにまぐれで全くおえっ！とならない日もあり、違いがわからないのも難点ｗ
いつかコツを掴みたい。
声帯は「理想的な閉じ開き」をしているとか。
閉まるべきところがピタっと閉じて、根本の軟骨部分はYの字のように開いているのが良いそうな。
実際そんな感じになっていた。
おえっ！ってなってたから、一瞬しか見えなかったけどｗ
確かに術前は、根本だけじゃなくて全体的にしっかり閉じてくれていなかったように思う。
それだけ発声が変わってきたのだな、と思う。
あとは読み上げにしろ、歌にしろ、「速さが足りないッ！」状態だから、これも再度基礎から訓練していくつもりで引き続きやっていく。
寝る前に寝室で、星新一のショートショートを一篇朗読したりしている。
面白い（面白い？）。
うん、リハビリを楽しめるのはきっと良いことだ。
多分これも、四つん這いでやるとめっちゃ効果あるだろうな。
たまにやってる。四つん這いで朗読。
ちなみに今読んでいるのは、『エヌ氏の遊園地』の文庫。
星新一は、１冊読み終わっても「あと数十冊ある」という安心感があるな。
仮に1001篇読み終わっても、最初の方に読んだやつはオチを忘れているから、また読み直したら新鮮に感じそうだし
死ぬまで繰り返し楽しめるな。
楽しめる、といえば――
収入が少なすぎて、嗜好品や趣味の買い物ができなくて楽しみが少ない生活は辛い。
そこで、年が明けてから最初のスーパーでの買い物でうまい棒みたいな安い駄菓子をまとめ買いして、ちびちび食べている。
これはこれで「ジャンクなフードが食べたい」欲求が満たされるし、もっと高い買い物で散財してしまうよりはマシだと思うけど
間食が増えたり、その分食事が減って偏食になるのは体にはあんまり良くない。
それに、ちびちびお菓子を食べ続けていたら、お菓子を食べることにも飽きてきた。よかった。
飽きて辞めるのが一番良い。
お菓子を好きなときに好きなだけ食べることよりも、私としては体型が崩れないように自制をして
好きな服や着たい服が似合うような状態でいたいと思った。
食の欲求だけでなく、衣の欲求もある。
今は、お金がなさすぎて必要最低限の下着すらも買い替えられないくらい「衣」が貧しい生活だけど
駄菓子でその心の隙間を埋めていてもしょうがない。
寒くて億劫だけど、Beat Saberでもいいから有酸素運動をしなければな、と思っている。
多分歌にも良い。
歌もまぁ、有酸素運動だけど。
一旦はまぁまぁお菓子を食べて満足したので、またどんどんストイックな方向へ向かおうと思う。
体作りと、ボイトレはできれば並行してやらないとね！
・１月17日
『月光』の、残り僅かな「隙」みたいなところが埋まってきた。
ある一定の音域における、特定の文字で声帯が緩み、音程が安定しなくなる現象で、
前回までは気をつけて唄っていてもなかなか抜け出せなかったのだけど、今日は結構出口が見えてきた。
これが解決すると、もう『月光』はかなり安定して唄えるレパートリーとして復活し、
録音とミックスしても良いくらいになる。
今は、大抵の曲が「録音をミックスにはたえない」。
もし仮に録音をしようとしたら、調子が悪い箇所でずっとベストなテイクが録れなくて
収録がいつまでも終わらず、酷ければ症状を悪化させることになるだろう。
その中で、『月光』が「録音してミックス編集にたえる」くらいまで来たのはものすごい進歩だと思う。
それから、いつも歌い出しが一番おかしなことになってしまう『STARLIGHT』や『ガラスの十代』も
やっと安定感を取り戻しつつある。
『解放区』もファルセットとチェストの行き来が気持ちよくなってきたし、
『Last Love Song』も苦しさはほとんど感じない。
14日のボイトレで試しに唄ってみて録音はしなかった『Red Angel』は、サビ頭の「赤い」という入りが強く出せず息抜けを感じていたが
今日はかなりアタックを強く出せるようになっていた。
『Breeze』もだいぶ安定してきたから、次は『Successful Mission』の特訓をしてもいいかもしれない。
２〜３日に１回しっかり唄うと、前回より確実に歌が上達すると考えるとすごい。
今までずっと歌を唄って録ってきたけれど、明確な「上達」を感じるのには、年単位の時間が必要だった。
何度も小さな壁や沢山の課題に直面して乗り越えてきたけど、進歩を感じるまでにはどんなに早くても１か月くらいはかかった。
例えば、ある年までは自在にビブラートが出来ないという課題があって、
「よし、ビブラートが出来るようになるまで特訓しよう」とビブラート習得訓練を始めた時は、
毎日最低１時間ずつビブラート習得のための声出しを続けて、
やっと「自分の意思で声に波をかけられるようになってきたかも」と感じるまでに２週間かかった。
実際に歌の中で、かけたい場所でビブラートをかけられるようになったのは特訓開始から１か月目くらいだったか。
その段階でも、まだ「すべての音階のすべての母音で対応」とまではいけなかった。
だから、すべての音階のすべての母音で自在にビブラートをかけたりかけなかったりという調整ができるようになるまでには
数ヶ月から１年くらい歌い続けていたと思う。
音域を上や下に広げるのも２〜３日では無理。
曲やパートによって声色を変えるというのも、何度も何度も試行錯誤した結果できるようになったものだ。
手術後は、これらの技能を一旦全部奪われたような状態だったと言って良い。
声の音域は極端に狭く、声の強弱を制御できないのでビブラートはかけられず、
音程を調整できず、ブレスも保たず、声色も何種類も使い分けられたりはしない。
それらは私が30年くらいかけて少しずつ積み上げてきたもので、しかも経験によって積み上げた技術は
そうそう失われるものではないと思っていたのに、失われたのだ。
自転車に一度乗れるようになった人は、何年ブランクを空けてもいざ自転車に跨がれば
乗りこなせるものだと思っていた。
一度泳げるようになった人も、ボウリングの投げるフォームも――
体に一度覚えさせたものは、そうそう忘れたりしないと思っていた……。
でも、一種の「失調症」とも言おうか、脳とその器官とを繋いでいる神経接続自体にエラーが生じたり
外科手術を受けたりすると、30年の積み重ねであろうと容易に、突然に、崩れるということがわかった。
すごく恐ろしいことだ。
「経験で積み重ねた技術というものを信頼していた」から。
脳みそとか神経っていうのは、時として過剰に適応してしまい、結果として本人の意思とは異なる挙動をしてしまうのだろう。
しかし、リハビリがうまく回るようになると、今度は短時間で「30年分の経験」を追体験するかのように、
技術が手元に戻って来るのだった。
これはこれで面白い（面白い？）。
普通は、ある技術を獲得するのに年単位の鍛錬が要るということを芯から理解しているからこそ、
２〜３日で突如人が変わったように「出来なかったことが出来るようになる」のが可笑しくもあるほどだ。
こんなのは尋常じゃない。
一度は出来ていたことを、再度取り戻すから一度スイッチが入ると早いのだろうとは思うけど。
まるで「強くてニューゲーム」をやっているようでもある。
・１月19日
喋りとか読み上げのときには、歌を唄うのに比べてなかなか安定してこないのはなぜだろうと不思議だが
ライブ映像とかを見ていて、唄っている人の舌を観察して「舌の位置」を再度見直そうと思った。
ボイトレに初めて行った時、最初にやったのがストローで舌を押し込むようにして
舌根が上がるようにするという訓練だった。
それに、ボイトレ前にも診察の先生が、スプーンとか棒のついた飴とかで舌を底＋少し奥に押さえつけるようにするだけで
症状が改善される人もいたと言っていたし。
少し前に改めて小野正利の動画を見ているときにも舌に注目したんだけど、
彼の場合は「エ」の母音のときなんかには、舌が浮いているようだ。
色んな「その人とシチュエーションに合った舌の位置」がありそうだ。
多分、一概には言えないと思う。人によって舌のサイズや長さも異なるし。
私の場合、特に、歌でも読み上げでも、舌を動かして子音を作らないといけない文字のときに声帯が緩んで息が漏れるということは
子音の音を作る前後の舌の位置に問題があって、続く母音をキレイに出せないという状態と思う。
ナ・ラ行だけで唄うと発声が安定するのは、この子音は自然と舌根がいい感じになるからだろう。
メカニズムは共通していると思う。
今日は、歌よりも読み上げの回復度合いを確認して、まだ残っている課題を見つけ出し、
全快への時間を短縮するべく、サンプル台本を読み上げて録音してみた。
そこで、これまたまるで別人のように、声色とか芯の通り具合が変わる「舌の位置」を発見してしまった。
無意識に、下の歯の裏に舌の先が来るような位置をホームポジションにして読んだり唄ったりしていることが判明したが、
舌の先はもっと歯茎の下の方を目指したほうが確実に良い。
もちろんそれだけでは不足で、息の方も「横隔膜を使って息を吸い込んで留める」を同時にやるべきだ。
タ・ダ行のような子音では、舌のホームポジションが高い位置に寄りがちだからいけなかったのだと思う。
カ行を出すときにも、子音を形成するのに使うのは舌根だけど、舌先のホームポジションを
深い位置にした方が無駄な息が漏れない……！
どうしても、サ・タ・ダ行あたりは、一度は舌先を上げたほうが子音をキレイに出せるのも事実なので
そのときに「舌先を深いところにしまっているときと同じ舌根の状態」を維持できるように訓練し直せば
すぐに治りそうな気がしてきた。すごい。
これから、毎日「あめんぼあかいなあいうえお」をするときに、舌先のホームポジションをここに据えることを
強く意識しようと思う。
「常に」舌先をしまい込んでいると、それはそれで変な発音（発声ではなく）になるので、
上手に上げ下げしないといけないんだけど、多分これが「日本語の畳み掛ける歌が難しい」理由と同じなんだと思う。
でも、そのうちには舌根のホームポジションの方が矯正されてくると思うから、
自然に通る声を出しながら、早口で喋ったり唄ったりしても息が漏れないようになるんじゃないかな。
横隔膜だけを使ってもそこは治らないから、明日の歌ボイトレからは唄っている時の舌先の位置にも気をつけて
舌根が声帯の緩まない位置で固定されるように訓練していく。
今日は、この舌の位置に気をつけながら朗読をして終わりにする。
・１月22日
『チカラ』を収録しながら唄ってみた。
採用できそうなテイクがいくつか出るようになってきたのですごい。
11月17日に試しに録ったテイクには、採用できるパートは一欠片もなかったのでｗ
しかし、２番のBメロくらいになるとくぐもった声になってきたので、不思議だった。
これは「疲れてコンディションが変わってきたから」なのか、「その歌詞に含まれる文字・文字列の関係で症状がぶり返している」のか
俄には判断できかねる。
でもここ最近のトレーニングでは、「うまく唄えない、声が出ない箇所」を仰向けで唄って矯正すると
数日後には縦になっていても唄えるようになっていることが多いので、今日の録音がトレーニングとなって
後日同じ箇所が自然に唄えるようになることを期待している。
・１月24日
朝からオメがんのPC組み立て代行を行った。
最初、作業用BGMにB'zのアルバムを片っ端から聴いて、口ずさんでいた。
後半はサンホラのアルバムを片っ端から流して口ずさんだｗ
ミックスボイスやファルセットもだいぶ安定してきたとは思うが、
『笛吹き男とパレード』を唄っているときに、「笛になった」部分の最高音付近が出ず
喉元で関節がぐきっと言うような感覚がするのだった。
笛になってるのは↓この動画のとき。
これはどうやら、その音域の音を出す時に使うべき筋肉がうまく使われておらず
別の使わなくていい筋肉が無駄に介入してきているという状況みたい。
具体的には、物を飲み込むときに開閉する喉の蓋みたいなものがあるんだけど、
その周辺にある「物を食道へ送り込む、嚥下の際に使う筋肉」が動いてしまっているらしいんだ。
確かに言われてみれば、唾を飲み込むときに近い場所でぐきっと言うｗ
お年寄りになるとこの筋肉が弱って物を飲み込むのが困難になっていくと言うけど、
ぐきっと言うのはむしろ筋肉強すぎか？ｗ
それで、発声のときに活用するための筋肉ではないのに、そっちが稼働しちゃって
高音を出したいのにその音程の声は出ないし関節がぐきっとなる、という現象が発生するみたい。
矯正にはまさに「神経接続」が重要らしく、必要な喉の筋肉を鍛えて、要らない筋肉の介入を阻止するというトレーニングが要るみたいだ。
１日おきに歌を唄っている今の状況でも継続的に回復はしてきているが、
声帯を取り巻く複数の筋肉の「どれを使ってどれを使わないか」というのを神経に覚えさせないといけないから
色んな声をロングトーンで出して、声帯回りの筋肉と神経を鍛えていくのが大事そうだ。
喉を締めずに、それでいてまぁまぁの高さのファルセットで、弱く長く声を出すのを１日おきにやろう。
沈黙療法の後のハミング療法を彷彿とさせる。
あれもまぁ筋肉を起こす目的があったのだろうとは思う。
今は、筋肉にだけ一定の負荷をかけて鍛えたいから、声帯に悪い発声にならないように声を出しつつ
「ロングトーンを出しているうちに喉の奥の筋肉が『うっ』ってなってくる」のを目指す。
おそらくその「うっ」っていうときが”効いてる”ときなのだと思うｗ
これは筋トレでも同じ感覚あるしねｗ
意識して出そうとしないと出ない声を使って、超回復してを繰り返して、筋肉をつけていこう。
・１月25日
『チカラ』の続きを録った。
結論から言うと、一旦曲の最後まで到達はできた。
宅録した歌データとして完成と言えるところまでは作り込めてないけど、そもそもこの１年半は
「１フレーズとて採用テイクが録れなくて、ミックスする段階にも到達できない」だったので、
歌を最後まで録れたこと自体が大きな進歩だ。
最後に録れた歌が2023年10月の『Shooting Star』で、そのあとはどんどん調子が出なくなる一方。
「歌を録ろうと思っても、変な声になったり息切れがすごくて唄えなかったり」という感じになっていった。
そこから、また歌を「最後のフレーズまで一通り録れる」ようになるのに１年半も要してしまった……。
しかし、喋るのにも読み上げるのにも唄うのにも「何一つ今まで通りにはできない」状態まで落ちて
ここまで再度這い上がってきた自分はすごいと思う。多分超人の部類だと思う。
『チカラ』を録っている間には、やはり何度か発声が悪くなって、息切れするほどではないけど
良い発声で唄えた部分と比べて鼻にかかっているように聞こえたりはした。
良い発声で歌い始めても、そのまま唄っていくと徐々に悪くなっていく感じで、
そこで一旦止めて発声自体を見直す工程を挟まなければならなかった。
母音のみでその部分を唄うと発声が矯正される。
そのイメージを逃さないまま、歌詞通りの子音をつけてもう一度……というのを繰り返した。
音程は合っていても、発声が悪いところは声の抜けが良くないので、全部ボツったし
まだそういうテイクが残っているので引き続き修正の収録を明後日くらいからやる予定。
とはいえ、最後まで行って一度ファイルをレンダリング出来たのはすごいと思う。
ワンコーラスも唄えない期間が１年半もあったのだからね。
今日、すごく痛感したのは「力を抜きたい筋肉からのみ力を抜くなんて難しいよ」ということ。
しかも声帯の回りにある筋肉なんて、腕や足なんかよりよっぽど「意識で」制御するのが難しい。
この前見た動画では、
「小指だけを動かしたいのに、薬指が一緒に動いてしまう状態」
と喩えていた。
それがすごく良い喩えだと思う。
私の喉で起きている事象をこれで喩えると
「小指だけを動かせばいいのに、５本の指すべてが動いちゃう」
というイメージ。
子音の形成のために一瞬だけ舌を動かす音は沢山ある。
で、舌を動かす筋肉は、舌が子音を作ったらもう弛緩していいはずだが、
そのあとの母音の発声時にもずっと緊張状態にあるから、結果的に母音の発声を阻害しちゃってる…という感じ。
だから特定の子音の含まれる文字のときに、母音部分の声がうまく音になってくれない。
もうその音を出す時には、緊張状態ではいけないはずの筋肉が私の意思とは無関係にがんばっちゃってる。
母音だけで声を出すと、無理なく出せて苦しさもないこととも辻褄が合う。
仰向けに寝転がって首や肩の回りを強制的に弛緩させた状態で唄うと、
状態が良くなるのも辻褄が合う。
だが、録音は横になって行うことはないｗ
だから縦になっているときでも、力の要らん箇所からは力を抜く必要がある。
今日唄っているときにも、「変な抜けの悪い声じゃなくて、従来の自分の声が出てる」と感じるときは
ほどよく脱力できていて、楽な感じで出しているときだった。
声を出そうだそうと頑張ると、無意識に力がこもっちゃうみたいで、そういうときのほうが声は良くないし、すぐに疲れた。
脱力って難しいな〜ｗ
特に地声音域のときｗ
ファルセットの方が自然と脱力できる。
でもそれを地声の音域でやろうとすると、力を抜こうと思っているのに反して、体は俄然力んでしまうようでｗ
明日は、喉を休めるために録音は継続せず、改めて仰向けで脱力して唄う感覚を体に染み込ませようと思った。
仰向けで歌い続けていたら、全然疲れを感じてこないのに、声はどんどん出るようになっていくという段階が前にあったから
またそれをやると良いんだと思う。
それから、サンホラを唄うのは大事なんだと思った。
声を頭のてっぺんで響かせるとか、軟口蓋にぶつけるようにするとか、上咽頭を引っ張って後ろへ向かって唄うとか
色々発声時の「イメージ」はあるけど、どれもサンホラの曲を唄うために
出せないといけない声色や音域を会得するのに重要なことそのものだった。
サンホラの女声パートを歌おうとすると結構な高音を出す必要があり、
それが「力めば良いってもんじゃない」声域になっていて、入れるところは入れ、抜くところは抜くという
今やりたい筋肉と神経の接続をやらざるを得ない。
生まれて初めてコツを掴もうっていうんじゃなくて、前に一度出来ていたことをもう一度できるようにする分
「こうするのは間違い」というのがわかっているし、おそらく多少はスムーズ。
トライ＆エラーの回数が人生初のラーニング時よりは少なくて済むだろうから。
そんなわけで、昨日もサンホラを聴きながら一緒に唄っていたし、明日もそんな感じで行こうと思う。
そうか、サンホラは私の命だったんだ……。
・１月29日
25日の収録は結構時間かけてみっちりやってしまったから、そのあと喉に疲れが蓄積していた。
なので、今日までは負担がかかるようなことはしないで、
「舌根を動かすための筋肉を使わずに楽に発声するための本来的な筋肉と神経」を鍛えるためのボイトレのみに留めた。
具体的には…
いわゆる合唱団のウォーミングアップでやるような
「あくびをするときのようなイメージで喉の奥の方を上に持ち上げながらハァーと発声する」
みたいなこと。
上咽頭を背後に向かって引っ張るようなイメージで、背中側の声帯を引っ張る筋肉を使うように
体に促す神経接続を強化する。
その結果、今日いつもの曲を唄ってみたら、明らかにハリが違った。
倍音が増えてきたし、変に鼻にかかってしまう音、鼻が鳴ってしまう音も減った。
『RED ZONE』もそろそろ普通に唄えそうだ。
今回の場合は、ちょっと前の録音ではまだ苦しかった『Ta-lila』がだいぶ楽になってきた。
『Red Angel』のサビ頭「赤い〜」ももう少しで、パンと張れそうな予感がする。
歌は数日おきに唄うたび、「前回より良い！」と感じられるけど、
読み上げの方でも明確な「良くなった」を感じるのには２か月要るのが辛いところだけど、
このまま歌を通して声帯周りの筋トレ＆神経接続をやり直して、読み上げのときにも
不要な筋肉で発声を阻害しないような状態を目指さないといけない。
今月もまたナレーションの専門業務に復帰できなかった……。
「万全の状態で復帰してほしい」と言われるたびに、遠回しに
「もう諦めて引退しなよ」と言われているだけなのではないかと考えてしまったりするけど
それはもし「万全の状態」というものが机上の空論に過ぎず、二度と獲得しえない体調だとしたらであって
今はまだ「わからない」状態だ。
先方が言う「万全の状態」になれるのかもしれないし、なれないのかもしれない。
わからないけど、わからないうちはまだ「なれる可能性」がゼロではないので
回復に向けて人一倍頑張るしかないと思って、リハビリに戻っている……。
高負荷をかけて長期に休むより、小負荷を毎日かけて行ってみようと思う。
あ、あとBeat Saberによる有酸素運動も並行して行う。
・１月30日
小負荷を毎日かけるため、本日もほへほへ声出しして喉を温めてから歌。
録音したのは、ポケビの『POWER』『Red Angel』、TMRの『THUNDERBIRD』のみだけど、
いずれも苦しみながら声を絞り出す感じではなくなった。
少なくとも唄っている時の感覚としては。
録音した一発撮り音声を聞くと、ピッチの不安定さや、時折発声が少し悪くなるのがわかる箇所もあるにはあるけど、
息が漏れ出まくるからブレスが保たないということはなくなって、
「ここからここまでは一息で歌い切るフレーズ」
っていうところは、そのとおりに息が保つようになっている。
これだけでもものすごい進歩だ。
声帯がガバガバとたるんでいないということだから。
声自体の張りとか、倍音の量も以前の質が戻ってきているのが聞いてわかる。
「一息で歌い切る」が出来なかったときのテイクと比較して聞いてもらえれば
他人にも違いがわかると思うし、「これは苦しそうだ」って思うんじゃないかな。
早く比較動画を作りたい。
なんにせよ『POWER』みたいな、ずっと高い音域且つファルセットを使わないような曲で
息が漏れなくなったのは本当に大きな変化。
前は、こういうのこそ全く唄えない曲の筆頭だったから。
ピッチの安定感や、さらなる声量を出すには、ただ毎日トレーニングすればいいだけだし気が楽。
トレーニングのつもりで唄えば唄うほど悪化していった時期を思うと本当にｗ
録音は残さなかったけど、ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』みたいな、畳み掛ける歌も
息漏れしないからまぁまぁ唄えるようになっていた。
これは『真赤な誓い』ももう唄えるかもしれない。今日は試していないが、近い内にテストしてみる。
・２月１日
リハビリON生放送。
・２月７日
『Give a reason』『カルナバル・バベル』『ライオン』『甲賀忍法帖』などの、
不調時にはレパートリーとは呼べなくなっていたアニソン楽曲をレパートリーとして取り戻した。
相川七瀬楽曲も大体唄えなかったけど、唄えるようになった。
たとえば『夢見る少女じゃいられない』『LIKE A HARD RAIN』『Nostalgia』あたりは
本来かなり得意分野に位置する歌だったのに、息が続かなくてかなり苦しい楽曲と化していた。
それがまた、楽に唄えるようになった。
酷い時は、汗だくになって
「なんでこんなに疲れるんだろう、体力が衰えているのかな」
と思って、トレーニングがてらちょくちょく唄えば唄うほど悪化して行ってたが、今はその反対という感じ。
でも、今は季節柄、低温＋乾燥＋花粉というコンボが決まっているので、喉の調子がすぐに悪化しやすい。
ケアを重点的に行うことも大事だなと思う。
寝る時はマスクしているし。
・２月８日
かなり唄った。
舌を使うときの筋肉が常に緊張しているのがいけないっぽいことはわかっているので、
今も時々母音のみで唄ったり、そのあとで歌詞通りに唄ったりして、「楽に声が出る状態」を
体に染み込ませようとはしている。
その中だけど、今日はラップのリハビリを始めた。
ラップみたいに、滑舌の良さを要求されるようなことをやるには、舌の筋肉をすごく使いそうなイメージがあるけど
実はラップも「適度な脱力」が大事な気がするのだ。
ガチガチに力んで一文字一文字を出すというより、緩急や強弱、無声母音の多用とかで成立しているから。
よく生放送で唄っていたような『ローリンガール』『オーディエンスを沸かす程度の能力』や
『何となく言ってみたい言葉』『怪異物ノ怪音楽箱』とかを試しに唄ってみた。
ブランクもあったので、口がついてこなくて始めは結構ズタボロだった。
音ハメが大事なのに、ちゃんとテンポに乗せるべき音をそのタイミングで出せない感じで、
これも発声障害出始めの時にちょくちょく感じていたのを思い出した。
頭で今出すぞ！と思っている音と、口から出てくる音が自分の中でラグっている感じ。
これも、舌の筋肉の不自然・不必要な緊張のせいなのだろう。
でも、今は多分「やればやるほど悪くなる」状況にはなく、むしろ繰り返しやれば回復を感じられるのではないかと思ったので
しばらく繰り返して唄っていると段々体が思い出してきたみたいだ。
『恋愛サーキュレーション』のタイツォンラップも、強弱をしっかりつけていたらマシになってきた。
難易度的には、『ココロオドル』ってかなり入門向けだよなと思う。
『怪異物ノ怪音楽箱』は、滑舌もだけど、部分的に音程がかなり難しい部分もある。
サビは一旦考えず、AメロBメロのラップしている部分だけで言うと、２番の
「番蝶 辛い情事の後忘れ得ぬ紅の頬 「私を抱くか」と笑った幼顔」
このフレーズの音程をしっかり出すのが、今の私にはかなり難しいことに感じられた。
前はなんともなかったけど。
でも、やっぱり速度を落としてゆっくり読み上げるように練習してから、徐々にスピードを上げていき
最終的に原曲の速度でやって……としていくと、回復してきた。
「やればやるほど悪くなる」というのは病気の入口だったので、今は多分出口に向かっている気はする。
無意識に引き返して再発するのは嫌なので、最終的には舌の脱力に重要なファルセットの曲を唄いながら
クールダウンして終わりにした。要はサンホラだけど。
・２月10日
手術から２ヶ月くらい休めば仕事に戻れると思っていたけど、８ヶ月経とうとしている。
直近のサンプルも、まだ「万全」ではないとのことで復帰できずだった。
もう復帰できないのかも。万全なんてないのかも。早く見切りをつけるべきなのかも。
そもそも、はなから私にできるような仕事じゃなかったのかも。
こんなに頑張っているのにどうして悪いことばかりが重なり、お金はどんどんマイナスになっていくんだろう。
と、すごく辛い気持ちになって泣いた。
リハビリが進んで安心して泣いたことはあったけど、結節ができてから辛くて泣いたことはなかった。
でも今日はさすがに心が折れそうだったし泣いた。
泣いても何も変わらない、自分にむかつくだけだ。
でも、泣かないで頑張ってても物事が良い方に行かないなら、あとどうすればいいんだ。
多分、疲れた……と思う。
「【雑記】なぜ私は声にこだわっているのか」という記事がある。
私には、「どうでもいいってことにする」なんてことはできない。
そんなことをしようとすると、これ以上生きていてもしょうがないことになってしまう……。
頭の中で母親が諦めろと言ってくる。
悔しい…！！！！！！！！！！！！！！！！
・２月11日
弟とのテラリア収録があった。
その前後には、読み上げのリハビリもした。
最近弟にも、「読み上げ・話し方教室」をテラリア前にしているんだけど、自分としてもこれまでの人生や
最近のリハビリで学んだことをそこで弟にも伝授しつつ、それが弟側でどのくらい効果を発揮するか観測を続けたりしている。
自分に効果があったのが「自分だから」だとしたら、他の人でも同じような効果が得られるようには
先に整えるべき土台があるのだろうから、それについて考えたりしている。
歌に比べて読み上げの方が、発声が甘くなりがちというか、声帯が緩みがちというのは
私個人の問題や病気が原因というより、「人はみんなそう」なので、
歌が安定してきた今、慎重にかつ念入りに読み上げの方のリハビリ量も増やしていくべきと思う。
歌が安定する前は読み上げばかりしていると症状がぶり返しそうだったのもあって
やりすぎないようにしていたところがあったけれど、そろそろ朗読をいっぱいしてもいいんじゃないかなと思う。
星新一を毎日２〜３篇読むなど。
・２月15日
『君の思い描いた夢集メルHEAVEN』の収録と生放送。
歌の方は個別記事を立てた。
やっと１曲、収録〜ミックスを「完結」させられた。
１年半ぶりに！
これからまた歌を録ったり録らなかったりしながら、できることを増やしていく、その第一歩だ。
生放送では、当然喋りもするけれど、星新一の朗読で読み上げリハビリもしておいた。
・２月18日
ナレーションの仕事が来た。
一番案件の多かった取引先ではまだ受注再開を許されておらず、それ以外のところから来た。
この案件は、リピート案件なので嬉しかった。
手術前にも２回請けたことがあるシリーズで、今回が３回目。
ちょっと調べたら受注休止中に途中の回を他の人が間を繋いだような感じはなかったので、
たまたま休止中にパート３制作がされなかったか、私の復帰が待たれていたか。
今までのペースからすると、前者かな？ だとしたら復帰が間に合ってよかった。
いずれにしても、こうして休業前の「続き」をやらせてもらえるのは本当にありがたいので、
以前と全く同じか、むしろそれ以上のクオリティで音声をお届けして要望にお応えしたいと頑張って録った。
30分くらいのドキュメンタリー番組のナレーションなので、１案件として結構文字数多めの部類に入るんだけど
しっかり尺合わせもして無事録り終えた。
納期より数日早く納品もできたし、よかった。
早く、もっとバリバリ案件こなせるようになりたい……。金がなさすぎる……。
・２月20日
ナレーション案件が発生することのある取引先用の新規サンプルを収録した。
あと、動画を撮ったり編集したりする仕事もしたから結構喋った。
最近、毎日は唄えていない。
でも声は使っているから、ケアのために喉を休ませるのや、マスクをして寝るようにしていて
NPをセーブする期間という感じになっている。
・２月25日
動画仕事のナレーションを「活発な感じで」録った。
発声障害を起こしてから一番得意だった分野が一番苦手になった。それがこれ！
活発な感じで声を出そうとすると裏返ったり声にならなかったりする率がすごく高くなっちゃったから。
ちなみに18日にこなした案件は、ウィスパーな感じだった。
ウィスパーなのも障害により「息が続かない」という問題が発生していたわけだけど、
手術前より改善されていてよりよい状態の音源を作成できた。
今回の活発な感じのものは、滑り出しはすごく良くて
「あぁーそう、これこれ！ こういう感じで喋ってたわー！」
という具合にあまり意識しなくても普通に活発な感じを出せたので、すごく回復を感じた。
けれど後半徐々に息が抜けてきて「あ、症状がぶり返そうとしている！」と思って
一度冷静になってから、身振り手振りを付けながら腹筋をうまく使ってアタックの強い入りを意識したら、今度は割とすぐに治ってきた。
症状がぶり返しそうになっても、正常な方へ引き戻せるところがすごいと自分で思った。進歩だ。
NPを無駄に削られないで済んで良かった。
それに、自分のイメージする「こういう元気で活発なイメージ！」っていうナレーションが録れたことが嬉しい。
イメージしても出せない期間が１年以上も続いたので。
・２月26日
「リハビリ用」という名前で作ったセットリストに沿って、ぶっ通しで１時間半ほど唄った。
セットリスト自体は全体で53分。
途中でちょっくら四捨五入したりすると１時間を超えてくるセトリだね。
かつて「声でねぇええええ！！！」と思っていたパートがほとんど普通に出るようになっていて、
気になる部分の方が少ない状態となった。
まだ気になる部分がなくなってはいないのだけど、このバリエーションの楽曲を一発撮りで１時間半くらい唄って
この出来ならすでに十分すごいと自分で思える領域だ。
進んでいる方角が合っているっぽいことが一番心強いとも思う。
これであと、ハツラツとした読み上げのために、文章の内容がどんなものであれ無駄に元気よく朗読して
一番需要があるベクトルのナレーション案件を不安なく請けられるようにならねば。
この日の１時間リハビリをほぼそのまま使って、９ヶ月のリハビリ経過動画を完成させた。
この世に声帯結節と発声障害を併発した例で、そのリハビリと経過をここまで動画と音声でまとめたコンテンツは
他に存在しないのではないか……？
前にも書いたと思うけど、プロの声優さんや歌手だったら、経過を見せずに回復して復帰するだけだろうし。
私が私だからこれが作れて、世に出せた気がするのだ。
・２月27日
いつもの12曲を唄ってリハビリ開始。
↓いつもの12曲
光GENJIで喉をウォーミングアップして、バラードで少しずつキーを上げていって、
ラップで舌を起こして、サンホラでミックスボイスとファルセットを使いつつ、クールダウンしていくセトリ。
意外なことは、現状このリストにある楽曲の中で一番発声が安定しないのが『Red Angel』なこと。
なんというか、私が起こしている発声障害って、横隔膜が無意識に上がってしまって
必要な空気圧を保てないのがひとつの「いけないポイント」と思ってるんだけど、このリストにある曲の中では
『Red Angel』が一番、無意識に横隔膜が上がってしまうのだろうと思う。
（ちなみにもうひとつの大きな「いけないポイント」は、舌根が常に緊張していること。
子音の発音が終わった後に母音発音中も要らない力が入り続けているのがいけない）
それに、サビの入りの「赤い〜」っていうところが息が抜ける条件をいくつか満たしていることもあって
そこが最高音というわけではないのに不安定になってしまうので修行中。
カラオケ音源とかを流さないで、アカペラで「赤い〜風が吹く〜街〜」って唄ってる分にはいけるんだけど
曲を流してそれに合わせて唄っていると悪い癖がぶり返す、という感じになる。
でも「今日のリハビリ」という観点で言えば、「前日より明らかに良い」という感想で終わったので良かった。
毎日徐々に前へ進んでいると思う。
今日は12曲フルでは録らなかったんだけど、録らないほうがのびのびと歌えるというのもあるなぁ。
いざ録って比較したら、
「昨日よりいいところもあるけど、自分が唄っている時に感じているほどは良くないな」
っていう感想にもなっちゃうところあるし。
唄っている時気持ちいいっていうのが今は大事な気がする。
そもそも唄っている時「苦しい」という感情がトップだった状態から回復を目指しているので、
より気持ちがいい方へ進んでいくべきだと思うし。
12曲唄った後に、さらに別の曲にも挑戦したりリベンジしたりももちろんしているんだけど、
今日の場合は『I'm here saying nothing』『チカラ』もやってみた。
『I'm here saying nothing』は歌リハビリ開始当初、ファルセットを鍛え直すための課題曲として
毎日のように唄っていたけど、ある段階で「今はこれを続けても、これ以上良くなる気がしない」っていう
天井みたいなのを感じたので、一旦毎日の楽曲からは外して、別の基礎固めをしたりしていた。
だから最近は唄ってなかったのだ。
そろそろ地声もファルセットもまぁまぁ安定したところだし、今唄ったらAメロの息が続くかもしれないなと思って今日は歌ってみた。
この曲のAメロは１番も２番も、ワンブレスで唄うのにちょっとコツが要るところがあって
肺活量がそこそこ必要なのと、それこそ声帯がピタっと閉じる息漏れのない発声をしない限り
必ず途中で「吐き出す息がもうない！」ってなっちゃうのだ。
ましてや私の発声障害の症状だと、息漏れしまくるからブレスを２回くらい足す必要があったし、
ファルセットと地声を激しく行き来するので音程もしっかり取るのが大変なのだ。
今日は、リハビリ開始当初よりはかなり息漏れが減っていることや、
地声とファルセットを短時間で何度も行き来するような音程にもある程度ついていけるようになっている
という感覚が得られた。これは録音しておいた。
多分リハビリ開始当時の音源と比べると、だいぶ差があると思う。
それから『チカラ』も、アップテンポな楽曲だけあって、無意識に横隔膜が下がると
息漏れがしてすぐブレスが必要になっちゃうし、サビでは発声が変わってしまうところがあった。
だから、メルヘブンより先に収録を試みていたのに、メルヘブンの方が先に完成したんだよね。
『チカラ』は録ってると、「今急に発声変わっちゃったな」っていうところが出てきて
どんなにその部分を歌い直しても喉が疲れるばかりで、思い通りにならなかった。
まだ自分の回復度合いが、この曲を唄う段階に達していないんだなと判断して保留とした。
絶対いつかは完成させるつもりでいるけど。
だからここそ、今日はまた通して歌ってみた。
そしたら、以前と比べると格段に唄っている時の苦しさが減っていた。
前は、１曲丸々を通して歌い切ることそれ自体が大変な有酸素運動だったのでｗ
25日のナレーションの作業のあと、一皮むけたっていう感じがする。
明日もがんばる。
＜つづく＞
・12月21日
今日はかなり唄った。
配信とかではなく、リハビリとして色々なことを試した。
歌のリハビリ開始当初に日課としてやっていた『月光』や『I'm here saying nothing』だが
最近はそう頻繁に唄っていなかったので、今日は久しぶりにベンチマークを取るつもりで歌ってみた。
かつて、『月光』の課題は「片付けられずに」のところだった。
『I'm here saying nothing』の方だと、２番Aメロの最初の１フレーズをノンブレスで歌えないという課題があった。
このへんを重点的にやって、やはり「息の使い方」が肝だと思った。
声を響かせたりとか、芯をくっきりさせたかったら、息をたくさん吐くのではなく、むしろ逆なんだ。
めいっぱい吸う必要もなく、そこそこに吸って留める。
で、吸い込んだ息をなるべく長持ちさせるつもりで、細く息を出す。
頭ではずっとわかっているし、合唱団でもそう指導されていたんだけど、
最近これを改めて意識してみると、風船みたいなものがイメージされる。
空気の入った風船や袋を想像する。
たとえば、その袋の口を両手で握って閉じているところを考える。
手の力を一気に緩めて、袋の口が空気の流れを全然抑えない状態になったら
空気は一気に抜けるし、袋の口からは「ぽひゅん」みたいな音がして終わりだろう。
でも、空気の入った口が小さい風船を手放したら、空気の抜けるブルブルした音が鳴ったりするし、
空気が抜けきるまでに時間がかかる。
それに、風船表面には内側からの空気の圧もかかっている。
物から空気を使って音を出すには、この圧が無視できないと思う。
人が声を出す時も、吸った空気の圧を使って声帯がたるまないようにするべきなんだと思う。
だからこそ、体内に空気が一定量入っている状態を維持して、空気圧をかけていないといけない。
じゃないと、たるんだ声帯を無理やり擦り合わせようとして、空気圧でない過度の力がかかって声帯を傷めるか、
うまく声が出ないか、その両方になるんじゃないだろうか……と思う。
この「体内から外に向かって空気圧がかかる」状態をよく感じるためには、前に多少屈んだり
いっそのことうずくまったり、あと四つん這いになったりするとわかりやすい。
それから、仰向けになって胸より上の上半身は脱力するというのもいい。
空気圧を中から外にむけてかけるのと同時に、肩まわりの無駄な力は抜いた方が
声帯が無理なく閉じてくれる感じがする。
肩まわりに力がこもっていると、内圧が弱まる。
だから、でんでん太鼓みたいに上半身をぐるんぐるんを左右にひねるようにしながら
肩の力を抜いて、吸った息をなるべく使わないよう小さな声・細い声でもいいから出す
というのをやっていると息漏れは減ってくる感じがする。
歌だと、明確に「ここで吸う」っていうのがあるし、結構瞬間的に吸い込んで、
そのあと一定のアタックの強さを持ってフレーズを歌い出すけれど、文章の読み上げの方は
歌に比べると呼吸の瞬発力を必要としなかったり、アタックの強弱も読むものによったりだから
空気による内圧が弱くなりやすいというのはあるなあと思っている。
読み上げでも、四つん這いになると体が自然と「息をとどめよう」とするから、内圧が保たれる感覚がある。
これを、四つん這いでないときにも無意識にできるようになれば、元の状態になるんだろうなと思っている。
地声の音域は、他に『チカラ』を唄って調整した。
やっぱり課題となる箇所はサビの「ウ」段だったけど、繰り返し部分練習しているうちに
声帯が閉じてきたりした。
「いつも無意識によく閉じる」という状態にならないといけないと思う。
ファルセットの発声練習はサンホラ祭りをやった。
とても楽しかった。
『聖戦のイベリア』は名盤すぎる。
・１月２日〜５日
収録や配信環境において、
「返しにもリバーブやコンプなどのエフェクトを自在にかけつつ、出力はノーエフェクト」
という配線をすることが可能なサウンドデバイスを譲ってもらえることになった。
もちろんPC内部での設定を変更すると、「返しにも出力にもエフェクトあり」ということもできる。
ただ、それだけ自在なことができる代わりに、以下のような特色がみとめられる
・趣味で買うには高いのであまり使っている人が多くない
・ユーティリティソフトの日本語化はできない
・元々Mac向けだからWindowsと相性問題がある
・上記の合せ技により、日本語で調べ物をしてもなかなか解決策にたどり着けない
などなどｗ
そんなわけで、
「多分、繋いで即、快適に使い始められるってことはなさそうだなｗ」
という覚悟はしてあったし、年始の仕事が詰まってこないタイミングでがっつり環境作っちゃおうと思って
まずPC開けてThunderboltEX4を挿したり、機材繋いで認識されなかったりと色々を約３日かけて乗り越えたｗ
１月ということは、声帯結節ありますよの診断が下ってから１年経つということになる。
もう１年も闘ってるのかよ、早く勝ちてえ！
闘いを終わりにしたいが、勝利で終わらせてぇわ！ それもなるべく早くだ！！ ちくしょう！
みたいな気持ちが強い。
この１年で、本来請けられたはずの仕事やチャンスをどれだけ逃してしまったのだろう。
失ったものや手に入れられなかったもののことを考えても仕方がないが、悔しくてしょうがない。
挽回しないわけにはいかない。転んでもただでは起きないのだ。
この機材を使いこなせるようになったら、発声の矯正に良さそうだという予感はあるので、
絶対にここであらゆる問題を解決して使用できるようにしようと頑張った。
その結果得た知見は別記事ですでにまとめた。
【トラシュー】WindowsでApollo twin|x（ThunderboltEX4接続）を使う
一応、想定していた環境は整ったので、動作確認も兼ねて５日は「歌い初め」をして録音もした。
ベンチマークなので、昨年の８月に録ったのと同じ楽曲を色々録って比べてみた。
８月は、歌を唄ってもいいというお達しが出たものの、いざ唄ってみると手術前と同じくらい苦しいぞ！
というのが歌にも表れている感じｗ
対して今回録ったのは、同じ曲でもだいぶ余裕が出てきて、まず変な位置でブレスしなくても息が保つようになっているし
声に混じっている息の量が減っているのもわかる。
８月のは、そもそも声を聞けば息が無駄に多いことがわかる。
空気が混ざっている音だから。
それがだいぶ減ってきて、「声という音」だけの混じり気の少ない状態になってきたと感じる。
なんというか、私の声は元々弦楽器みたいな声のはずなんだけど、息が無駄に多いせいで
木管楽器みたいな声になっていた。
それがまた弦楽器寄りになってきた。
こうなってくれば、音程の安定感の方にも意識を向け始められる。
８月に歌いだしてからずっと、音程どころじゃなかったが、やっと次の段階かぁ〜って感じｗ
・１月８日
仕事も納品したので、早めの時間からリハビリの歌。
かなり、「力を入れるべき場所と、脱力すべき場所」を本来のバランスにできてきてる感じがある。
力を入れなくても良いところに力を入れていたから息が沢山漏れていたと思うし、
力を入れるべきところに入っていないから、声量を増すには声帯を強く擦り合わせたり
息を沢山使うしかなくて悪循環に陥っていたと考えている。
今は、息を無駄にしないためにどこに力を入れて、どこの力を抜くかを実践できてきてる。
ここ１年は、それが頭でわかっていてもできなかったから困っていたんだけどｗ
多分、症状がどんどん悪化していった段階では、頭で考えていたイメージにある
「力を入れるべき場所」がもう間違っていたんだろう。
もちろん部屋の環境のこともあるし、椅子もあまり録音に適していないと思っているけどｗ
今座っているのはいわゆるゲーミングチェアの一種なんだけど、座面の角度が腹式呼吸に向いてないのよ！
フットレストを使うかどうかは無関係に、座面そのものについている傾きが
「腹式呼吸でたっぷり息を吸い込んで、留める」
というのに向いていない。
この椅子に座っていると、横隔膜をすごく下げにくい。
背もたれに寄りかかってお腹と太ももとの間の角度が鈍角になるようにすると、
声の出が変わることからも明らかなんだよな。
でも背もたれにもたれて発声すると、鼻声っぽいか、寝転がったような声に近づいてしまうから
ナレーションには向かないわけ。
そう思って、背筋を伸ばしてまっすぐ座ると、腹と太ももの角度が鋭角に近づいてしまい
横隔膜を使った呼吸法をとりづらい……。
そう考えると、以前使っていた普通のビジネス用PCデスクチェアの方が録音にはよかったかもな。
そんな感じで、そのうち椅子を買うかもしれないｗ
今の椅子は引っ越してきてから使い始めたから、引っ越して変わったものの一つだし
もしかしたら症状と絡んでいるのでは、とずっと疑っているｗ
今は、座布団やひざ掛け毛布を敷いたりしてなんとか工夫している状況ｗ
サンホラを歌って、ファルセットやミックスボイスの調子を確認していたら、ライブが見たくなってきた。
そこで、久しぶりにBlu-rayを引っ張り出してきた。
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![第三次領土拡大遠征凱旋記念『国王生誕祭』2009.06.27 [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/514NQJjjuZL._SL160_.jpg)
つくづく神セトリすぎるなぁ
— (V)・∀・(V)かにぱん。🦀🍞＠つくば (@kanipan666) January 8, 2025
なんだこれ？？？？？？？？ pic.twitter.com/E7t5R4c5wU
特に、初日はMoiraだけでなくインディーズ時代の曲も沢山含まれているし、特に冒頭が
『聖戦のイベリア』からなのもたまらなく好き。
そこだけ何回も見ちゃう。
これがVHSだったら、冒頭部分のテープは今頃伸びていることだろう。
こういうのを見ていると、自分もまたステージで歌いたいというか、実際にそういう機会を得られるかどうかはともかく
「ステージで歌えるようなコンディションになりたい」
と強く思うのだった。
前に、『石畳の緋き悪魔』を一人で全編録ったことがあり、主旋律をずっと担当する分には
生でも通しで唄えるとわかったのだった。
Bメロ終わりで「あかきひかり〜〜↑」ってやったあとに、オクターブ下げて
「君ノ愛スモノ全テ、」ってやらないといけないけど、コンディションに問題がなければそれもできていたわけで。
ライブを見ながら、それをやってみたら、今のコンディションだとファルセットをちゃんと出せたとしても、
その直後にオクターブも下げたらまともに声が出ないことがわかった。
再びこの急激な上げ下げにも耐えられるような喉づくりをするのが目標になるな、と思った。
それにしてもこのライブは、『schwarzweiβ〜霧の向こうに繋がる世界〜』までやってるのがすごいと思う。
あと、何回見てもじまんぐのステージ慣れっぷりに舌を巻きつつ笑ってしまうｗ
・１月10日
生放送でリハビリの様子をそのまま垂れ流した。
配信しているかしていないかの違いしかなくて、普段からこんな感じで歌のリハビリをしている。
でも、鼻が詰まっている状態で始めてしまって、鼻が抜けるまでは苦しかったｗ
ハナノア＋ミサトールローションしてからにすればよかった。
様々な曲が「前唄ったときより良い！」という手応えをくれて、進展を感じた。
やはり大事なのは横隔膜！！
今日一番手応えを感じたのが『call my name』だったので、８月に録った同曲のデータを流して聴いてみたら
その頃の声のガサガサと息の抜けて苦しい感じが音声にしっかり表れていて、今がいかに良くなったかがわかりやすかったｗ
四つん這いの効果はすごいので、四つん這いの布教をした。
もちろん、四つん這い以外の体勢のときも色々気をつけるべきことはあるけど、
声帯が緩んで息が漏れてしまい声が張れない症状の元となっている呼吸法を矯正するのにはかなり効く。
新環境は、少なくともUA-４FX�兇里茲Δ法�大声を出したからと言って勝手に返しのボリュームを
絞ってくれちゃったりはしないので、その点だけでもかなり歌いやすくなった。
リバーブも細かく調整可能。
あとは、鼻が詰まっていないにもかかわらず、読み上げ時に部分的に鼻にかかったような声になってしまうのとか
一部の文字が明瞭でなくなるときがある点を詰めていけば、次はシチュエーションボイスの収録とかをしてみてもいいかもしれない。
歌は、経過の記録と復帰の形として何か１曲、ミックス編集する前提で録るのに際して
どの曲にしようか迷っているところがある。
一番無理なく録れるものから再開していきたい。
・１月14日
今日も２時間半ほどボイトレ。
録音もしておいた。
10日の生放送で唄ったときに課題を感じた曲が、そのときより良くなっていたので、
やればやるほど回復を感じる。
例えば『真赤な誓い』は「いつまでもいつまでも」のところは「まだ良くはないけどマシ」で
『Last Love Song』とか『鳥の歌』あたりは「完全にマシ」だった。
『Breeze』と『infinity』も良くなった。
中でも、今日一番手応えを感じたのは『1st Priority』だ。
最近唄っていなかったから、比較対象となるような録音はないものの、
「出したい音程で出したい声が出ない〜〜！！！ぐぎぎ」
みたいな感触がなくて、結構楽に出せた点で発声の難がなくなってきていることを強く感じた。
多分、ほんの数週間前に唄ったら苦しかったんじゃないかなと思う。
音程はまだ不安定なところがあり、自分でも唄っている最中に
「今、正しい音程で声出せてなかったな」
と自覚もある。
これは「自覚があるだけマシ」だと思うｗ
まず前提として、自覚がなきゃ音程を矯正しようがないので。
音感が鈍って音程が外れているのではなく、音感は正しいのに喉の制御が利いていないという状態。
出したい正確な音程を出せるようにするには、それこそ回数を重ねるのが一番なので
酷使しない程度にコツコツ唄っていくしかないと思う。
実際、ここ最近ずーっと唄っている分『月光』は音程も安定してきた。
回数を重ねればその分良くなっていく状態なのが幸いだ。
そもそも、回数を重ねれば重ねるだけ悪くなっていった時期があったわけだし。
それを考えれば、今がどれだけマシになったことか……と実感する。
１日おきに唄っているから、２日経過するごとに良くなっていく。
椅子にいい感じに重ねたタオルを敷いて、座面の角度が「前に行くほど少しだけ下がっていく」角度になるよう
調整したのも良かったと思う。
座ると、自重でほぼ水平に近くなる。
あまりに角度が強いと、結局体のどこかには悪いと思うので、この調整は大事だと思う。
立って唄って喉をよく起こした後に、座って唄ってみたりもするんだけど、座っていると露骨に発声が悪くなる。
ただ、立ちっぱなしも疲れるので立ったり座ったりでやらざるを得ないがｗ
それにできれば、立っていても座っていても同じ発声ができるようになるのが最終目標かな。
早く手術後からの経過を音声として並べて、動画にしたい。
どれだけ酷かったのをここまで持ち直したか、流れでわかるようにして共有したい。
途中何度も、悔しかったり怖かったりして何もかも投げ出して諦めて死にたいみたいな考えが過るのを強い気持ちで堪えてきたし、
良くなっていく段階では何度か泣いたりもした。
でも逆を言えば、「良くなってくるときにしか泣いていない」。
気持ちとしては、悔しさとか恐怖や不安の方が強かったけど、涙は出なかったな。
ずっと
「畜生悔しい、絶対に良くなってやる、転んでもただでは起きないぞ」
みたいな気持ちの方が勝っていたのだと思う。
負けず嫌いで良かった。そうでなければ早晩死んでいただろう。
・１月16日
病院。
２か月ペースでの検診。
以前は、どんどん息が混じった声しか出なくなっていき、歌の中でもブレスが保たなくなっていたけど、
今はどんどん無駄な息の混じらない声が出せるようになって、唄える歌も増え、息が保つようになった。
強いて言えば、素早く畳み掛けるような曲ではまだ症状を感じる――
という報告をした。
ともかくすごいスピードで良くなっているのは自分でも感じているし、その一方で完治ではないという感じ。
先生は電子カルテに何かをバチバチ打ち込みながら、
「まぁ、日本語の”畳み掛けるような”歌っていうのは、元来ものすごく難しいものだからねｗ」
と仰っていた。
私もそう思う。
でも、私の場合は、それを「売り」「特技」としていたのが、突然出来なくなったので
「難しいと感じずに出来ていたことが出来なくなった」という衝撃が大なんだけどね。
元からできなかったならいざ知らずｗ
まぁともかく、そういう「元来誰にとっても技術的に難しいこと」が一番最後まで課題として残るのは
当然のこととも言える。（先生もそういうことが言いたかったのだろうと思うし）
そして、恒例の高精細スコープで声帯チェックおぇっ！
14日で、このクリニックに通い出して１年経ったことになるのに、一向に慣れないおえっ！
なぜかたまにまぐれで全くおえっ！とならない日もあり、違いがわからないのも難点ｗ
いつかコツを掴みたい。
声帯は「理想的な閉じ開き」をしているとか。
閉まるべきところがピタっと閉じて、根本の軟骨部分はYの字のように開いているのが良いそうな。
実際そんな感じになっていた。
おえっ！ってなってたから、一瞬しか見えなかったけどｗ
確かに術前は、根本だけじゃなくて全体的にしっかり閉じてくれていなかったように思う。
それだけ発声が変わってきたのだな、と思う。
あとは読み上げにしろ、歌にしろ、「速さが足りないッ！」状態だから、これも再度基礎から訓練していくつもりで引き続きやっていく。
寝る前に寝室で、星新一のショートショートを一篇朗読したりしている。
面白い（面白い？）。
うん、リハビリを楽しめるのはきっと良いことだ。
多分これも、四つん這いでやるとめっちゃ効果あるだろうな。
たまにやってる。四つん這いで朗読。
ちなみに今読んでいるのは、『エヌ氏の遊園地』の文庫。
星新一は、１冊読み終わっても「あと数十冊ある」という安心感があるな。
仮に1001篇読み終わっても、最初の方に読んだやつはオチを忘れているから、また読み直したら新鮮に感じそうだし
死ぬまで繰り返し楽しめるな。
楽しめる、といえば――
収入が少なすぎて、嗜好品や趣味の買い物ができなくて楽しみが少ない生活は辛い。
そこで、年が明けてから最初のスーパーでの買い物でうまい棒みたいな安い駄菓子をまとめ買いして、ちびちび食べている。
これはこれで「ジャンクなフードが食べたい」欲求が満たされるし、もっと高い買い物で散財してしまうよりはマシだと思うけど
間食が増えたり、その分食事が減って偏食になるのは体にはあんまり良くない。
それに、ちびちびお菓子を食べ続けていたら、お菓子を食べることにも飽きてきた。よかった。
飽きて辞めるのが一番良い。
お菓子を好きなときに好きなだけ食べることよりも、私としては体型が崩れないように自制をして
好きな服や着たい服が似合うような状態でいたいと思った。
食の欲求だけでなく、衣の欲求もある。
今は、お金がなさすぎて必要最低限の下着すらも買い替えられないくらい「衣」が貧しい生活だけど
駄菓子でその心の隙間を埋めていてもしょうがない。
寒くて億劫だけど、Beat Saberでもいいから有酸素運動をしなければな、と思っている。
多分歌にも良い。
歌もまぁ、有酸素運動だけど。
一旦はまぁまぁお菓子を食べて満足したので、またどんどんストイックな方向へ向かおうと思う。
体作りと、ボイトレはできれば並行してやらないとね！
・１月17日
『月光』の、残り僅かな「隙」みたいなところが埋まってきた。
ある一定の音域における、特定の文字で声帯が緩み、音程が安定しなくなる現象で、
前回までは気をつけて唄っていてもなかなか抜け出せなかったのだけど、今日は結構出口が見えてきた。
これが解決すると、もう『月光』はかなり安定して唄えるレパートリーとして復活し、
録音とミックスしても良いくらいになる。
今は、大抵の曲が「録音をミックスにはたえない」。
もし仮に録音をしようとしたら、調子が悪い箇所でずっとベストなテイクが録れなくて
収録がいつまでも終わらず、酷ければ症状を悪化させることになるだろう。
その中で、『月光』が「録音してミックス編集にたえる」くらいまで来たのはものすごい進歩だと思う。
それから、いつも歌い出しが一番おかしなことになってしまう『STARLIGHT』や『ガラスの十代』も
やっと安定感を取り戻しつつある。
『解放区』もファルセットとチェストの行き来が気持ちよくなってきたし、
『Last Love Song』も苦しさはほとんど感じない。
14日のボイトレで試しに唄ってみて録音はしなかった『Red Angel』は、サビ頭の「赤い」という入りが強く出せず息抜けを感じていたが
今日はかなりアタックを強く出せるようになっていた。
『Breeze』もだいぶ安定してきたから、次は『Successful Mission』の特訓をしてもいいかもしれない。
２〜３日に１回しっかり唄うと、前回より確実に歌が上達すると考えるとすごい。
今までずっと歌を唄って録ってきたけれど、明確な「上達」を感じるのには、年単位の時間が必要だった。
何度も小さな壁や沢山の課題に直面して乗り越えてきたけど、進歩を感じるまでにはどんなに早くても１か月くらいはかかった。
例えば、ある年までは自在にビブラートが出来ないという課題があって、
「よし、ビブラートが出来るようになるまで特訓しよう」とビブラート習得訓練を始めた時は、
毎日最低１時間ずつビブラート習得のための声出しを続けて、
やっと「自分の意思で声に波をかけられるようになってきたかも」と感じるまでに２週間かかった。
実際に歌の中で、かけたい場所でビブラートをかけられるようになったのは特訓開始から１か月目くらいだったか。
その段階でも、まだ「すべての音階のすべての母音で対応」とまではいけなかった。
だから、すべての音階のすべての母音で自在にビブラートをかけたりかけなかったりという調整ができるようになるまでには
数ヶ月から１年くらい歌い続けていたと思う。
音域を上や下に広げるのも２〜３日では無理。
曲やパートによって声色を変えるというのも、何度も何度も試行錯誤した結果できるようになったものだ。
手術後は、これらの技能を一旦全部奪われたような状態だったと言って良い。
声の音域は極端に狭く、声の強弱を制御できないのでビブラートはかけられず、
音程を調整できず、ブレスも保たず、声色も何種類も使い分けられたりはしない。
それらは私が30年くらいかけて少しずつ積み上げてきたもので、しかも経験によって積み上げた技術は
そうそう失われるものではないと思っていたのに、失われたのだ。
自転車に一度乗れるようになった人は、何年ブランクを空けてもいざ自転車に跨がれば
乗りこなせるものだと思っていた。
一度泳げるようになった人も、ボウリングの投げるフォームも――
体に一度覚えさせたものは、そうそう忘れたりしないと思っていた……。
でも、一種の「失調症」とも言おうか、脳とその器官とを繋いでいる神経接続自体にエラーが生じたり
外科手術を受けたりすると、30年の積み重ねであろうと容易に、突然に、崩れるということがわかった。
すごく恐ろしいことだ。
「経験で積み重ねた技術というものを信頼していた」から。
脳みそとか神経っていうのは、時として過剰に適応してしまい、結果として本人の意思とは異なる挙動をしてしまうのだろう。
しかし、リハビリがうまく回るようになると、今度は短時間で「30年分の経験」を追体験するかのように、
技術が手元に戻って来るのだった。
これはこれで面白い（面白い？）。
普通は、ある技術を獲得するのに年単位の鍛錬が要るということを芯から理解しているからこそ、
２〜３日で突如人が変わったように「出来なかったことが出来るようになる」のが可笑しくもあるほどだ。
こんなのは尋常じゃない。
一度は出来ていたことを、再度取り戻すから一度スイッチが入ると早いのだろうとは思うけど。
まるで「強くてニューゲーム」をやっているようでもある。
・１月19日
喋りとか読み上げのときには、歌を唄うのに比べてなかなか安定してこないのはなぜだろうと不思議だが
ライブ映像とかを見ていて、唄っている人の舌を観察して「舌の位置」を再度見直そうと思った。
ボイトレに初めて行った時、最初にやったのがストローで舌を押し込むようにして
舌根が上がるようにするという訓練だった。
それに、ボイトレ前にも診察の先生が、スプーンとか棒のついた飴とかで舌を底＋少し奥に押さえつけるようにするだけで
症状が改善される人もいたと言っていたし。
少し前に改めて小野正利の動画を見ているときにも舌に注目したんだけど、
彼の場合は「エ」の母音のときなんかには、舌が浮いているようだ。
色んな「その人とシチュエーションに合った舌の位置」がありそうだ。
多分、一概には言えないと思う。人によって舌のサイズや長さも異なるし。
私の場合、特に、歌でも読み上げでも、舌を動かして子音を作らないといけない文字のときに声帯が緩んで息が漏れるということは
子音の音を作る前後の舌の位置に問題があって、続く母音をキレイに出せないという状態と思う。
ナ・ラ行だけで唄うと発声が安定するのは、この子音は自然と舌根がいい感じになるからだろう。
メカニズムは共通していると思う。
今日は、歌よりも読み上げの回復度合いを確認して、まだ残っている課題を見つけ出し、
全快への時間を短縮するべく、サンプル台本を読み上げて録音してみた。
そこで、これまたまるで別人のように、声色とか芯の通り具合が変わる「舌の位置」を発見してしまった。
無意識に、下の歯の裏に舌の先が来るような位置をホームポジションにして読んだり唄ったりしていることが判明したが、
舌の先はもっと歯茎の下の方を目指したほうが確実に良い。
もちろんそれだけでは不足で、息の方も「横隔膜を使って息を吸い込んで留める」を同時にやるべきだ。
タ・ダ行のような子音では、舌のホームポジションが高い位置に寄りがちだからいけなかったのだと思う。
カ行を出すときにも、子音を形成するのに使うのは舌根だけど、舌先のホームポジションを
深い位置にした方が無駄な息が漏れない……！
どうしても、サ・タ・ダ行あたりは、一度は舌先を上げたほうが子音をキレイに出せるのも事実なので
そのときに「舌先を深いところにしまっているときと同じ舌根の状態」を維持できるように訓練し直せば
すぐに治りそうな気がしてきた。すごい。
これから、毎日「あめんぼあかいなあいうえお」をするときに、舌先のホームポジションをここに据えることを
強く意識しようと思う。
「常に」舌先をしまい込んでいると、それはそれで変な発音（発声ではなく）になるので、
上手に上げ下げしないといけないんだけど、多分これが「日本語の畳み掛ける歌が難しい」理由と同じなんだと思う。
でも、そのうちには舌根のホームポジションの方が矯正されてくると思うから、
自然に通る声を出しながら、早口で喋ったり唄ったりしても息が漏れないようになるんじゃないかな。
横隔膜だけを使ってもそこは治らないから、明日の歌ボイトレからは唄っている時の舌先の位置にも気をつけて
舌根が声帯の緩まない位置で固定されるように訓練していく。
今日は、この舌の位置に気をつけながら朗読をして終わりにする。
・１月22日
『チカラ』を収録しながら唄ってみた。
採用できそうなテイクがいくつか出るようになってきたのですごい。
11月17日に試しに録ったテイクには、採用できるパートは一欠片もなかったのでｗ
しかし、２番のBメロくらいになるとくぐもった声になってきたので、不思議だった。
これは「疲れてコンディションが変わってきたから」なのか、「その歌詞に含まれる文字・文字列の関係で症状がぶり返している」のか
俄には判断できかねる。
でもここ最近のトレーニングでは、「うまく唄えない、声が出ない箇所」を仰向けで唄って矯正すると
数日後には縦になっていても唄えるようになっていることが多いので、今日の録音がトレーニングとなって
後日同じ箇所が自然に唄えるようになることを期待している。
・１月24日
朝からオメがんのPC組み立て代行を行った。
最初、作業用BGMにB'zのアルバムを片っ端から聴いて、口ずさんでいた。
後半はサンホラのアルバムを片っ端から流して口ずさんだｗ
ミックスボイスやファルセットもだいぶ安定してきたとは思うが、
『笛吹き男とパレード』を唄っているときに、「笛になった」部分の最高音付近が出ず
喉元で関節がぐきっと言うような感覚がするのだった。
笛になってるのは↓この動画のとき。
これはどうやら、その音域の音を出す時に使うべき筋肉がうまく使われておらず
別の使わなくていい筋肉が無駄に介入してきているという状況みたい。
具体的には、物を飲み込むときに開閉する喉の蓋みたいなものがあるんだけど、
その周辺にある「物を食道へ送り込む、嚥下の際に使う筋肉」が動いてしまっているらしいんだ。
確かに言われてみれば、唾を飲み込むときに近い場所でぐきっと言うｗ
お年寄りになるとこの筋肉が弱って物を飲み込むのが困難になっていくと言うけど、
ぐきっと言うのはむしろ筋肉強すぎか？ｗ
それで、発声のときに活用するための筋肉ではないのに、そっちが稼働しちゃって
高音を出したいのにその音程の声は出ないし関節がぐきっとなる、という現象が発生するみたい。
矯正にはまさに「神経接続」が重要らしく、必要な喉の筋肉を鍛えて、要らない筋肉の介入を阻止するというトレーニングが要るみたいだ。
１日おきに歌を唄っている今の状況でも継続的に回復はしてきているが、
声帯を取り巻く複数の筋肉の「どれを使ってどれを使わないか」というのを神経に覚えさせないといけないから
色んな声をロングトーンで出して、声帯回りの筋肉と神経を鍛えていくのが大事そうだ。
喉を締めずに、それでいてまぁまぁの高さのファルセットで、弱く長く声を出すのを１日おきにやろう。
沈黙療法の後のハミング療法を彷彿とさせる。
あれもまぁ筋肉を起こす目的があったのだろうとは思う。
今は、筋肉にだけ一定の負荷をかけて鍛えたいから、声帯に悪い発声にならないように声を出しつつ
「ロングトーンを出しているうちに喉の奥の筋肉が『うっ』ってなってくる」のを目指す。
おそらくその「うっ」っていうときが”効いてる”ときなのだと思うｗ
これは筋トレでも同じ感覚あるしねｗ
意識して出そうとしないと出ない声を使って、超回復してを繰り返して、筋肉をつけていこう。
・１月25日
『チカラ』の続きを録った。
結論から言うと、一旦曲の最後まで到達はできた。
宅録した歌データとして完成と言えるところまでは作り込めてないけど、そもそもこの１年半は
「１フレーズとて採用テイクが録れなくて、ミックスする段階にも到達できない」だったので、
歌を最後まで録れたこと自体が大きな進歩だ。
最後に録れた歌が2023年10月の『Shooting Star』で、そのあとはどんどん調子が出なくなる一方。
「歌を録ろうと思っても、変な声になったり息切れがすごくて唄えなかったり」という感じになっていった。
そこから、また歌を「最後のフレーズまで一通り録れる」ようになるのに１年半も要してしまった……。
しかし、喋るのにも読み上げるのにも唄うのにも「何一つ今まで通りにはできない」状態まで落ちて
ここまで再度這い上がってきた自分はすごいと思う。多分超人の部類だと思う。
『チカラ』を録っている間には、やはり何度か発声が悪くなって、息切れするほどではないけど
良い発声で唄えた部分と比べて鼻にかかっているように聞こえたりはした。
良い発声で歌い始めても、そのまま唄っていくと徐々に悪くなっていく感じで、
そこで一旦止めて発声自体を見直す工程を挟まなければならなかった。
母音のみでその部分を唄うと発声が矯正される。
そのイメージを逃さないまま、歌詞通りの子音をつけてもう一度……というのを繰り返した。
音程は合っていても、発声が悪いところは声の抜けが良くないので、全部ボツったし
まだそういうテイクが残っているので引き続き修正の収録を明後日くらいからやる予定。
とはいえ、最後まで行って一度ファイルをレンダリング出来たのはすごいと思う。
ワンコーラスも唄えない期間が１年半もあったのだからね。
今日、すごく痛感したのは「力を抜きたい筋肉からのみ力を抜くなんて難しいよ」ということ。
しかも声帯の回りにある筋肉なんて、腕や足なんかよりよっぽど「意識で」制御するのが難しい。
この前見た動画では、
「小指だけを動かしたいのに、薬指が一緒に動いてしまう状態」
と喩えていた。
それがすごく良い喩えだと思う。
私の喉で起きている事象をこれで喩えると
「小指だけを動かせばいいのに、５本の指すべてが動いちゃう」
というイメージ。
子音の形成のために一瞬だけ舌を動かす音は沢山ある。
で、舌を動かす筋肉は、舌が子音を作ったらもう弛緩していいはずだが、
そのあとの母音の発声時にもずっと緊張状態にあるから、結果的に母音の発声を阻害しちゃってる…という感じ。
だから特定の子音の含まれる文字のときに、母音部分の声がうまく音になってくれない。
もうその音を出す時には、緊張状態ではいけないはずの筋肉が私の意思とは無関係にがんばっちゃってる。
母音だけで声を出すと、無理なく出せて苦しさもないこととも辻褄が合う。
仰向けに寝転がって首や肩の回りを強制的に弛緩させた状態で唄うと、
状態が良くなるのも辻褄が合う。
だが、録音は横になって行うことはないｗ
だから縦になっているときでも、力の要らん箇所からは力を抜く必要がある。
今日唄っているときにも、「変な抜けの悪い声じゃなくて、従来の自分の声が出てる」と感じるときは
ほどよく脱力できていて、楽な感じで出しているときだった。
声を出そうだそうと頑張ると、無意識に力がこもっちゃうみたいで、そういうときのほうが声は良くないし、すぐに疲れた。
脱力って難しいな〜ｗ
特に地声音域のときｗ
ファルセットの方が自然と脱力できる。
でもそれを地声の音域でやろうとすると、力を抜こうと思っているのに反して、体は俄然力んでしまうようでｗ
明日は、喉を休めるために録音は継続せず、改めて仰向けで脱力して唄う感覚を体に染み込ませようと思った。
仰向けで歌い続けていたら、全然疲れを感じてこないのに、声はどんどん出るようになっていくという段階が前にあったから
またそれをやると良いんだと思う。
それから、サンホラを唄うのは大事なんだと思った。
声を頭のてっぺんで響かせるとか、軟口蓋にぶつけるようにするとか、上咽頭を引っ張って後ろへ向かって唄うとか
色々発声時の「イメージ」はあるけど、どれもサンホラの曲を唄うために
出せないといけない声色や音域を会得するのに重要なことそのものだった。
サンホラの女声パートを歌おうとすると結構な高音を出す必要があり、
それが「力めば良いってもんじゃない」声域になっていて、入れるところは入れ、抜くところは抜くという
今やりたい筋肉と神経の接続をやらざるを得ない。
生まれて初めてコツを掴もうっていうんじゃなくて、前に一度出来ていたことをもう一度できるようにする分
「こうするのは間違い」というのがわかっているし、おそらく多少はスムーズ。
トライ＆エラーの回数が人生初のラーニング時よりは少なくて済むだろうから。
そんなわけで、昨日もサンホラを聴きながら一緒に唄っていたし、明日もそんな感じで行こうと思う。
そうか、サンホラは私の命だったんだ……。
・１月29日
25日の収録は結構時間かけてみっちりやってしまったから、そのあと喉に疲れが蓄積していた。
なので、今日までは負担がかかるようなことはしないで、
「舌根を動かすための筋肉を使わずに楽に発声するための本来的な筋肉と神経」を鍛えるためのボイトレのみに留めた。
具体的には…
いわゆる合唱団のウォーミングアップでやるような
「あくびをするときのようなイメージで喉の奥の方を上に持ち上げながらハァーと発声する」
みたいなこと。
上咽頭を背後に向かって引っ張るようなイメージで、背中側の声帯を引っ張る筋肉を使うように
体に促す神経接続を強化する。
その結果、今日いつもの曲を唄ってみたら、明らかにハリが違った。
倍音が増えてきたし、変に鼻にかかってしまう音、鼻が鳴ってしまう音も減った。
『RED ZONE』もそろそろ普通に唄えそうだ。
今回の場合は、ちょっと前の録音ではまだ苦しかった『Ta-lila』がだいぶ楽になってきた。
『Red Angel』のサビ頭「赤い〜」ももう少しで、パンと張れそうな予感がする。
歌は数日おきに唄うたび、「前回より良い！」と感じられるけど、
読み上げの方でも明確な「良くなった」を感じるのには２か月要るのが辛いところだけど、
このまま歌を通して声帯周りの筋トレ＆神経接続をやり直して、読み上げのときにも
不要な筋肉で発声を阻害しないような状態を目指さないといけない。
今月もまたナレーションの専門業務に復帰できなかった……。
「万全の状態で復帰してほしい」と言われるたびに、遠回しに
「もう諦めて引退しなよ」と言われているだけなのではないかと考えてしまったりするけど
それはもし「万全の状態」というものが机上の空論に過ぎず、二度と獲得しえない体調だとしたらであって
今はまだ「わからない」状態だ。
先方が言う「万全の状態」になれるのかもしれないし、なれないのかもしれない。
わからないけど、わからないうちはまだ「なれる可能性」がゼロではないので
回復に向けて人一倍頑張るしかないと思って、リハビリに戻っている……。
高負荷をかけて長期に休むより、小負荷を毎日かけて行ってみようと思う。
あ、あとBeat Saberによる有酸素運動も並行して行う。
・１月30日
小負荷を毎日かけるため、本日もほへほへ声出しして喉を温めてから歌。
録音したのは、ポケビの『POWER』『Red Angel』、TMRの『THUNDERBIRD』のみだけど、
いずれも苦しみながら声を絞り出す感じではなくなった。
少なくとも唄っている時の感覚としては。
録音した一発撮り音声を聞くと、ピッチの不安定さや、時折発声が少し悪くなるのがわかる箇所もあるにはあるけど、
息が漏れ出まくるからブレスが保たないということはなくなって、
「ここからここまでは一息で歌い切るフレーズ」
っていうところは、そのとおりに息が保つようになっている。
これだけでもものすごい進歩だ。
声帯がガバガバとたるんでいないということだから。
声自体の張りとか、倍音の量も以前の質が戻ってきているのが聞いてわかる。
「一息で歌い切る」が出来なかったときのテイクと比較して聞いてもらえれば
他人にも違いがわかると思うし、「これは苦しそうだ」って思うんじゃないかな。
早く比較動画を作りたい。
なんにせよ『POWER』みたいな、ずっと高い音域且つファルセットを使わないような曲で
息が漏れなくなったのは本当に大きな変化。
前は、こういうのこそ全く唄えない曲の筆頭だったから。
ピッチの安定感や、さらなる声量を出すには、ただ毎日トレーニングすればいいだけだし気が楽。
トレーニングのつもりで唄えば唄うほど悪化していった時期を思うと本当にｗ
録音は残さなかったけど、ポルノグラフィティの『アゲハ蝶』みたいな、畳み掛ける歌も
息漏れしないからまぁまぁ唄えるようになっていた。
これは『真赤な誓い』ももう唄えるかもしれない。今日は試していないが、近い内にテストしてみる。
・２月１日
リハビリON生放送。
・２月７日
『Give a reason』『カルナバル・バベル』『ライオン』『甲賀忍法帖』などの、
不調時にはレパートリーとは呼べなくなっていたアニソン楽曲をレパートリーとして取り戻した。
相川七瀬楽曲も大体唄えなかったけど、唄えるようになった。
たとえば『夢見る少女じゃいられない』『LIKE A HARD RAIN』『Nostalgia』あたりは
本来かなり得意分野に位置する歌だったのに、息が続かなくてかなり苦しい楽曲と化していた。
それがまた、楽に唄えるようになった。
酷い時は、汗だくになって
「なんでこんなに疲れるんだろう、体力が衰えているのかな」
と思って、トレーニングがてらちょくちょく唄えば唄うほど悪化して行ってたが、今はその反対という感じ。
でも、今は季節柄、低温＋乾燥＋花粉というコンボが決まっているので、喉の調子がすぐに悪化しやすい。
ケアを重点的に行うことも大事だなと思う。
寝る時はマスクしているし。
・２月８日
かなり唄った。
舌を使うときの筋肉が常に緊張しているのがいけないっぽいことはわかっているので、
今も時々母音のみで唄ったり、そのあとで歌詞通りに唄ったりして、「楽に声が出る状態」を
体に染み込ませようとはしている。
その中だけど、今日はラップのリハビリを始めた。
ラップみたいに、滑舌の良さを要求されるようなことをやるには、舌の筋肉をすごく使いそうなイメージがあるけど
実はラップも「適度な脱力」が大事な気がするのだ。
ガチガチに力んで一文字一文字を出すというより、緩急や強弱、無声母音の多用とかで成立しているから。
よく生放送で唄っていたような『ローリンガール』『オーディエンスを沸かす程度の能力』や
『何となく言ってみたい言葉』『怪異物ノ怪音楽箱』とかを試しに唄ってみた。
ブランクもあったので、口がついてこなくて始めは結構ズタボロだった。
音ハメが大事なのに、ちゃんとテンポに乗せるべき音をそのタイミングで出せない感じで、
これも発声障害出始めの時にちょくちょく感じていたのを思い出した。
頭で今出すぞ！と思っている音と、口から出てくる音が自分の中でラグっている感じ。
これも、舌の筋肉の不自然・不必要な緊張のせいなのだろう。
でも、今は多分「やればやるほど悪くなる」状況にはなく、むしろ繰り返しやれば回復を感じられるのではないかと思ったので
しばらく繰り返して唄っていると段々体が思い出してきたみたいだ。
『恋愛サーキュレーション』のタイツォンラップも、強弱をしっかりつけていたらマシになってきた。
難易度的には、『ココロオドル』ってかなり入門向けだよなと思う。
『怪異物ノ怪音楽箱』は、滑舌もだけど、部分的に音程がかなり難しい部分もある。
サビは一旦考えず、AメロBメロのラップしている部分だけで言うと、２番の
「番蝶 辛い情事の後忘れ得ぬ紅の頬 「私を抱くか」と笑った幼顔」
このフレーズの音程をしっかり出すのが、今の私にはかなり難しいことに感じられた。
前はなんともなかったけど。
でも、やっぱり速度を落としてゆっくり読み上げるように練習してから、徐々にスピードを上げていき
最終的に原曲の速度でやって……としていくと、回復してきた。
「やればやるほど悪くなる」というのは病気の入口だったので、今は多分出口に向かっている気はする。
無意識に引き返して再発するのは嫌なので、最終的には舌の脱力に重要なファルセットの曲を唄いながら
クールダウンして終わりにした。要はサンホラだけど。
・２月10日
手術から２ヶ月くらい休めば仕事に戻れると思っていたけど、８ヶ月経とうとしている。
直近のサンプルも、まだ「万全」ではないとのことで復帰できずだった。
もう復帰できないのかも。万全なんてないのかも。早く見切りをつけるべきなのかも。
そもそも、はなから私にできるような仕事じゃなかったのかも。
こんなに頑張っているのにどうして悪いことばかりが重なり、お金はどんどんマイナスになっていくんだろう。
と、すごく辛い気持ちになって泣いた。
リハビリが進んで安心して泣いたことはあったけど、結節ができてから辛くて泣いたことはなかった。
でも今日はさすがに心が折れそうだったし泣いた。
泣いても何も変わらない、自分にむかつくだけだ。
でも、泣かないで頑張ってても物事が良い方に行かないなら、あとどうすればいいんだ。
多分、疲れた……と思う。
「【雑記】なぜ私は声にこだわっているのか」という記事がある。
私には、「どうでもいいってことにする」なんてことはできない。
そんなことをしようとすると、これ以上生きていてもしょうがないことになってしまう……。
頭の中で母親が諦めろと言ってくる。
悔しい…！！！！！！！！！！！！！！！！
・２月11日
弟とのテラリア収録があった。
その前後には、読み上げのリハビリもした。
最近弟にも、「読み上げ・話し方教室」をテラリア前にしているんだけど、自分としてもこれまでの人生や
最近のリハビリで学んだことをそこで弟にも伝授しつつ、それが弟側でどのくらい効果を発揮するか観測を続けたりしている。
自分に効果があったのが「自分だから」だとしたら、他の人でも同じような効果が得られるようには
先に整えるべき土台があるのだろうから、それについて考えたりしている。
歌に比べて読み上げの方が、発声が甘くなりがちというか、声帯が緩みがちというのは
私個人の問題や病気が原因というより、「人はみんなそう」なので、
歌が安定してきた今、慎重にかつ念入りに読み上げの方のリハビリ量も増やしていくべきと思う。
歌が安定する前は読み上げばかりしていると症状がぶり返しそうだったのもあって
やりすぎないようにしていたところがあったけれど、そろそろ朗読をいっぱいしてもいいんじゃないかなと思う。
星新一を毎日２〜３篇読むなど。
・２月15日
『君の思い描いた夢集メルHEAVEN』の収録と生放送。
歌の方は個別記事を立てた。
やっと１曲、収録〜ミックスを「完結」させられた。
１年半ぶりに！
これからまた歌を録ったり録らなかったりしながら、できることを増やしていく、その第一歩だ。
生放送では、当然喋りもするけれど、星新一の朗読で読み上げリハビリもしておいた。
・２月18日
ナレーションの仕事が来た。
一番案件の多かった取引先ではまだ受注再開を許されておらず、それ以外のところから来た。
この案件は、リピート案件なので嬉しかった。
手術前にも２回請けたことがあるシリーズで、今回が３回目。
ちょっと調べたら受注休止中に途中の回を他の人が間を繋いだような感じはなかったので、
たまたま休止中にパート３制作がされなかったか、私の復帰が待たれていたか。
今までのペースからすると、前者かな？ だとしたら復帰が間に合ってよかった。
いずれにしても、こうして休業前の「続き」をやらせてもらえるのは本当にありがたいので、
以前と全く同じか、むしろそれ以上のクオリティで音声をお届けして要望にお応えしたいと頑張って録った。
30分くらいのドキュメンタリー番組のナレーションなので、１案件として結構文字数多めの部類に入るんだけど
しっかり尺合わせもして無事録り終えた。
納期より数日早く納品もできたし、よかった。
早く、もっとバリバリ案件こなせるようになりたい……。金がなさすぎる……。
・２月20日
ナレーション案件が発生することのある取引先用の新規サンプルを収録した。
あと、動画を撮ったり編集したりする仕事もしたから結構喋った。
最近、毎日は唄えていない。
でも声は使っているから、ケアのために喉を休ませるのや、マスクをして寝るようにしていて
NPをセーブする期間という感じになっている。
・２月25日
動画仕事のナレーションを「活発な感じで」録った。
発声障害を起こしてから一番得意だった分野が一番苦手になった。それがこれ！
活発な感じで声を出そうとすると裏返ったり声にならなかったりする率がすごく高くなっちゃったから。
ちなみに18日にこなした案件は、ウィスパーな感じだった。
ウィスパーなのも障害により「息が続かない」という問題が発生していたわけだけど、
手術前より改善されていてよりよい状態の音源を作成できた。
今回の活発な感じのものは、滑り出しはすごく良くて
「あぁーそう、これこれ！ こういう感じで喋ってたわー！」
という具合にあまり意識しなくても普通に活発な感じを出せたので、すごく回復を感じた。
けれど後半徐々に息が抜けてきて「あ、症状がぶり返そうとしている！」と思って
一度冷静になってから、身振り手振りを付けながら腹筋をうまく使ってアタックの強い入りを意識したら、今度は割とすぐに治ってきた。
症状がぶり返しそうになっても、正常な方へ引き戻せるところがすごいと自分で思った。進歩だ。
NPを無駄に削られないで済んで良かった。
それに、自分のイメージする「こういう元気で活発なイメージ！」っていうナレーションが録れたことが嬉しい。
イメージしても出せない期間が１年以上も続いたので。
・２月26日
「リハビリ用」という名前で作ったセットリストに沿って、ぶっ通しで１時間半ほど唄った。
セットリスト自体は全体で53分。
途中でちょっくら四捨五入したりすると１時間を超えてくるセトリだね。
かつて「声でねぇええええ！！！」と思っていたパートがほとんど普通に出るようになっていて、
気になる部分の方が少ない状態となった。
まだ気になる部分がなくなってはいないのだけど、このバリエーションの楽曲を一発撮りで１時間半くらい唄って
この出来ならすでに十分すごいと自分で思える領域だ。
進んでいる方角が合っているっぽいことが一番心強いとも思う。
これであと、ハツラツとした読み上げのために、文章の内容がどんなものであれ無駄に元気よく朗読して
一番需要があるベクトルのナレーション案件を不安なく請けられるようにならねば。
この日の１時間リハビリをほぼそのまま使って、９ヶ月のリハビリ経過動画を完成させた。
この世に声帯結節と発声障害を併発した例で、そのリハビリと経過をここまで動画と音声でまとめたコンテンツは
他に存在しないのではないか……？
前にも書いたと思うけど、プロの声優さんや歌手だったら、経過を見せずに回復して復帰するだけだろうし。
私が私だからこれが作れて、世に出せた気がするのだ。
・２月27日
いつもの12曲を唄ってリハビリ開始。
↓いつもの12曲
光GENJIで喉をウォーミングアップして、バラードで少しずつキーを上げていって、
ラップで舌を起こして、サンホラでミックスボイスとファルセットを使いつつ、クールダウンしていくセトリ。
意外なことは、現状このリストにある楽曲の中で一番発声が安定しないのが『Red Angel』なこと。
なんというか、私が起こしている発声障害って、横隔膜が無意識に上がってしまって
必要な空気圧を保てないのがひとつの「いけないポイント」と思ってるんだけど、このリストにある曲の中では
『Red Angel』が一番、無意識に横隔膜が上がってしまうのだろうと思う。
（ちなみにもうひとつの大きな「いけないポイント」は、舌根が常に緊張していること。
子音の発音が終わった後に母音発音中も要らない力が入り続けているのがいけない）
それに、サビの入りの「赤い〜」っていうところが息が抜ける条件をいくつか満たしていることもあって
そこが最高音というわけではないのに不安定になってしまうので修行中。
カラオケ音源とかを流さないで、アカペラで「赤い〜風が吹く〜街〜」って唄ってる分にはいけるんだけど
曲を流してそれに合わせて唄っていると悪い癖がぶり返す、という感じになる。
でも「今日のリハビリ」という観点で言えば、「前日より明らかに良い」という感想で終わったので良かった。
毎日徐々に前へ進んでいると思う。
今日は12曲フルでは録らなかったんだけど、録らないほうがのびのびと歌えるというのもあるなぁ。
いざ録って比較したら、
「昨日よりいいところもあるけど、自分が唄っている時に感じているほどは良くないな」
っていう感想にもなっちゃうところあるし。
唄っている時気持ちいいっていうのが今は大事な気がする。
そもそも唄っている時「苦しい」という感情がトップだった状態から回復を目指しているので、
より気持ちがいい方へ進んでいくべきだと思うし。
12曲唄った後に、さらに別の曲にも挑戦したりリベンジしたりももちろんしているんだけど、
今日の場合は『I'm here saying nothing』『チカラ』もやってみた。
『I'm here saying nothing』は歌リハビリ開始当初、ファルセットを鍛え直すための課題曲として
毎日のように唄っていたけど、ある段階で「今はこれを続けても、これ以上良くなる気がしない」っていう
天井みたいなのを感じたので、一旦毎日の楽曲からは外して、別の基礎固めをしたりしていた。
だから最近は唄ってなかったのだ。
そろそろ地声もファルセットもまぁまぁ安定したところだし、今唄ったらAメロの息が続くかもしれないなと思って今日は歌ってみた。
この曲のAメロは１番も２番も、ワンブレスで唄うのにちょっとコツが要るところがあって
肺活量がそこそこ必要なのと、それこそ声帯がピタっと閉じる息漏れのない発声をしない限り
必ず途中で「吐き出す息がもうない！」ってなっちゃうのだ。
ましてや私の発声障害の症状だと、息漏れしまくるからブレスを２回くらい足す必要があったし、
ファルセットと地声を激しく行き来するので音程もしっかり取るのが大変なのだ。
今日は、リハビリ開始当初よりはかなり息漏れが減っていることや、
地声とファルセットを短時間で何度も行き来するような音程にもある程度ついていけるようになっている
という感覚が得られた。これは録音しておいた。
多分リハビリ開始当時の音源と比べると、だいぶ差があると思う。
それから『チカラ』も、アップテンポな楽曲だけあって、無意識に横隔膜が下がると
息漏れがしてすぐブレスが必要になっちゃうし、サビでは発声が変わってしまうところがあった。
だから、メルヘブンより先に収録を試みていたのに、メルヘブンの方が先に完成したんだよね。
『チカラ』は録ってると、「今急に発声変わっちゃったな」っていうところが出てきて
どんなにその部分を歌い直しても喉が疲れるばかりで、思い通りにならなかった。
まだ自分の回復度合いが、この曲を唄う段階に達していないんだなと判断して保留とした。
絶対いつかは完成させるつもりでいるけど。
だからここそ、今日はまた通して歌ってみた。
そしたら、以前と比べると格段に唄っている時の苦しさが減っていた。
前は、１曲丸々を通して歌い切ることそれ自体が大変な有酸素運動だったのでｗ
25日のナレーションの作業のあと、一皮むけたっていう感じがする。
明日もがんばる。
＜つづく＞
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