夢の中でも歌を歌っているし、うまく歌えない夢だったりするので苦しい。


(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)



・9月4日

部屋で歌った。
ここまでに繰り返し歌ってきた曲だけでなく、「前は不調でうまく歌えなかった曲」とかも色々挑戦してみた。
例えばだけど、手術前はファルセットの一部音域が声にならなかったりしたので、
東京リベンジャーズの1期OP『Cry Baby』を歌おうとした際に、2番の「忘れるな忘れるなと」というフレーズで
チェストとファルセットを行き来するときに上手く声が出ないものだった。
もちろん声帯結節ができる前なら、特に困難を感じないような音程なのだが。

で、手術とリハビリとボイトレを経てファルセットはだいぶ再強化されてきたので、
少なくとも「忘れるな忘れるなと」の部分はなんともなくなった!
これだけでも進歩だ。


・9月5日

弟とテラリアのプレイを収録した。
日常会話に関しては、かなり「声の出にくさ」を感じなくなってきたと実感する。
時々は勢いで裏返ってしまうけれど、頻度はめちゃくちゃ減った。
それに、術後に比べて低い方の音域も輪郭がしっかりしてきたので、そろそろ少年役もできそうだ。


・9月7日

仕事の関係で、動画を撮ったり、ナレーションを付けるなどの作業をした。
ナレーションは、やはり「さぁナレーションを録るぞ!」っていう脳のスイッチを入れた途端に
急激に声が抜けてしまうところがある。
術前はあらゆる文字でずっとひっくり返っていたに等しいので、そのときと比べたら
輪郭を取り戻せてきてはいる。
特に、まぐさんのお仕事でカ行の一部が良いリハビリをさせてもらってマシになった。
カ行が常に完璧というところまでは行っていないけれども、前はもっと「く」や「き」でも抜けていた。
今は、たまに抜けるから注意して録り直すくらいで、これでもだいぶマシなのだ。

現況息が抜けやすい音としては「か」「だ」「ど」「づ」「ば」「ろ」あたりかな。
こうして、文字であげると「あと5〜6文字くらいはあるのか……」と思うんだけど
酷いときに比べたら減少傾向なのだから、あまり落ち込むこともないのかも。
まだナレーション受注案件に復帰できていないから気持ち的には焦るけど、焦ったら早く治るものじゃないしなあ……。

ということで、ナレーションの発声が上手く行かない時は、台所に退避して声を出し直すようにしている。
同じ台本を台所で反響を聞きながら読み上げると、「だ」とか「ろ」とかはあまり抜けなくなる。
台所にいてもちょっと抜けやすいのが「か」「ば」かなぁ。
毎日作業部屋でも台所でも寝室でも、何かしらを読み上げるようにしているので
多分良い方へ向かっているとは思う。


・9月8日

仕事の方は一段落したので、日曜だし配信で遊ぶことにした。
9ヶ月ぶりに『Cult of the Lamb』をやった。
いたはずの信者がいなくなっていたり、いなくなったはずの信者がいたりしたw
信者消失バグはマジで機序がよくわからんw

あと、この9ヶ月の間に結構大きな変更点のあるアプデが2度ほどあって、そういう新要素に触れる機会になったが混乱も多かったw
信者同士が「子作り」をできるようになったため、2世信者が誕生するようになったし、
新しい作物からお酒類を作って信者に振る舞うことで「罪」を溜めさせて回収するという要素もあった。
罪は例えば子作りのコストとして「子作り1回につき1罪使用」というようにポイントみたいに使うものだった。
孵化場が満タンのときに作った卵を子作りテントの前で保留にしておくと、数日で有精卵が腐ったw
「すぐに孵化場に入れられる」という時にしか子作りさせてはダメだなと学んだ。

配信で何人か入信者も増えたので、そろそろラスボスに行けるかなあ?
生存している信者が20人必要なのだよね。
蘇生させても蘇生させても、一定ペースで信者がしんじゃう(シンジャだけに)ので、生存者20名がなかなか難しい。
配信のリスナーに信者になってもらうという縛りを解けばすぐだけどw


・9月9日

動画仕事のナレーションが、「たったこれだけの文字数なのに一発で良いテイクが出なくて悲しい……」ってなるので
本当に本当に早く従来通りのナレーションをサクサク録れるようになりたい。
多分だけど、歌を気持ちよく歌えるようになれば、読み上げの方もつられて良くなると思う。

ということで、久しぶりにカラオケに行った。
この間カラオケ行こうと思ったら改装してたみたいで一度諦めたんだけど、今日は改装終わっているはずだし空き部屋もありそう。

今回は、『STARLIGHT』『ガラスの十代』を歌っているときに、「ピキッ」と音を立てるような感じで
神経接続が上手く行った感じがあった。
去年の11月くらいから自分の意思で動かせなくなっていた声帯のある部分が急に冬眠から覚めたみたいな感覚だった。
「そうそう、この部分を使って通る声を出したかったのに、なぜか動かなかったんだよな!」
という箇所が発声の際に動き出した感じがした。
あまりに久しぶりに動いたのか、違和感でちょっとむせてしまったほどだw

『STARLIGHT』や『ガラスの十代』は原曲+3のキーで歌っているけど、3つ上げたところで
私にとっては別に高い音でもない。
なのにここ半年以上、どう声を出そうとしても声帯がちゃんと閉じていない感覚がずーっとあった。
それが急に閉じ始めた感じだ。
強く力まなくても、自然体で息を流していれば響く声が出る状態になり、『ガラスの十代』は特に気持ち良いと思えた。
歌を歌っていて、こんなに「気持ち良く歌えている」という実感が湧くのがすごく久しぶりだ。
なんというか、腹に力を入れたり息の量を調整したりすれば、それに対して喉が適切な反応を返してくれているというか。
今までは、腹に力を入れても、息を出そうとも留めようとも、声帯が閉じるべき形に閉じてくれないせいで
声が出ないし疲れるばかりだったから、歌っていても楽しいより苦しいがまさっていた。
プチッという一瞬の感覚で、憑き物が取れたように以前の声が出始めてびっくりしたw

そのあと、『覚醒』『ELEMENTS』『Revolution』『Alive a Life』『Round ZERO』あたりの仮面ライダー関連曲を立て続けに歌った。
息漏れすることが皆無というほどではないけれど、確実に「発声そのものに変化があった」感じが伴う。
『Ta-lila』とかGARNET CROW曲みたいに女性曲の中で自分的に無理が少なかったはずの曲も
発声障害のせいで「気持ちよく歌えない、苦しい」だったから、このコンディションだとどうなるかと思い色々歌ってみた。
今日歌った中では、「まだおかしいな」と思うのは『甲賀忍法帖』くらいだった。
『ハナマル☆センセイション』とか『Princess Brave』なんかは、何が起きたのか不思議なくらい気持ちよかった。
ほんの数日前まで歌えなかったのに、という感覚が強いw

ただ、まだ安定感は足りないと思うので、こればかりは継続的にトレーニングするしかないだろうと思う。
まぁトレーニングをしても治らない障害を抱えていた状態から、「トレーニングすればいい」状態になったのはすごい進展だと思うw

帰ってきてから、仕事のナレーションを録り直した。
これも2日前に試行錯誤しながら録ったのと比べて「少ないテイク数で、前より良いものを録れた」と感じた。
このまま回復傾向が続いて早く完治すると良いな。
作業部屋の反響をほんの少しだけ(仕事の音源に支障が出ない程度に)増やそうと思い、天井の吸音材を6枚だけ剥がした。
天井の吸音材を6枚剥がしただけでは、ほとんど変化が感じられないくらいにまだまだ吸音材の枚数が多い。
声の不調を回復させ、再発も防止しつつ、そのうえで業務上NGにならないような反響の量というのを探りたいところだ。
実際、前に住んでいた部屋では吸音材などは一切使っていなかったし、仕事で反響が多すぎてNGということはなかったわけだしね。
貼ろうと思えばまたすぐに貼り付け直せるので、天井の吸音材をもう少し減らして発声や録音を試し、
バランス調整をしようと思う。


・9月11日

先日のカラオケで喉が覚醒したが、寝て起きるとまた喉が寝ぼけているので、普通のウォーミングアップだけでなく
カラオケのときにプチンとスイッチが入ったときの感覚を思い出すため、特殊な声出しをする。
これは私にしかわからないんだけど、今までに録った様々なサンプルボイスの中で、
「電波ソングを唄うときみたいな発声」をするサンプルボイスがあって、それを何度か唱える。
すると、またプチンとスイッチで切り替わるように声帯の使いたい部分が起きてくれるようだった。

ここ最近取り組んでいた動画仕事のナレーション音声を録り直したら、
明らかに前回録ったときよりも声が通るようになっていた。
ただ、ベストテイクを出すまでにまだ数テイク必要なところが以前と違うかな。
やっぱり不意に息が抜けかけてしまうところはあるので、そういうところを部分修正しながらでないと
採用テイクが作れなかったりして、これは以前ならなかったことだ。
早いところ、一発撮りで1文を通して不安なく読めるようになりたい。

とはいえ、これは目覚ましい進歩だ。
ウォーミングアップをいくつかの段階に分けてゆっくりやれば、かなり「使える声」が出せるのだから。
まずは単純に寝起き声を起こすために喉を潤し、温める。
鼻が詰まり気味だったら鼻うがいやミサトールもする。
そして翼をくださいを歌いながら声の抜けを良くしていって、最後に「電波ソング声」を出す。
これで、ここ1年くらい使われていなかった声帯の「地声の高め」の部分が目覚めてくれる。
ナレーションで「元気にハキハキ」と指示されたときは、この部分を使って声を出す必要があるので
そこが使えないと息が抜けてしまうことがわかっている。
あとは、このようにして高めの地声をまた使い始めることで、喉が負荷に耐えられるかだ。
痛みや腫れは感じないけど、声帯には痛覚がないから実際のところは病院で確認してもらうしかない。
次の定期検診のときまでそこそこに声を使って、声帯チェックで問題がないといいのだが。


・9月16日

リハビリ兼ねての1年ぶり歌枠。
ブログ記事は別途立てた。

聴いている人からすると、「一番調子が悪かったとき」を知らないので、調子が悪くなる前としか比較できず
まだ具合良くなさそうに感じるかもしれないけど、これでもめちゃくちゃ良くなったし
「声を出せば出すほど調子が戻ってくる」
というのは、この1年を振り返るとすごいことなのだw
手術まではずっと「じわじわと、悪くなり続ける」だったからねw

でも、完治とは言えない、まだ歌いこなせないレパートリーが色々あるのも確かなので
これからも使って休めてを繰り返すしかない。
『GOIN' ON』なんかはいかにもNPがもたない感じがしたし、他の曲でもある条件が揃うと
息が漏れる部分があったりした。


・9月17日

弟とテラリア収録をした。
この日の通話は、かなり痰がからんでしまった。
前の日に歌ったせいもあるかも。


・9月21日、22日

ゲーム配信をした。
21日は体験版とかを触る枠をやって、ブログも別途立てた

この日は、17日のテラリア収録のときほど痰がからむことはなかった感じ。

でもやはり、時折発作的な気管方面でのチクチク感に対して、咳払いしたくなったり
むせるような咳を堪えられない時があるのは怖い。
くしゃみもなるべく我慢したいところだけど、絶対に全く出さないようにするっていうのは難しい。


・9月27日

診察の日。
家でのボイトレで良くなっていってるので、今月はセッション予約は入れなかった。
またおかしくなったら相談はしたいところだけど、現状はセルフケアを継続してみたいところ。

口からのスコープ確認で、うっすらと左側の声帯に膨らみがあるかな? となったので
経鼻内視鏡を入れてよく録画することになった。
口から入れる方は、高精細な映像にはできるもののオエッとなってしまって、長時間の撮影ができないんだよね。
鼻からだと、口から入れるのに比べて少し遠目になるし映像の解像度も若干低いけれど長時間撮れる。
なんせ、経鼻内視鏡を鼻から入れられたままの状態で歌をワンコーラス歌って録画できるくらいだしw(初回診察)

で、経鼻内視鏡映像をスローでよく確認したら、声帯の口に近い方の表面にフィブリンが若干析出してるとのことだったけど
地声の層には何も異常はなさそうだった。
フィブリンがある層は、使われるとしてファルセットの発声のときだけど、
実際にファルセット発声のときに声帯の動きをじっくり観察すると、声帯の閉鎖に対して
フィブリンが何も阻害をしていないっぽくて、普通に声帯がピタっと閉じていた。
この場合、発声自体には難を感じることはなくて、本当に少しだけ声質に差が出るだけ、らしい。
まして、ファルセットのみだけど。
いうなれば、「痰がちょっとからんでいる」のと大差ない影響かも。
もちろん、からまないほうが良いに決まっているけどw

更には、こういうフィブリンくらいなら、声帯をしばらく安静にしていると自然となくなることもあるらしいから、
次回の診察までまた安静重視にして、経過を見てもらおうと思った。
ここで無理をすると、他の箇所にも負担が行って悪化や再発があるかもしれないしね。
手術で切除しなきゃならないほどのものでもないし、発声を阻害しているものでもないけど、
安静にするだけでなくなるかもしれないなら、なくしてしまいたいねw


今日、診察室に入るときに「失礼しまーす」って入っていったら、今までより明らかに元気っぽかったらしくて
「診察に来るというより、もうセッションに来る人みたいだね!」
って言われたw
「喋ったり、歌ったりすればするほど調子が良くなる状態に転じたので!」
と報告したら、
「よかった! 妻(ボイトレの先生)が
『(V)・∀・(V)さんは、すんごい努力家でめちゃくちゃ勘が良い!』
って、べた褒めでしたよ」
と仰ってた。
その「努力家」であるところが裏目に出て、鍛錬をしすぎているかもしれないw
やればやるほど調子が良くなるのも嬉しいばっかりにw
あとは単純に、声帯が弱くてくしゃみ一発でもすぐに出血するリスクがあり、それでフィブリンが析出している
みたいな可能性も十分ある。


この日は、歌手のさユりさんが亡くなったことが公表された。9/20に亡くなったとのことだった。
さユりさんのことは詳しくは知らない。
アニメを見ていて、楽曲の歌手名のところで名前を見た記憶はあるので、ちょっと調べたところ
私が見たアニメだとヒロアカと、『僕だけがいない街』のエンディングを担当されていたようだったので
そこで見かけた名前だったんだなと思った。
『僕だけがいない街』に関しては2周見たしなぁ。

そのさユりさんはなんと28歳という若さだし、7月には機能性発声障害の診断を受けて
歌唱活動を休んでリハビリに専念することを発表していたとわかった。
歌を歌おうとすると声が思うように出ないということと、歌えないとなると社会から切り離されたような感じがしたということ、
それから前向きに回復に取り組みたいということが綴られていたのを読んだ。

そのあと、どんな思いで暮らしていたのかや、死因はわからないけれど、
歌や声をアンデンティティにしている人が、ある日を境にそれを思い通りにできなくなって
仕事も休まざるを得なくなって……という点では、他人事と思えなかったので、
もし死ぬ前だいぶ思い詰めていたのだとしたら、その気持ちはわかる気がしたし胸が痛いなぁと思った。

さユりさんの機能性発声障害が、私と同じかどうかもわからないけど、元々ストリートで歌っていた人が
業務上反響の少ないスタジオにも籠もるようになったことで発声障害を患ったのだとしたら
かなり境遇は近いかもしれないと思った。
それに、どのようにしたら治るのか、いつ治るのかがわからないのは不安やストレスが大きい。
私も、もう今月で丸1年の闘病ということになるから、色々思うことがある。
「もし、今までのように声を使ってやりたいことを何もできなくなるのであれば
生きていて楽しいと思うことや生き甲斐がなくなってしまうなぁ、怖いなぁ。
死んだほうがマシという気持ちになってしまうかもしれない」
と思ったこともある。

私の場合は、声帯結節という器質上の異常もあったから、結節+発声障害のダブルパンチだったと思うんだけど、
声が出にくくなったのは結節と反響の少ない部屋で過ごす時間が増えたという2つの要因が絡んでいたというようにも思う。
だもんで、原因の片方である結節を切除したことにより発声障害の方も良くなってきた側面があるだろうなと思う。
結節がないのに発声障害だけを発症したのであれば、「まず手術しましょう」ともならなくて
解決までに「節目」みたいなのがなくて難しく感じるかもしれない。
それに、Aimerさんのように「3度の声帯結節を乗り越えて歌手をやっている人」がいるのも知っているから
「まだだ、まだ諦めるには早い……」
とも何度も思った。
そして、実際に良くなってきたからいいけど、もし何も変化がなかったり悪くなる一方だったりしたら
「もう諦めたほうが良いかもしれない」
という気持ちになっていくだろうことは予想ができる。

だから、「一緒に戦っていく人」が大切になると思う。
主治医ももちろんそうだし、同じ病気を持っている人も。
私がこうやって経過をブログに書いているのは、同じ悩みを持つ人が検索して見に来たときに
少しでもヒントや勇気を獲得できて、諦めるのを先延ばしにしてほしいからというのが大きい。
一緒に戦ってるよと言いたい。
さユりさんとも、「一緒に戦いたかったな……」と思った。
全然知り合いじゃないし、詳しくもないけど、声を使った仕事という点では近い部分がある人であり、
そのうえで声に問題を抱えてしまったという点でも境遇が近いから、
「私なら解決してあげられた」
なんて思わないけど、一緒に戦って回復したかったなと思った。


・9月28日

黙って安静に過ごした。


・9月29日

高音を張り上げるような曲以外を少し歌おうと思って、『それでも明日はやってくる』を歌ってみたら
一番酷いときよりマシだけど、しっかりは歌いこなせなかった。
もう少し低いところも使う地声の曲にしようと思って、『デイドリーム・ジェネレーション』を唄うことにした。

『デイドリーム・ジェネレーション』は私にとってはかなり特殊な思い入れのある曲だ。
この楽曲には、「コエンマバージョン」が存在し、それはコエンマを演じる田中真弓さんがカバーしているキャラソン枠みたいなものだ。
私は、2chのカラオケ板アニソンスレで何かを唄うたびに「田中真弓に似てる」みたいなことをずっと言われていたんだけど
ニコニコで活動するようになってからますます言われるようになったw
そして、組曲ワンピースの歌ってみたリクエストが繰り返しあったので、
「意識して誰かの声を真似る」ということを初めてやってみることにした。
人々が「組曲ワンピースをルフィっぽく歌ってみた動画」というコンテンツの登場を待ち望んでいると感じたので。

他の曲を歌っているときにも似てる似てると言われているんだから、私の地声には元々真弓さんの声に近い成分が混じっているのだろう。
でも、田中真弓さんの楽曲を歌ったことはないし、真似ようとしたこともない。
その上で、「意図してルフィっぽさを出そう」と思ったら、自分の声の中にある真弓さんに近い成分を
最大限引き出す必要があると思い、真弓さんの歌唱楽曲を色々歌ってその声色や技巧を研究しはじめた。
そのときに、明確な課題曲にしたのが『デイドリーム・ジェネレーション』だった。
他にも『いただきマンボ』とか『忍豚レゲエ』とか『あっちの世界はホッチッチ』とか『さなぎのきもち』とか
とにかく色々な曲を聴いたり歌ったりしたけど、『デイドリーム・ジェネレーション』はベンチマーク用の楽曲で
これまでに都合6回収録している。
期間を空けて同じ曲を録ると、その間の成長や変化を聴き比べしやすい。
楽曲のキーとしても、無理なく地声で歌えるのでコンディションに左右されにくい。
……本来であればねw
病気になってからは、コンディションに左右される楽曲が増えたから、今はその限りではないけど。


そんなわけで、自分的には田中真弓さんの声真似の研究を始めた当初に課題曲に決めて、何度も録ってきた楽曲なんだから
まずは歌って感触を掴んでみよう。
もしダメそうなら、ここを再スタート地点にしようと思った。
一番最後に収録したバージョンがこれ。


歌いだしてすぐに、最初の文字から早速ずっこけてしまった。息が漏れている!
あんなに何回も歌って体に染み付いているはずの発声なのに、その声が出せない。
出しているつもりだから、どうしたらもっとよく出せるかわからないw
自分はその声が出る発声をしているつもりなのだ。

これは本家を聴きながら歌おうと思った。
最近リハビリで歌を唄うときには、基本的にカラオケ音源に合わせて唄っているけれど、
宅録を始めたばかりの2005年頃や、真弓さんの声真似として歌を録り始めた頃には
よく「本家を聴きながら一緒に唄」って、その音声を録っていたものだ。
その方が、「聴いている音に合わせよう」という意識が働くので寄せやすい部分もあるのだ。
アカペラとして自分の歌声だけを取り出すと、唄っているときに自分で感じているほどは安定していないので
録音してミックスする前提なら、歌が入っている音源を聴いてはダメだと思って途中からやめたけど。

コエンマバージョンの『デイドリーム・ジェネレーション』を流して歌いだしたら、さっきと全然違う!!
「そうだ、こうやって声を出していたのかも!」
という感覚があって、なんだか急に体・脳・神経に特定のスイッチがあり、そのスイッチはこの1年くらいずっとOFFにされていたが
今久しぶりにONになったような気分がした。

息苦しくてブレスまで息がもたないということもないし、サビの最高音とかではちょっと息が抜けかけるけど
おそらくこれはその音域のその文字について個別に発声練習したら治ると思う。
普通の音域なのに苦しかったり声が裏返ったりする症状がほとんどなくなって嬉しくなった。
その上で、サビの
「風が吹いて 雨が降って 心は揺れても」
という部分は、逆境に対しての心構えを唄っているんだよな、と実感した。
風が吹いたり雨が降ったりっていうのは、ここでいう「瞳を開けて見る夢(叶えたい願い)」に対しての障害となるもの。
それで心が揺れたり、振り回されたり、傷ついたりして「もう諦めたい」と思う日もあるかもしれない、
でも結局願いを捨てられなくて「それでもいい」と求め続けている歌なのだ。

それを真弓さんが一緒に唄ってくれている感じがして、しかも合わせて唄えば唄うほど出したい声が出てきて
涙が出て却って唄えなくなってしまったw

先日Twitterで
「歌詞に共感するっていうのがまったくわからない」
という話をしている人を見た。
歌モノはそもそもあまり聴かなくて、音楽を聴くとすればインストがメインで、歌モノを聴くときも
歌詞で何を言っているかには全然注意が向かないというような話だった。
そういう人もいるんだなと思ったと同時に、自分はどちらも聴くし歌詞に共感するというケースもあるので
そのへんの自分の感覚をあくまで自己の中で分析してみた日があった。


ある楽曲がインストでなく歌モノで、共感したり励まされたりするケースでは、
まず前提としてその歌詞のコンセプトや言いたいことの軸を理解している必要があると思う。
あえて書き手(作詞者)がそこをふわふわとぼかして書いていて、聞き手の解釈次第で変わるものもあるけど。
そして、自分の境遇や価値観、考え方に近いと思えるとき「歌詞に共感できる」と思うものなんじゃないだろうか。
少なくとも、「歌詞で描かれている情景や感情を想像して、その気持ちが想像できる」ときに
心が動く、すなわち「感動」をおぼえるのだと思う。

例えばラブソングでは「自分の経験に当てはまる」もしくは、「そういう境遇って切ないよね」という想像力が働くかどうか。
例えば応援歌では「今自分が辛いと思っている境遇に当てはまり、且つ励まされたように感じられる」かどうか。
アニソンや特撮ソングが「応援歌」であるのはこういう理由からだと思う。
みんな自分の問題と戦っていて、アニソンや特撮ソングの中にある
「でも立ち向かっていくぞうおおおお!」
みたいな熱意に励まされているのだ。
歌詞に共感するっていうのはこういうことだと思う。

これは音楽じゃなくて、「詩」だってそうだと思う。
抒情詩にせよ叙事詩にせよ、やはり情景や感情を詩から読み取って想像して、自分の中で消化したら
何か感じるものがあった……というのが、感動(情動の動き)というものだろう。

今回の『デイドリーム・ジェネレーション』の場合なら、逆境に振り回されている人として改めて思うところがあったし
同じ理由でB'zの『スイマーよ!!』を聴いて励まされる。
逆境を受け入れて、乗り越えていく心構えを唄っている部分があるからだ。

私には励ましてくれる音楽がたくさんあって、よかった……。


一旦ボイトレを中断して田中真弓さんにお手紙を書いた。
今日、この場所、この時間に私が『デイドリーム・ジェネレーション(コエンマVer)』に励まされたことは
私だけの出来事で真弓さんからしたら知らないことだけど、それはそれとしたって
「ある時、どこかの知らない誰かを励ます事のできる歌」
ってすごいと思う。
こういうことがあったら、励まされた人はその歌を唄った人に感謝したくもなる。
私も、どこかの誰かを知らないうちにアップした歌で励ましたりしているのかもしれない。
それは教えてもらわなきゃ知る由もないことだけど、そういう歌を今後も録っていくという可能性を
絶たれたかもしれないと思っている中で歌に励まされたから、感謝のお手紙を書かずにはいられなかった。
それに、『デイドリーム・ジェネレーション』ならあと数カ所の声が出にくい箇所を詰めていけば
比較的早く従来のとおりに唄えるようになりそうだと思えた。
これはすごく勇気になることだ。
ひとつずつ出来ないことを「出来る」に変えていければ、もっと先の希望が見えてくる。
そういう意味で、次の目標が明確に定まったから今日「初心に還ってみよう」と思ったのは正解だったし
真弓さんにお礼を言わなきゃと思った。


おそらくだが、人それぞれに似ている声の人はいて、当然その声は意図して真似もしやすいと思う。
その中には、私にとっての真弓さんのように
「自分の声のポテンシャルを引き出す道標」
になってくれる声の持ち主がいる場合もあると思う。
そういう人が判明していると、自分の過去の音声を聴くよりもその相手の音声を聴いて近づけようとする方が
喉が覚醒してくるっていうことになるのかもしれないな、と思った。
最初、自分自身の記憶を頼りに歌い出した時は、
「まぶたのウラに憧れだけ」
という出だしの1フレーズさえ息がパスパス漏れて変に優しい声しか出なかったのに、
真弓さんの音源を流した途端に息漏れなくなったもんなぁ。
不思議なこともあるものだ。

今後、私と同じ症状に陥った人がいたとして、もしその人が誰か声優や歌手の声にちょっとでも似ているとしたら
「声真似療法」を試してみるのもありかもしれないと思っているw
症状が出てくる前に声真似をした経験があると尚効果的だと思うw