声を出して、負荷をかけて耐久力や持久力を上げていく期間。
あと、術前からあった「息漏れ」を改善する必要がある。
あと、術前からあった「息漏れ」を改善する必要がある。
・7月13日
手術から6週間が経過する日だ。
「術後6週間を安静に過ごしたのなら、その後から何をやっても大抵は大丈夫な期間に入る。
だから、負荷を前提としたボイトレを始めてもいい」
ということだったので、この日は、1時間ほど発声練習をした。
負荷を「徐々に上げていくこと」が大事だから、昨日よりは負荷が高いけど、それが急激でなければいいはずだ。
そして、時間をかけて少しずつ「数日前よりは確実に高い負荷」を重ねていって、
強い声・高い声を出せるようにするのだ。
というわけで、「♪ドレミレド」と「♪ドレミファソファミレド」の音階の動きで、すごく基礎的な発声練習をした。
合唱サークルとかが歌の練習に入る前に、ウォーミングアップでやるやつ。
もちろん、「♪ドレミレド」が出せたら「♪ド♯レ♯ファレ♯ド♯」という風に、半音ずつ転調させていく。
合唱団でずっとやっていたので、キーボードでガイドを鳴らさなくても、延々転調し続けていける。
ただ、手術の少し前からこれまでの期間、声を出さないようにしていたわけだから
やっぱりいきなりすごく高い音を出せるわけではなかった。
だからこそボイトレをするわけでもあるし、「今どのくらいまで出せるのか」を見極めて、
そこより先は無理をせずにすぐ引き返すようにした。
それに色々な母音や子音で発声するようにした。
前回病院に行って録音検査をしたときに、音域チェックで声が割れて出にくかった音、
あれは多分上のミかファなんだけど、そこはやっぱりなんかビリビリしやすいので、慎重にやった。
そこを超えると却って出しやすくなるから不思議だ。
・7月14日
少し歌も取り入れることにした。
高音厨音域テストみたいな高音を出すわけじゃないし、小手調べに何か歌ってみる必要がある。
ベンチマークとして。
カラオケで無理なく歌えていたはずの曲を引っ張り出して、声を押し出さないようにして歌ってみたが
チェストボイスから急にファルセットに移行するような音の飛び方をするポイントでは、上手くジャンプできなかった。
それから、手術前と同じ「息がもたない」現象は何度もあった。
やはり、カ・タ・ダ行で急激に呼気圧が高まっているのか、その文字があるフレーズは
次のブレスまでの間に息が尽きてしまう事が多い。
また、ブレス直後の入りも裏返りやすいと感じた。
トレーニング次第で良くなっていくと信じて鍛えるしか、今はすることがない。
1時間ほど歌って終わり。
・7月15日
世間は3連休らしい。海の日。
だから月曜とはいえ、カレンダー通りの勤務の人は休みなんだろうな。
この日も、3音「♪ドレミレド」や5音「♪ドレミファソファミレド」でウォーミングアップしてから
前日歌ったのと同じ歌を試しに歌ってみた。
確実に声量が増している。
あと、14日は裏返りやすかったチェストからファルセットへジャンプする音階も
ヒョイと飛べるようになった。
しかし、息がもたないのは変わりなかった。
次の診察の時に、筋トレ以外にどうしたらこの「息を使いすぎる癖」みたいなのを
矯正できるか聞いてみなければ……。
・7月16日
この日は、低音の方を広げることにした。
術前、そして術後にやった録音の検査は、上も下も声域が同じだった。
でも、私自身から言わせれば
「調子良かった時は、もっと上も下も出た」
と言いたい。
声域が狭くなっている。
ここまでの3日間は、5音発声で上に転調し続けていって、ファルセットを出せるようにしていったけど
今日は半音ずつ下げていく。
「ここで、声が声じゃなくなってしまうけど、そんなはずはない。
前はもっと下がれた」
と思って、ハミングで今の最低音のところを「んーーー」と出し続けていると、声になってきた。
そうしたらまた半音下げて「んーーー」。
これで4〜5音下がれた。
多分だけど、寝て起きたらまた声域が狭くなると思うから、毎日低い方の声を出す時間も設けたほうが良いだろうな。
こっちは「♪ドシラシド」という形の音階で出しながら半音ずつ下げたり、単音で「オーーー」と出し続けるなどしている。
あと、すでに数曲分歌って、喉が疲れた後だと全然下がれないので、日課としてなら低音の方を歌いだすより先にやったほうがよさそう。
・7月17日
試しに、歌を全部「ナ・ラ行」だけで歌ってみる。
これは手術前にも試していたことなんだけど、そのときは、これをすると息がもつのだった。
そして術後の今も同じだった。
つまり、息がもたなくなる原因はやはり特定の子音に関係があるらしい。
「あなた」とか「ひとみ」とかがあると、そのあとの息継ぎ前に息が足りなくなるもんなぁ。
多分カ・サ・タ・ダ・ハ行が鬼門になっていると思われる。
でも、意識してそれらの子音を強く発するようにしているわけじゃないから、
何か無意識下で起こっているエラーのような気もする。
歌詞の通りに歌うと
「前はここからここまで一息だったのにもたなくなっている!」
というフレーズがあるとする。
でも、それをナニヌネノだけでスキャットのように歌うと、以前と同じだけ息がもつ……。
「そうだよな、やっぱりここからここまでは一息だよな……」
と思う……。
それに、息継ぎの直後のフレーズ頭が声にならないという症状も、ナニヌネノだけにするとそうでもないから
これも歌詞で使われている子音が大きく影響しているとしか思えない。
「前はこんなに必死に腹筋に力を入れたままにしておかなきゃいけなかった曲でもなかっただろ」
と思うような、「高めの男声ボーカル曲(女声には最高音的に全然無理がないもの)」も
ずっと腹筋を緊張状態にしておかないといけなかったりして、
「いくら歌に腹筋や腹式呼吸が重要とはいえ、息を効率よく使えるようになっていれば
こんなに息切れしたり裏返ったりするものじゃないよなあ……?」
と訝しんでいる。
一番体力を使わずに歌えていた曲のはずだから。
「それというのも手術前後の休養で声を使わなかったから声帯が弱くなっているのだ」
というなら鍛え直すしかないんだろうねって思うけど。
それも、腹筋より声帯周りの筋肉を鍛えることが大事だって話なら、やはり徐々にそこにかかる負荷を増やして
強い声や長い声に耐えられる喉作りをして、「息の効率」を上げるしかないとは思う。
元々、腹筋で声を出していたというより、効率の良い息の使い方をしていたから、
たくさんの息を吸ったり、腹筋に常時力を込め続けたりしなくても、通る声を出し続けられていたわけで
その「息効率」を上昇させるにはやはり声帯周りの筋肉の方を鍛えるのがいいと思うわけだ。
そもそも、歌を歌う時、ブレスのたびに極限まで息をたっぷり吸い込む必要はない。
そんなことをする方が歌いにくいw
そして、腹筋だけ強くしても、使い方がわかっていなかったり息効率が悪かったりしたら
結局「通る声を長く出す」ことはできないから、大事なのは「効率を良くするコツ」を体で覚えることだと思う。
それによって「ブレス直後の単語は、子音によらず声が形成できない」という症状もなくなるなら
喜んで鍛え直そうじゃないか。
と思うけど「それでいい」保証がないから、今はまだ不安。
だって、ナニヌネノだけならあまり問題を感じないんだもんなぁ。
じゃあ声帯じゃなくて、舌や神経の問題だったりしない? って思う節はある。
・7月18日
というわけで2週間空けて診察に行ったので、上記のような症状(術前からあって、そのときにも話してある)を
「今も同様の症状を、ボイトレ時に感じている」
ということで報告してみたら、
「高頻度の日本語歌唱や発話に伴う運動障害」
とのことだった。
結節もあるにはあったし切除したので声帯はもうなんともないんだけど
「特定の子音を使う単語が含まれる文章や歌の中で息が漏れて続かなくなる症状」
は、やっぱり「日本語歌唱不安定症」由来ということだろうな。
どちらが先に起こり始めたのかは知りようもないんだけど、どちらかといえば
「結節が出来てそれまで通りの声を出しにくくなってきたことで、
結節がある状態の中でなんとか声を出そうと頑張る内、結果的に日本語歌唱不安定症も進行した」
と思われるかなぁ。
ここ9ヶ月の自覚症状を振り返るとね。
これについては、
”舌根を出来るだけ高く上げて発声(息が漏れる子音を含む文字の発音)をするトレーニング”
をして矯正していくしかないらしい!
結節は取って声帯も落ち着いてなんともなくなったんだけど、
今残っているこの症状はイップスみたいなものだから、いうなれば体の反射がバグってるようなもの。
外科手術とかでどうにかできるものではない。
――というのは、もう手術前に聞いていた。
今日は、どのようなトレーニングで矯正していけるかをうっすら教わった。
ちなみに、珍しい症例ではなくて、沢山歌を歌う人、沢山文章を読み上げたり喋ったりする人の中には
一定割合で発生するものらしくて、先生からしてみれば同じ症状を訴える患者はよく見かけているものらしい。
特に歌の人に多いそうだ。
それだけ頻繁に日本語を「歌う・喋る・読み上げる」してきたという証としか言えないかなw
よく発症するのはやっぱり「日本語をよく歌う人」だったんだけど、「読み上げる人」でも起こる場合は起こる、と。
私は両方やるし、両方で症状を感じているけどね。
自分の周りでは同じ症状を訴えている人を見たことはないし、先生曰く
「普通の人には起こらない。とにかく並の人に比べてかなり頻繁に歌ったり喋ったりする人には起こることがある」
とのことだったから、私は
「まぁ私は他人に比べたら極度に歌ったり喋ったりしまくっているよな……」
と思うよりほかなかったw
そりゃ、思い当たる節しかないよw
舌根を高く持ち上げて発声・発音する練習というのは、口の中にくるみ大の物体を入れて
舌で持ち上げて口蓋との間で固定させるようにしながら声を出すことをイメージすると言われた。
物を入れなくても、自分の意識で舌根を持ち上げることが出来るなら、
それを心がけながらボイトレするというのでも効果あるらしい。
とにかく舌根を上げて、舌と口蓋の間の隙間が極力狭くなるようにしながら声を出すことで
元々の発声の勘を取り戻していくしかないみたい。
ボイトレ教室とかで、「舌根を下げる」ように指導されるケースもあるらしいけど、
それと全く逆のことをしなくてはならないw
伸び伸びというか、朗々とというか、舌根を下げて喉を大きく広げて発声しようとすればするほど悪化するみたい。(実際にした)
合唱団でもよく「喉を大きく広げて、頭のてっぺんから一本の糸を出してそれを引っ張り出すような感じで」
みたいな発声指導をされたりしたけど、多分これ今やっちゃダメなやつw
これは声帯には負担が少なく、母音の発声としては「芯の通った、無駄な息のない発声」をするのにいいんだけど、
今は「特定の子音を出した直後に母音を出す際に発声障害が起きている」ので、それを改善するのには効果ないしね。
また、これは病気として認定されないから保険適用で受けられる医療は存在しないらしい。
自分でのトレーニングと、先生の奥さんがやっている矯正用のボイトレに通うという手があるらしい。
保険が適用されないので、1回が高め(¥12,000くらい)だけどねぇ。
「医療としては高いけど、ボイトレ教室と思ったら普通にありうる金額」という感じではある。
そこに通った、私と同じ症状を持つ(日本語歌唱不安定症の)人々はみんな治ったというので、
治療法は一応確立されているみたいだ。
その治療法の一端が、「くるみ大のボールを口の中で固定させた状態で声出しをする」のようなんだけど
「糖分のないチュッパチャップス」とかがあると良さそうな気がするなあw
舌根を上げるっていうのは強く「エ」の母音を発するみたいな舌の形にするわけだけど
「エ」だと舌が前に出てしまうから、「前に出さずに上に上げる」必要があって
それが実際やろうとすると難しい。
また2週間くらい空けて病院へ行くスケジュールなので、それまでの間セルフケアで
これらをヒントにボイトレを続けて、全く変わった気がしないようだったら
トレーニング先を紹介するよ、とのことだった……。
赤坂に一定間隔で通うだけで交通費というコストがかさむので、できれば自力でなんとかしたいけどねw
口に何かを入れて舌根を上げて押さえるということ以外だと、日本語よりは英語の方が舌根を上げて発音する言語なので、
歌うにしても日本語より英語の方が症状は出にくいみたい……。
英語の歌で日々の声出しをしようかな。
少なくとも、悪化は軽減できるかもしれない。
最近は、ファルセットを出すために矢井田瞳『I'm here saying nothing』を歌って、
少し低めの地声音域用にはJanne Da Arcの『RED ZONE』を歌ってるんだけど、
腹筋にこれでもかと力を入れていると『RED ZONE』は息漏れがかなり減るので、
この音域と「そういう歌い方」は多分方向性としては間違ってないのかも。
でも、以前はこんなに力まなくても息漏れしなかったし楽だったんだから、
その状態を取り戻したいとは思う。
仕事としては、文章読み上げの方で息漏れを減らさないといけないから、
喋る・読み上げるの方でも「これをすると息漏れが減る」という方向を模索しつつ
チュッパチャップス作戦(なるべく糖分にも気をつける)で行こうかと思う。
・7月21日
20日は口内炎も痛かったので、アズノールうがい薬で口の中もよくすすいだりして、
喉を休めるためにもボイトレ自体を休んだ。
今日は口内炎のピークを過ぎたので、凝りずに唄う。
凝りない……けど、希望を見失いそうになるのは確か。
悪化はしていないけど、なかなか「ブレス明けのフレーズ頭が声にならない」という症状が良くならない。
とりあえず、『RED ZONE』はどのタイミングで歌ってもちょうどいい音域の楽曲なので
最近はボイトレ開始からすぐに『RED ZONE』を歌いだして、3〜4周はする。
そのあとで他の曲を唄う。
今日も『RED ZONE』で開始してそのまま数回歌唱。
この曲はそこそこ忙しないので、ブレス後に声が安定しないのは今みたいにリハビリ中なんかは仕方ない気もする。
そして『I'm here saying nothing』でちょっとギアを上げてファルセット込みの歌唱へ。
これも数周することにしている。
特に、2番Aメロは息が続かない+ブレス明けで声にならないという症状が顕著だ。
しかし、17日に手術以後初めて歌ってみた時に比べると、Bメロとサビは安定してきた。
こういう比較的安定して出せる音域を中心に負荷をかけては安め、かけては安め……を繰り返し、
少しずつ高い方にも低い方にも安定する声域を拡張していくのがいいだろうな。
『I'm here saying nothing』の2番Aメロが特に不安定なのは、やはり使われている単語の頭が
「声帯が一瞬開いてからすぐに閉じることで音を発するタイプ」の文字であることが多いからだと思う。
Aメロは歌詞を4行に分けた時、最初の2行をノンブレスで一息で歌いきれるはず…なのだが
今の私は無駄に息が漏れているので、途中で2回ブレスが要る。
これも減らしたい。
この症状を抱えている状態では、声帯が一瞬開いた後に極力すぐに閉じて母音の音を発することが出来るようにするには
「息を止めたまま喋る」ようなつもりで、腹筋で吐息の量を極限まで減らす必要がある。
しかし、本来歌では、「適量」を吸ったり吐いたりするべきで、完全に吐く息をなくすつもりで歌っていると
それはそれで苦しいので、次のブレスのときに無駄に大きく吐いて吸ってしなければならなくなり
効率が悪いから結局そこで声帯の張りが損なわれてしまってガタガタと崩れ落ちる感じがする。
目指すイメージとしては、
「息は吐きすぎないが必要な分はちゃんと使って声を響かせる。”喉声”を目指す」
という感じでいる。
というのも、今抱えている症状はどちらかというと、「声帯が弛緩した発声」をしているから起こっている感じだからだ。
それこそ「睡眠用朗読音声」を録る時みたいに、リラックスした吐く息が多めの発声。
ポップス歌唱とも合唱とも違う。
まぁ、そういう発声で唄う曲だって、モノや表現によってはアリだけど、今取り戻したいのは
これとはベクトルが違う声だ。
合唱のときによく「喉声になっている」と指摘されるような、ある程度喉を強く締めて
「声帯の緊張状態を保った発声」を思い出さないと、息漏れが収まらないと感じた。
かつての自分には出来ていたことが、なぜか今の自分には出来ない。
頭と感覚では
「こうしたらその声が出ていたはずなのに」
と思うのに。
数日前は、実際に自分の宅録音源を聞きながら
「この声を今出したい」
と真似てみても、尚出すことが出来なくて戸惑っていた。
なんで自分の声なのに自分で真似られないんだよ!? と悲しみというか虚しさというか、
困惑、恐怖、不安などが酷かった。
今日は、ここ数日でまだちゃんと歌っていなかった曲にも挑戦しよう、と思って
『STARLIGHT』を唄うことにした。
結節かどうか確定する前の段階で家やカラオケでずっと歌っていた。ベンチマークって感じで。
で、最初は
「他の曲は息が続かなくて歌えないものがあるけど、STARLIGHTだけは結構安定して歌える」
という状態だったのが、結節確定直前には
「もうSTARLIGHTさえも不安定になってきた……」
と怯えていたものだ。
これを逆に遡っていく感じで、
「だんだんSTARLIGHTの歌い方を思い出してきた!」
ってなれれば、他の曲に応用してどんな曲でもかつての自分の歌い方を体が思い出してくれるんじゃないかな?
最初はやっぱりAメロで特に息が漏れて、以前だったらブレスしなかったところで1回多く息継ぎをしないといけなかった。
でもBメロとサビは……喉声の出し方が思い出せてきた気がした。
マイクのゲインを上げて、イヤホンからの返しを大きめにしてみた。
返しが小さいと、自分に聞こえる声量が少なく感じるせいで無駄に力むから
「力まなくても充分な声量が自分の耳に届くようにする」
ことで、まず無駄な吐息量を減らしたかった。
何度か歌っているうちに、そこかしこで「喉声」を思い出してきた感じがした。
どうして出来なかったのかわからないけど、ちょっと出来てきたと思う。
こうなると、「じゃあなんで今は出来てきたのか」と訊かれてもわからないから困るw
なんで出来なくなったのかもわからないし、なんでまた出来るようになったのかもわからないw
音程はまだ不安定だけど、今はそれより大事なことがあるから気にしないことにする。
『STARLIGHT』は、原曲キーに+3したカラオケ音源で歌っているが、これも『RED ZONE』くらいのキーだから高すぎず低すぎない。
今日の『STARLIGHT』はこのへんが限界かな、とも思うし、『君の思い描く夢 集メルHEAVEN』も歌ってみることにした。
この曲は、最初に今通っている声の病院に行った時に診察室で歌った。
その時に、歌詞を暗記しててその場で暗唱できると確信できる曲が他に思い浮かばなかったからだけど、
逆をいうと、暗記してしまうくらい、その頃毎日歌っていたから。
これもベンチマークとしてw
メルヘブンも「最初は全体的に歌えていたけど、徐々に歌えない箇所が増えていく」状態だった。
病気の進行を目撃しているんだなぁと思って怖かった。
最後に歌った時はほとんどすべての行で、本来の2倍の回数ブレスしなきゃいけなかった。
こんなんじゃ歌として成立していると言えない……。
手術後にこれをちゃんと唄うのは今日が初めてだけど、さっき『STARLIGHT』で”喉声”の感覚を少し取り戻したからどうだろう。
歌ってみると、喉声感覚が継続していたので思ったより苦しくなかった。
というか、本来的なブレス回数でワンコーラス歌えた! 嬉しい!
と思ったら、少し安心してきたのか涙が出てきて、急に涙声になっちゃったw
だから2番は却って歌えなかったw
一息おいて、2度3度と歌ってみた。
それからボイトレの経過を記録しているフォルダに、今日の音声としてメルヘブンのフルコーラスアカペラを録音保存した。
ここで歌い始めてから1時間半くらいが経過していて、ノンストップだったものだからさすがに喉そのものが疲れたみたいだ。
次に『HEARTの形状』を歌ったら声がハスキーになってきていたので今日はここで終わりにすることにした。
持久力がまだ戻っていないから、1時間半ぶっ通しで歌い続けたらもうNPが終わってしまうw
でも、これは歌唱不安定症を治すのより簡単に取り戻せる気がする。
さっきも書いたけど、「負荷をかけては休ませる」を繰り返すだけだし。
どんな歌でも無駄な息漏れがない状態に戻れれば、ナレーションとかキャラクターボイスとかの
喋り声の方でも全く同じことだから「歌を取り戻すことで喋り声も取り戻す」ことにする。
・7月23日
1日休んでボイトレ再開。
休むのは休むので必要だと思う。
休むことによって脳みそが情報を処理して体に染み込ませるからだ。
『RED ZONE』から開始して、今日はGALNERYUSの『UNITED FLAG』に挑戦。
これは、ここしばらくのボイトレで歌った曲の中ではチェストボイスでの最高音が一番高いか、
もしそうでなかったとしても「平均的な音域の高さ」がある楽曲と思われる。
『I'm here saying nothing』ではファルセットに移行するような音域でもチェストで出すというかね。
結局、「地声の強さ」のためにはチェストのままどこまで上がっていけるかも大事だし
それが結果として声量にも繋がったりするので、チェストの高い・強い曲をまた歌えるようにならないといけない。
『UNITED FLAG』は、手術前にも何度か「今、自分に何が出来て何が出来ないか」を確認する目的で歌っていたけど
前に比べて息が続かなくなっていて絶望したのだったw
でもこれは全編英語詞だから、日本語歌唱をするより症状の進行を抑えられるんじゃなかろうか。
状況をすぐに良くすることができないとしても、少なくとも悪化は避けたいところだし。
ということで、ヴォカリゼで歌ってみた。
ナ行ともラ行ともつかないような、時々「にゃにゃにゃ」になるような、そんな感じのスキャットっぽい歌い方。
今肝心なのは、歌詞が伝えようとしていることをどう表現するかとかじゃなくて、
いかに声帯が閉じた状態を維持したままで、あらゆる子音の文字を無駄な息を使わず発声できるかだし、
音域の拡張・声量の増幅もしたいからヴォカリゼがベストだと思う。
結果として、『UNITED FLAG』のヴォカリゼ歌唱はほとんど問題ないところまで喉が復活していた。
すぐにNPが尽きて疲れたり声が嗄れたりという持久力の問題はまだあるけど、
チェストボイスで全編、ほぼ無駄な息なく歌えた。
たまに「イ」母音に近い声で高い音を出すときに息が漏れるけど、元々イは高音を出しにくい母音であり
トレーニングで出せるようになっていくものだから、繰り返し鍛えていく内に戻ってくると思う。
合唱団の頃も、はじめのうちは高い音でイの母音を使う部分には苦戦したものだよ。
そのうちどんな母音でも関係なくなっていったけど、それもボイトレの賜物というものよ。
『UNITED FLAG』の2番のサビラストのShutter the kingdomのロングトーン、前はできていたんだけど
今は出だしの「shut」で大量に息が漏れるので、歌詞通り唄うと最後まで息が保たない。
その後のザもキもダも鬼門だから最後の「ダーーーーム」を充分に伸ばそうと思っても絶対に息が足りないw
全子音で息がだだ漏れていく!
子音をかなり濁して「しゃらら」くらいにするとマシだし、ヴォカリゼなら息が足りる。
普通は声を出すときに喉を締めすぎるなというが、今だけは逆だw
喉を締めて息を温存、ブレスの直後にすぐ腹筋で息を止めるような態勢に入り、喉から声を出す!
昔はあんなにも「頭や鼻から声を出すイメージ」と指導されたのにw
次に、『甲賀忍法帖』を試した。
この前風呂場で軽い鼻歌として歌っていたんだけど、その鼻歌レベルでさえ歌詞そのままで唄うと絶対に無理そうだなーと感じたのと
サビの最初のフレーズ「水のように優しく 花のように激しく」の部分なんかは
息も続かないし、ファルセットも安定しないしで今の自分にとっては地獄のような難易度だw
特に、短いブレスを挟んで唄う「花のように激しく」はハが単語頭に2回あるし「はげしく」だなんて
この4文字すべてが「息が漏れやすい子音」で構成されている……!
ハ・ガ・サ・カ行、全部ダメ!!w まったく音にならん。
特に「し」のところで「げ」より上がるのがまたダメ!
「げ」はチェストボイスなのに「し」でファルセットになるのも鬼門!w
頭で「はげ」がチェストボイスで、「しく」をファルセット……と思い描くだけで歌えていたのが
奇跡だったのではないかという気すらしてくる。
人間の発声はめちゃくちゃ複雑なことをほぼ無意識で制御してて恐ろしいな。
音程の動きや、チェストボイスとファルセットの切り替えが
『I'm here saying nothing』より高頻度でシビアなところがあるので難易度を一段階上げるとしたらこの曲だろうと思ったのもあり
今日は声出しの最後にやってみたけど、そこまでですでに喉に疲労が蓄積されてしまったせいもあるのか、
何一つイメージしたことができなかったw
ヴォカリゼでも歌えなかった。びっくり。
でも考えてみれば、当初は『I'm here saying nothing』のサビのまさに「I'm here saying nothing」という歌詞を繰り返すところで
hereの「ひ」も、Sayの「せ」も声にならなかったのが、今は気持ちよく出せるところまで復活したのだから
『甲賀忍法帖』も毎日取り組んでいれば部分的に治っていくのではないかと思う。思いたい。
「結節で出来なくなっていたことのうち、いくつかは再びできるようになっている」のは事実。
だから、「ひとつずつ、出来ないことを出来るに変えていく」という、トレーニングの根幹は
この数十年何も変わっていない。
一度出来るようになったことが突然出来なくなったというところがちょっと特殊なくらいで。
普通は、健康であれば一度身につけた技術、体で覚えたことを忘れるということはそうはないから。
一度自転車に乗れるようになったらブランクを空けていようが乗れるし、
一度泳げるようになったらやはりどんなにブランクを空けていようがまた泳げる。
だから、「一度出来るようになった、体で覚えたことを忘れてしまうような」エラーが起こっていると思えば
このもどかしさは伝わるかもしれないね。
1時間半ほど歌って声も嗄れ、ファルセットが出なくなったので今日は終了だ。
本来は、いわゆる「喉を開く」発声でNPを温存させられるから、1時間半でファルセットが嗄れ始めることはなかった。
でも今は、あえて喉を締める発声をしているので声嗄れが早い。
仕方のないことだね! 濡れマスクをして寝るしかないね!
・7月25日
鬼束ちひろ『月光』くらいスローなバラードだと、BPMのもっと速い曲に比べれば
急速に声帯の開け閉めすることがないので歌いやすいけれど、それでも含まれる子音次第では
息が続かなくなるフレーズもあることがわかった。
あと相川七瀬『Nostalgia』『夢見る少女じゃいられない』あたりのカラオケレパートリーは
今やっているリハビリには良さそう。
あまり負荷が高くないけれど、そこそこに喉を締めて出していい音域だし体力もまぁまぁ使う。
最高音でファルセットを使う曲はほとんどなく、チェストボイスのボイトレにいい。
すぐに声が嗄れるので、持久力が足りないのもあるし喉声をあえて出そうとしてるからってのもあるよな、と思う。
もう少し喉声でなくとも以前のように歌えるようになるといいのだが。
アニソンとかでも『輝きは君の中に』なんかは、息が漏れる子音が沢山含まれているので
喉声を意識して歌った上でまだ息が続かなくて苦しかったw
今日思ったのは、歌詞の一人称が「僕」だとブレス明けに「ぼくは」「ぼくが」とか言うことが多いので
BOで息がぶはっと抜けてしまうことがわかった。
ちなみに二人称だと、「君」はK子音で始まる割にはマシな単語で「あなた」の方がよほど辛いw
『I'm here saying nothing』のサビ終わりの歌詞「あなたのことだけ」は今の私には地獄!!w
音域的に別に高いことはないのに、「あなたのことだけ」という文字列であるというだけで
「すべての文字で声が裏返らないように発声する」ことが至難の業なのである。
「なた」では「た」で裏返りやすいし、「こと」も声にならないことが多いし、
「だ」も声が形にならないので滑舌が悪く聞こえるようになっているし、「だ・け」両方の文字で息が漏れる!w
声が裏返るというのは、それをあえて技巧としてやっていて「歌の表現の一部」として意図的に使う分にはいいけど
意図せず裏返ったり声が声にならなかったりするのは、単純に「技術が足りない」ように聞こえるだけだから、とてももどかしい!
・7月26日
オンラインでちょっと面談があったんだけど、
「すごく聞き取りやすい声なので使いたい!」
というような反応があって、
「あぁ、私はやはり声の仕事が出来るならその方が需給バランスいいんだろうなあ」
と思うなどしたw
私は、今みたいに障害が起こっていなければ声を出すことになんの苦もなかったわけで、
台本を読み上げるのも「こんな内容だと読んでてもつまらないな」なんて思うことはなく天職だと感じながら仕事できていた。
それに、使う側の人にとっても、「聞き取りやすい、芯のある通る声だから」
使いたいシチュエーションに適していて良いという声もよく聞かれた。
例えば、雑踏で流れる街頭ビジョンのCMとかは、屋外のガヤガヤした環境でも声が遠くまで届くと助かるわけで。
CMは「明るく元気にハキハキ」というのと「高級感のある落ち着いた感じ」という大きなふたつの需要があるように思うんだけど
特に前者はよく頼まれることがあり、イメージに合っているので繰り返しお願いしたい
という感想なども頂いた。実際リピート案件をくださったし。
今日の面談は、声を使う仕事がどうのこうのという件ではなかったのに、結果的に
「声を使わせてもらえるならお借りしたい」
みたいな展開になって、心底「早くリハビリ完了させて、どんな台本でも歌でもドンと来い!状態になりてーw」と思った。
夜、ボイトレをした。
歌いだしてから20分くらいして、今日も手術後に唄うのは初めてになるようなレパートリーに
いくつか挑戦しておこうと思って、まずは『WHITE BREATH』と『THUNDERBIRD』を歌ってみた。
T.M.Revolutionの!
なぜかというと、前日にちょっと友達とチャットしている中で
(V)・∀・(V)「最近は毎日1時間ちょい声出しをしているんだよ。病院の先生にもそのくらいの負荷は問題ないとお墨付きをもらっている」
友「でも(V)・∀・(V)さんは女版西川貴教なんだから、先生の想定を超える負荷をかけないように気をつけてねw」
(V)・∀・(V)「!? どういうことなの!」
友「声量があるってことだよ!」
というやり取りがあって。
「じゃあT.M.Revolution歌っとくか」と思ったのでw
これはまだ今のコンディションには適していないかもしれない。
T.M.Revolutionはキーには問題がないんだけど、西川くんみたいなちょっとハスキーな発声をあえてやろうとすると
息漏れが加速しちゃうのでw
ハスキーにせずキュッと締めて声を出しても息が保たないところがあったので、要練習だな。
それから、『君、微笑んだ夜』を歌った。
この曲は結構BPMもキーも高めだ。
オケの音圧もかなりあるハードロック調の曲だから、今の症状を抱えた状態では
「力めば力むほど、声が裏返るばかりで音にならない」
という歌い方になるのではないかと不安に思いながら歌い始めた。
最初は実際、なかなか声にならなかったり歌詞の速さに喉がついてこなかったりしたけど、
2回歌っているうちにすごく声が出てくるようになって、ほとんど息漏れがなくなった。
特に何かを意識して歌っていたわけじゃないんだけど……。
ウォーミングアップが終わったというより、覚醒したっていうレベルで急に声が出始めた感じだった。
ようやく声帯周りの神経バグがデバッグされてきたんだろうかw
この曲の一番体力を食うポイントは当然サビ最後の「NIGHT」の高音+ロングトーンだけど
ここを一旦は「ファルセットでちゃんと最後まで伸ばせるようにする」を目指して
ゆくゆくは「チェストボイスで、必要最低限のブレス回数で最後まで伸ばせる」にしていきたい。
今日のファルセットのトレーニングは『バーチャルスター発生学』にした。
バーチャルスター発声学?発声楽?かもしれないと思ったw
この曲ではサビの「月天」の「ツキ」がうまく出ないことが多かった。
やはり、カ・タ行が連続する+イ母音+ファルセットという3点セットはやばいw
でも、それ以外の部分では、最後の「ナリ」を伸ばすところが疲れて途切れちゃうくらいで
ファルセット自体は、かなり出るようになってきていると感じた。
イ母音は、子音と関係なく特定の音域で声がビリビリしやすいのだけど、これは元々、誰でもそうなると思う。
あいうえおの5つの母音の中では、イは一番「響く声」「高い声」を出しにくい母音だ。
同じ音程なら、他の4つの母音の方が断然出しやすい。
だから合唱団の頃は、ソプラノパートで「高いイ母音の歌詞がある部分」の練習を頑張ったもんだ。
コツを掴んでからは、声の出る出ないを母音が左右することはなくなったけど、
今はそのコツを掴む前みたいな状態に戻ってしまったようなところだから、再度かつてと同じようなボイトレが必要だ。
『君、微笑んだ夜』からの『バーチャルスター発生学』で色々な音域をカバーした後に
日課の『I'm here saying nothing』に挑戦したら、昨日までよりもAメロが歌いやすかった。
それでもやっぱり2番Aメロの「今は」の「イ」が割れちゃうから、
「結局のところ、今の課題はファルセットのイだな」
という結論に達したw
明日からは、歌の中ではなく「イーーー」とか「キーーー」みたいにして、
3音と5音の発声練習でファルセットのイを鍛えていこう。
そのあと弟とテラリアの実況プレイを撮り始めたんだけど、さすがに歌った後だったのでちょっと声が裏返ったw
・7月28日
1日おいて、この日は歌ったりしてNPを消耗することなしに弟とテラリアの収録をしたら、声が裏返らなかった。
疲労さえなければ会話の中で裏返る頻度はだいぶ低い状態っぽい。
疲労がないとしても、一定の音域を強めに出そうとすると裏返る文字はあるけど、普通の音域で喋る分にはなんともなかった。
・7月29日
逆にこの日は歌を唄うことにした。
ウォーミングアップ完了まではやはり息漏れが多い。
喉が温まってくると少しマシになる。
あと、腹筋と胸鎖乳突筋をちゃんと使うのは前提だと思った。
自分を励ますために今日は『スイマーよ!!』を唄ったw
すべての失敗を成功に あふれこぼれる嘆きを唄声に!!
・7月31日
ちょっとは良くなって来ているのかもしれない! と思っていたのに、全然そんなことはなかったw
今日の歌は息が漏れまくって、とても疲れた。
息が漏れるのを、肺活量と腹筋で無理やりカバーしている感じで体力の消耗が激しい。
無理しなくていいや、と思って今日はすぐ唄うのをやめた。
とりわけブレス直後に急激に声帯を閉じるところが機能不全を起こしていると思うから、
「あめんぼあかいなあいうえお」を1文字ずつ切って、1文字言うたびに息を吸いながら暗唱したりした。
あ! め! ん! ぼ! あ! か! い! な!
1文字ずつ、瞬発的に声を発するとあまり息漏れが気にならない。
「単語」や「文章」になってくると途端にズタボロになるくせにw
キツツキコツコツ枯れけやきの「かれけ」のところとかは、1文字ずつなら出せるのに、
文として読み上げると「れけ」が声にならない……というような感じ。
小声のときも症状が気にならない。
飽く迄、ある程度張った声、高い声の時に声帯の張りが保てないという感じ。
これがただの筋力の衰えのせいだったら却って簡単だったのに。
次の診察の時までに良くなっているかどうかでボイトレを検討するって話になっているので
この様子じゃ一人で手探りしていても時間がかかるばかりだし、ボイトレの紹介をしてもらって
回復を早めたいなぁと思う。
・8月2日
診察だったので、ボイトレを一度受けてみる方向で話を進めていった。
なんと同じクリニック内にボイトレ用の専用ルームがあるので、通う先は同じだった。
声帯には何の異常もなくキレイなので、声帯チェックはこれまでの2週に1回から、月1に頻度を落としても大丈夫とのこと。
その一方でボイトレを受けるため、メールでトレーニングの先生に連絡を取ってみた。
この息漏れ問題が手術前と比べてあまり改善されていないせいで仕事に復帰できていないため、
トレーニングを受けるとしたら早めに始めておきたいと思い、直近の空いている日を挙げてもらって
そこに入ることにした。
・8月4日
診察から1日おいただけだけど、早速ボイトレのセッションへ行ってきた。
こんなにすぐに空いている枠があって良かった。
2週間先まで埋まっているかもしれないと言われていたのでw
とりあえず一回説明や指導を受けておけば、そこから自宅でもボイトレの方向性を変えるなりなんなりできるから
一人で暗中模索するよりは、回復が早まると私は思う。
何をどのようにするのか、どのような指導をされたのかをここに書くのはマナーにもルールにも反するので
セッション中に教えてもらったことは飛ばすんだけど、私の感想としては
「声を響かせる場所を変える(元々の場所に戻す)」
という目的の発声トレーニングなんだろうな、と思った。
それから、「何か、こういう症状が出るようになってしまったきっかけに思い当たる?」という質問に
私が前に自己分析した、
「引っ越しして洋間に住むことにより、前に住んでいた和室と比べて自然反響が増えてしまったため
宅録案件をこなす上ではどうしても反響量を減らす必要があり、吸音材を壁や天井に貼りまくって
スタジオのように反響がない状態に変えてから半年くらいしたらおかしくなってきた」
という話をしたら、「まさにそれが原因だと思います」とのことだったので、
私の自己分析は間違っていなかったようだ。
結局のところ、自分の声が体内に響いている音だけじゃなく、周辺の環境に響いて跳ね返ってきた分も合わせて
脳みそが認識・学習するので、今までと異なる極端に反響の少ない環境に長く身を置いている間に脳みそが
「この場所では、充分に声が出ていない(気がする)」
という認識になり、もっと大声を出そう出そう…と変な力の入り方や喉の開き方に変容していったんじゃないかと私は思っている。
ライブステージでも、自分のボーカルボリュームの返しが少ないと、加減がわからなくて
無理に力で押してしまう結果、裏返ったり疲れたり、音程が取れなかったりする。
それが「部屋の反響量の急激な低下」で引き起こされているんだと思っている。
そんなわけで、最近弟と通話するときなんかにも
「反響が少ないだけで、自分が思っている以上に声量は今まで通り出ている…」
と自分に暗示をかけることで、必要以上に息を沢山使ったり喉を開いたりしないようにしてる。
そうしないとひっくり返るのでw
事実、同じ病院に来て同じ症状を訴えている患者さんも
「反響の少ない収録ブースで歌を唄う事が多い」傾向にあるみたい。
だから私は、本当ならば
「業務上NGが出ない程度に反響が少なく、この症状を悪化・再発させない程度に反響があるバランス」
の部屋にしたいんだけど、今宅録の音声品質はかなり求められるグレードが上がってきているので、
今の反響を「増やす」方向の環境変更へは舵を切れないと思う。
多分、取引先的に、それは無理ですね〜ってなると思うw
そうすると、やっぱり「環境を問わず、どこでも声の響きを維持できる」ように
自分が変わっていくしかないと思った。
あとは、作業部屋で声を出す場合は、必ずイヤモニを通して自分の声を聞く方がいいかもしれないとも思った。
VITASを見ていると、あの人はステージで自分の声の返しが充分でなくとも、常に一定の発声を保っているから
「環境から跳ね返ってくる音があってもなくても、筋肉の使い方で声の出し方を調整できる」タイプなんじゃないかと思う。
今日教わってきたことは、毎日のボイトレの中で意識しつつ、基礎の基礎からやっていこうと思う。
で、時々応用編として、声出しのために歌っていたレパートリーを歌ってみて
症状が減っているかどうかを確認していこうと思う。
実際に、喋っている中で声がひっくり返りそうになるというか、輪郭が崩れてしまう実例を説明するために
「あめんぼあかいなあいうえお」
をフルで暗唱した上で
「このフレーズのこの部分やこの文字で声がふわっとしちゃう」
という話をしたんだけど、先生は声楽畑の方でナレーション・演技の方はあまり経験とかはないそうで
「あめんぼあかいなあいうえお/北原白秋」を
今初めて知ったと言ってた!!
私は、高校で演劇部にいた時期があるからそこで暗記したけど、確かに合唱団やバンドサークルで
「あめんぼあかいなあいうえお」
をやらされたことはない!w
そもそも、合唱団なら発声練習があるけど、バンドにはそれすらもない!!w
あと、先生側からの感想として、
「飲み込みが早いから早く治ると思う!」
と仰っていただけたので、ちょっと不安が解消された。
本当に不安が晴れるのは症状がなくなってからだと思うけども、「良くなる」とお墨付きを貰えると
それだけで希望の光が差してくるよね。
声帯を見てくれている先生からも「その症状も、みんな治ってるから大丈夫だよ」と言われているし、
今日はトレーニングの先生にも「早く治せると思う!」と言われたわけだから
言われた通りのことを意識して頑張ってみようと思う。
不安があまりに大きかったせいか、今ちょっと涙が出てきたw
どうやら私は、合唱団でも活動していたのが良かったみたいだ。
基本的には声に関することで、これまで一度も、どんな「先生」にも師事したことがなく、
なんなら今日初めてお金を払って「先生」に指導された。
私が所属していた大学の合唱団は、「3年生が1・2年生に指導する」形式で顧問がおらず、
学生間のみでの指揮・指導を世代交代して受け継いでいく方針のサークルだったしね。
2つ上の先輩方がめちゃくちゃ上手い人しかおらんかったので、それでもすごく勉強になったんだけどね。
そこで呼吸と発声をおろそかにせず、歌よりも基礎に時間をかけるような練習をさせてもらった経験は、
今日教わったことを言われたその場ですぐ体現するのにも役立ったみたいだ。
コーラスや合唱を未経験で、カラオケでロックやポップスのみという人だと、
発声指導がもっと根源からになるのだろう。
これには私も思うところがある……。
そもそも私は、なぜ大学で合唱サークルに入ったのか、というところからなんだけど……。
私は中学からカラオケボックスに通い始めて、自分の歌をカセットテープに録音することも始めた。
そのころから今に至るまでポップスやアニソンをずーっと歌っているし、
中学の合唱コンクールの時は、音楽の先生が選抜した学校代表チームで県大会へ行って歌ったこともあったな。
『名付けられた葉』を。
だから自分は「歌が大好きだし、まぁまぁ歌える方」と思っていた。
で、高校に入って1年のとき。
音楽の中間テストとして実技試験があったんだけど、課題曲が『帰れソレントへ』(イタリア語)だったんだよね。
カンツォーネ。
生徒が一人ずつ順番に音楽準備室へ入って、先生とマンツーマンになり
音楽の先生(男性)がピアノを弾いて生徒が『帰れソレントへ』を唄うという内容だった。
そのとき、私が歌い終わって先生の最初の一言が
「カラオケ、好きでしょ」
だった。
まぁ……「声楽の発声じゃないよね」ということを遠回しに言ったと私は解釈する。
そのとき自分がどのように歌ったか忘れたけど……。
それがなんか「歌えてるけど、この曲はそういう表現の曲じゃないよね、できてないよね」って
色々否定されている気持ちで悔しくて、確か音楽の成績表(10段階)の結果としてもいかにもまぁまぁな内容だった記憶がある。
「音程は追えてるし歌詞も合ってるけど、それだけだよね」
って意味だと思った。
「先生の求める歌い方を授業で教えてくれないのに、個別に歌わせて”できてない”って烙印だけ押すの卑怯じゃない?」
と思った記憶もあるw
正解があるなら先にそれをご教示くださいよw
やり方を教えずに、「できてるか試す」って騙し討ちじみてない?w
と、言っていても仕方ないので、できてないのは確かなんだろうというのは受け止めた。
「クソ! いつか出来るようになってやる」と思った。
だもんでその時点で、「合唱」とか「コーラス」が今自分に「ちゃんとできてないことなんだ」と思って、
それまでよりも合唱に対して意識を強めることになった。
3年の時かな、校内合唱コンクールで指揮を買って出て、『落葉松』をやったんだよね。
それもクラスが入賞できなくて更に悔しい思いをした。
(その時も「音楽教師が担任してる3組が有利に決まっているだろ!」と思ったがw)
確か、1年の時は『ひとつの朝』で、2年の時が『海の不思議』をやったと思うんだけど、
その1〜2年では唄う側をやってて、3年の時には最後の学年だし指揮をやってみたくなったのだった。
そのあと大学に入って、新入生歓迎会で沢山のサークルの人たちが声をかけてくる中、
合唱サークルの2年の先輩が
「合唱に興味ありますか!?」
って訊いてきた時に
「あります(即答)」
って言って、そのままサークル室に連れて行かれ即日入団しちゃった。
「多分入学当日にサークルにも入る人初めてだよ」
みたいなことを言われた。
「今の自分にできていないことをひとつひとつ”できること”に変えていきたいんだ」
というのが、小学生の頃からの私の生き方だったので。
(ちなみに保育園時代とかは水が嫌いすぎてプールでずっと泣いていたんだけど、
小学2年のときに「泳げるようになるんだ!」って思って水泳教室に通い始めたから
その頃からもう克己心で生きてる感じがする)
そこから、「自分にはどうやら合唱用の発声ができてないらしいから、この場所で基本から学ぼう」という
サークル生活が始まったわけだよ。
だから何が言いたいかというと、声楽をちゃんとやっている人が聴けば、その人が多少なりとも
コーラスの発声を習ったり練習したりしたことがあるかどうかはすぐわかるのだと思う。
私の高校の音楽教師もそれですぐ気付いて指摘したんだろうし、
地域の合唱団に参加していた同級生はその基盤がある分音楽の点数が良かった。
そして今日のボイトレでは、
「合唱経験があることもあって、飲み込みが早い」
という評価をもらえた。
多分私がこの人生で、上記の経験から合唱サークルに入ることなく、ずっとカラオケ一本しかやってきていなかったら、
「カラオケ、好きでしょ」
の評価から変わることはなかったんだろうな。
今日のボイトレの先生だって、コーラスを習ったことのない人には
「この人はコーラスをやったことがない人の発声だな」
と、声を聴いて気づくのだろうし、その時点でそれ相応のトレーニングにシフトしていくんだろう。
演劇部で「あめんぼあかいなあいうえお」をやって、合唱団でソプラノと英語歌唱をやって、
バンドサークルでロックとポップスをやってきて良かったなと思った。
今は、脳みそがバグっているが、声帯そのものは完全に病変取り除いたし、
これからなるべく早い段階で、引っ越してくる前の声の響かせ方を体に思い出させたい。
帰宅後、台所でボイトレを継続した。
「そういえばこのあたりの筋肉、最近使われていなかった感触がするな」
と思った。
なぜ台所かというと、台所は結構反響あるw
先生に、
「最終的に収録をする時にはどうせ反響のない部屋に入る必要があるので、
トレーニングもその環境下でやるべきか」
というのを尋ねたら、それに関してはNOだったので、作業部屋はNGだ。
やるとしても、イヤモニつけてリバーブかける必要があるな。
反響がある場所で、跳ね返ってくる自分の声を聴いて響きを取り戻してから、
収録ブースに戻っていかないといけないみたい。
前にもブログに書いたけれど、おそらく私と同じくらい吸音材を部屋に敷き詰めている人は少ないと思う。
だから、「自宅の作業部屋の反響音が少なすぎて、声の出がおかしくなった」なんて、
これは相当イレギュラーなケースだとは思う。
また発症までは半年だった。
しかし、自宅がそうでなくとも、業務・職務上、スタジオに籠もることが多いとか、
スタジオで声を出すことが多いとかだと、結局その環境下に身を置く時間が長くなってきたときに
同じ症状を引き起こす可能性が充分にあると思う。
実際、身近には自分以外にいないけど、同業者の中には知らないところで同じことに悩んでいる人がいるみたいだからね。
なので私から言えることは、自宅の反響を減らすとしてもそこそこがいいぞwってことと、
仕事先の反響がなくて同じ症状に悩まされるようになってしまった人は私と同じ病院に行くといいぞってことだ。
セッションが終わって、トレーニングルームから出てきたら、今日の診察を終えた先生が診察室から出てきて
「セッション、良かったでしょ!!!」
と誇らしげに話しかけてきて微笑ましかったw
そこで、御夫婦揃って「良くなるよ!」「覚えがいいからきっとすぐだよ!!」と私を挟んだ状態で励ましてくれて
とても嬉しかったw
良い病院を見つけて良かったと思った。
台所で発声練習をした後、マイクの方でもイヤモニ+リバーブの環境で歌を歌ってみた。
なんだか、息漏れ箇所がめちゃくちゃ減っていた。
『月光』なんかは息漏れが気になる箇所はなかったので、バラードはいけそう。
息漏れよりもピッチの不安定さのほうが気になるくらいだったし。
他にも、英語曲をいくつか歌ってみた。ユーロビートとかねw
これは、何箇所か喉がついてこられないっぽいところがあったので、やはりゆっくりの曲から順繰りかなと思う。
ではまた、2ヶ月後以降は別記事を立てることにする。
手術から6週間が経過する日だ。
「術後6週間を安静に過ごしたのなら、その後から何をやっても大抵は大丈夫な期間に入る。
だから、負荷を前提としたボイトレを始めてもいい」
ということだったので、この日は、1時間ほど発声練習をした。
負荷を「徐々に上げていくこと」が大事だから、昨日よりは負荷が高いけど、それが急激でなければいいはずだ。
そして、時間をかけて少しずつ「数日前よりは確実に高い負荷」を重ねていって、
強い声・高い声を出せるようにするのだ。
というわけで、「♪ドレミレド」と「♪ドレミファソファミレド」の音階の動きで、すごく基礎的な発声練習をした。
合唱サークルとかが歌の練習に入る前に、ウォーミングアップでやるやつ。
もちろん、「♪ドレミレド」が出せたら「♪ド♯レ♯ファレ♯ド♯」という風に、半音ずつ転調させていく。
合唱団でずっとやっていたので、キーボードでガイドを鳴らさなくても、延々転調し続けていける。
ただ、手術の少し前からこれまでの期間、声を出さないようにしていたわけだから
やっぱりいきなりすごく高い音を出せるわけではなかった。
だからこそボイトレをするわけでもあるし、「今どのくらいまで出せるのか」を見極めて、
そこより先は無理をせずにすぐ引き返すようにした。
それに色々な母音や子音で発声するようにした。
前回病院に行って録音検査をしたときに、音域チェックで声が割れて出にくかった音、
あれは多分上のミかファなんだけど、そこはやっぱりなんかビリビリしやすいので、慎重にやった。
そこを超えると却って出しやすくなるから不思議だ。
・7月14日
少し歌も取り入れることにした。
高音厨音域テストみたいな高音を出すわけじゃないし、小手調べに何か歌ってみる必要がある。
ベンチマークとして。
カラオケで無理なく歌えていたはずの曲を引っ張り出して、声を押し出さないようにして歌ってみたが
チェストボイスから急にファルセットに移行するような音の飛び方をするポイントでは、上手くジャンプできなかった。
それから、手術前と同じ「息がもたない」現象は何度もあった。
やはり、カ・タ・ダ行で急激に呼気圧が高まっているのか、その文字があるフレーズは
次のブレスまでの間に息が尽きてしまう事が多い。
また、ブレス直後の入りも裏返りやすいと感じた。
トレーニング次第で良くなっていくと信じて鍛えるしか、今はすることがない。
1時間ほど歌って終わり。
・7月15日
世間は3連休らしい。海の日。
だから月曜とはいえ、カレンダー通りの勤務の人は休みなんだろうな。
この日も、3音「♪ドレミレド」や5音「♪ドレミファソファミレド」でウォーミングアップしてから
前日歌ったのと同じ歌を試しに歌ってみた。
確実に声量が増している。
あと、14日は裏返りやすかったチェストからファルセットへジャンプする音階も
ヒョイと飛べるようになった。
しかし、息がもたないのは変わりなかった。
次の診察の時に、筋トレ以外にどうしたらこの「息を使いすぎる癖」みたいなのを
矯正できるか聞いてみなければ……。
・7月16日
この日は、低音の方を広げることにした。
術前、そして術後にやった録音の検査は、上も下も声域が同じだった。
でも、私自身から言わせれば
「調子良かった時は、もっと上も下も出た」
と言いたい。
声域が狭くなっている。
ここまでの3日間は、5音発声で上に転調し続けていって、ファルセットを出せるようにしていったけど
今日は半音ずつ下げていく。
「ここで、声が声じゃなくなってしまうけど、そんなはずはない。
前はもっと下がれた」
と思って、ハミングで今の最低音のところを「んーーー」と出し続けていると、声になってきた。
そうしたらまた半音下げて「んーーー」。
これで4〜5音下がれた。
多分だけど、寝て起きたらまた声域が狭くなると思うから、毎日低い方の声を出す時間も設けたほうが良いだろうな。
こっちは「♪ドシラシド」という形の音階で出しながら半音ずつ下げたり、単音で「オーーー」と出し続けるなどしている。
あと、すでに数曲分歌って、喉が疲れた後だと全然下がれないので、日課としてなら低音の方を歌いだすより先にやったほうがよさそう。
・7月17日
試しに、歌を全部「ナ・ラ行」だけで歌ってみる。
これは手術前にも試していたことなんだけど、そのときは、これをすると息がもつのだった。
そして術後の今も同じだった。
つまり、息がもたなくなる原因はやはり特定の子音に関係があるらしい。
「あなた」とか「ひとみ」とかがあると、そのあとの息継ぎ前に息が足りなくなるもんなぁ。
多分カ・サ・タ・ダ・ハ行が鬼門になっていると思われる。
でも、意識してそれらの子音を強く発するようにしているわけじゃないから、
何か無意識下で起こっているエラーのような気もする。
歌詞の通りに歌うと
「前はここからここまで一息だったのにもたなくなっている!」
というフレーズがあるとする。
でも、それをナニヌネノだけでスキャットのように歌うと、以前と同じだけ息がもつ……。
「そうだよな、やっぱりここからここまでは一息だよな……」
と思う……。
それに、息継ぎの直後のフレーズ頭が声にならないという症状も、ナニヌネノだけにするとそうでもないから
これも歌詞で使われている子音が大きく影響しているとしか思えない。
「前はこんなに必死に腹筋に力を入れたままにしておかなきゃいけなかった曲でもなかっただろ」
と思うような、「高めの男声ボーカル曲(女声には最高音的に全然無理がないもの)」も
ずっと腹筋を緊張状態にしておかないといけなかったりして、
「いくら歌に腹筋や腹式呼吸が重要とはいえ、息を効率よく使えるようになっていれば
こんなに息切れしたり裏返ったりするものじゃないよなあ……?」
と訝しんでいる。
一番体力を使わずに歌えていた曲のはずだから。
「それというのも手術前後の休養で声を使わなかったから声帯が弱くなっているのだ」
というなら鍛え直すしかないんだろうねって思うけど。
それも、腹筋より声帯周りの筋肉を鍛えることが大事だって話なら、やはり徐々にそこにかかる負荷を増やして
強い声や長い声に耐えられる喉作りをして、「息の効率」を上げるしかないとは思う。
元々、腹筋で声を出していたというより、効率の良い息の使い方をしていたから、
たくさんの息を吸ったり、腹筋に常時力を込め続けたりしなくても、通る声を出し続けられていたわけで
その「息効率」を上昇させるにはやはり声帯周りの筋肉の方を鍛えるのがいいと思うわけだ。
そもそも、歌を歌う時、ブレスのたびに極限まで息をたっぷり吸い込む必要はない。
そんなことをする方が歌いにくいw
そして、腹筋だけ強くしても、使い方がわかっていなかったり息効率が悪かったりしたら
結局「通る声を長く出す」ことはできないから、大事なのは「効率を良くするコツ」を体で覚えることだと思う。
それによって「ブレス直後の単語は、子音によらず声が形成できない」という症状もなくなるなら
喜んで鍛え直そうじゃないか。
と思うけど「それでいい」保証がないから、今はまだ不安。
だって、ナニヌネノだけならあまり問題を感じないんだもんなぁ。
じゃあ声帯じゃなくて、舌や神経の問題だったりしない? って思う節はある。
・7月18日
というわけで2週間空けて診察に行ったので、上記のような症状(術前からあって、そのときにも話してある)を
「今も同様の症状を、ボイトレ時に感じている」
ということで報告してみたら、
「高頻度の日本語歌唱や発話に伴う運動障害」
とのことだった。
結節もあるにはあったし切除したので声帯はもうなんともないんだけど
「特定の子音を使う単語が含まれる文章や歌の中で息が漏れて続かなくなる症状」
は、やっぱり「日本語歌唱不安定症」由来ということだろうな。
どちらが先に起こり始めたのかは知りようもないんだけど、どちらかといえば
「結節が出来てそれまで通りの声を出しにくくなってきたことで、
結節がある状態の中でなんとか声を出そうと頑張る内、結果的に日本語歌唱不安定症も進行した」
と思われるかなぁ。
ここ9ヶ月の自覚症状を振り返るとね。
これについては、
”舌根を出来るだけ高く上げて発声(息が漏れる子音を含む文字の発音)をするトレーニング”
をして矯正していくしかないらしい!
結節は取って声帯も落ち着いてなんともなくなったんだけど、
今残っているこの症状はイップスみたいなものだから、いうなれば体の反射がバグってるようなもの。
外科手術とかでどうにかできるものではない。
――というのは、もう手術前に聞いていた。
今日は、どのようなトレーニングで矯正していけるかをうっすら教わった。
ちなみに、珍しい症例ではなくて、沢山歌を歌う人、沢山文章を読み上げたり喋ったりする人の中には
一定割合で発生するものらしくて、先生からしてみれば同じ症状を訴える患者はよく見かけているものらしい。
特に歌の人に多いそうだ。
それだけ頻繁に日本語を「歌う・喋る・読み上げる」してきたという証としか言えないかなw
よく発症するのはやっぱり「日本語をよく歌う人」だったんだけど、「読み上げる人」でも起こる場合は起こる、と。
私は両方やるし、両方で症状を感じているけどね。
自分の周りでは同じ症状を訴えている人を見たことはないし、先生曰く
「普通の人には起こらない。とにかく並の人に比べてかなり頻繁に歌ったり喋ったりする人には起こることがある」
とのことだったから、私は
「まぁ私は他人に比べたら極度に歌ったり喋ったりしまくっているよな……」
と思うよりほかなかったw
そりゃ、思い当たる節しかないよw
舌根を高く持ち上げて発声・発音する練習というのは、口の中にくるみ大の物体を入れて
舌で持ち上げて口蓋との間で固定させるようにしながら声を出すことをイメージすると言われた。
物を入れなくても、自分の意識で舌根を持ち上げることが出来るなら、
それを心がけながらボイトレするというのでも効果あるらしい。
とにかく舌根を上げて、舌と口蓋の間の隙間が極力狭くなるようにしながら声を出すことで
元々の発声の勘を取り戻していくしかないみたい。
ボイトレ教室とかで、「舌根を下げる」ように指導されるケースもあるらしいけど、
それと全く逆のことをしなくてはならないw
伸び伸びというか、朗々とというか、舌根を下げて喉を大きく広げて発声しようとすればするほど悪化するみたい。(実際にした)
合唱団でもよく「喉を大きく広げて、頭のてっぺんから一本の糸を出してそれを引っ張り出すような感じで」
みたいな発声指導をされたりしたけど、多分これ今やっちゃダメなやつw
これは声帯には負担が少なく、母音の発声としては「芯の通った、無駄な息のない発声」をするのにいいんだけど、
今は「特定の子音を出した直後に母音を出す際に発声障害が起きている」ので、それを改善するのには効果ないしね。
また、これは病気として認定されないから保険適用で受けられる医療は存在しないらしい。
自分でのトレーニングと、先生の奥さんがやっている矯正用のボイトレに通うという手があるらしい。
保険が適用されないので、1回が高め(¥12,000くらい)だけどねぇ。
「医療としては高いけど、ボイトレ教室と思ったら普通にありうる金額」という感じではある。
そこに通った、私と同じ症状を持つ(日本語歌唱不安定症の)人々はみんな治ったというので、
治療法は一応確立されているみたいだ。
その治療法の一端が、「くるみ大のボールを口の中で固定させた状態で声出しをする」のようなんだけど
「糖分のないチュッパチャップス」とかがあると良さそうな気がするなあw
舌根を上げるっていうのは強く「エ」の母音を発するみたいな舌の形にするわけだけど
「エ」だと舌が前に出てしまうから、「前に出さずに上に上げる」必要があって
それが実際やろうとすると難しい。
また2週間くらい空けて病院へ行くスケジュールなので、それまでの間セルフケアで
これらをヒントにボイトレを続けて、全く変わった気がしないようだったら
トレーニング先を紹介するよ、とのことだった……。
赤坂に一定間隔で通うだけで交通費というコストがかさむので、できれば自力でなんとかしたいけどねw
口に何かを入れて舌根を上げて押さえるということ以外だと、日本語よりは英語の方が舌根を上げて発音する言語なので、
歌うにしても日本語より英語の方が症状は出にくいみたい……。
英語の歌で日々の声出しをしようかな。
少なくとも、悪化は軽減できるかもしれない。
最近は、ファルセットを出すために矢井田瞳『I'm here saying nothing』を歌って、
少し低めの地声音域用にはJanne Da Arcの『RED ZONE』を歌ってるんだけど、
腹筋にこれでもかと力を入れていると『RED ZONE』は息漏れがかなり減るので、
この音域と「そういう歌い方」は多分方向性としては間違ってないのかも。
でも、以前はこんなに力まなくても息漏れしなかったし楽だったんだから、
その状態を取り戻したいとは思う。
仕事としては、文章読み上げの方で息漏れを減らさないといけないから、
喋る・読み上げるの方でも「これをすると息漏れが減る」という方向を模索しつつ
チュッパチャップス作戦(なるべく糖分にも気をつける)で行こうかと思う。
・7月21日
20日は口内炎も痛かったので、アズノールうがい薬で口の中もよくすすいだりして、
喉を休めるためにもボイトレ自体を休んだ。
今日は口内炎のピークを過ぎたので、凝りずに唄う。
凝りない……けど、希望を見失いそうになるのは確か。
悪化はしていないけど、なかなか「ブレス明けのフレーズ頭が声にならない」という症状が良くならない。
とりあえず、『RED ZONE』はどのタイミングで歌ってもちょうどいい音域の楽曲なので
最近はボイトレ開始からすぐに『RED ZONE』を歌いだして、3〜4周はする。
そのあとで他の曲を唄う。
今日も『RED ZONE』で開始してそのまま数回歌唱。
この曲はそこそこ忙しないので、ブレス後に声が安定しないのは今みたいにリハビリ中なんかは仕方ない気もする。
そして『I'm here saying nothing』でちょっとギアを上げてファルセット込みの歌唱へ。
これも数周することにしている。
特に、2番Aメロは息が続かない+ブレス明けで声にならないという症状が顕著だ。
しかし、17日に手術以後初めて歌ってみた時に比べると、Bメロとサビは安定してきた。
こういう比較的安定して出せる音域を中心に負荷をかけては安め、かけては安め……を繰り返し、
少しずつ高い方にも低い方にも安定する声域を拡張していくのがいいだろうな。
『I'm here saying nothing』の2番Aメロが特に不安定なのは、やはり使われている単語の頭が
「声帯が一瞬開いてからすぐに閉じることで音を発するタイプ」の文字であることが多いからだと思う。
Aメロは歌詞を4行に分けた時、最初の2行をノンブレスで一息で歌いきれるはず…なのだが
今の私は無駄に息が漏れているので、途中で2回ブレスが要る。
これも減らしたい。
この症状を抱えている状態では、声帯が一瞬開いた後に極力すぐに閉じて母音の音を発することが出来るようにするには
「息を止めたまま喋る」ようなつもりで、腹筋で吐息の量を極限まで減らす必要がある。
しかし、本来歌では、「適量」を吸ったり吐いたりするべきで、完全に吐く息をなくすつもりで歌っていると
それはそれで苦しいので、次のブレスのときに無駄に大きく吐いて吸ってしなければならなくなり
効率が悪いから結局そこで声帯の張りが損なわれてしまってガタガタと崩れ落ちる感じがする。
目指すイメージとしては、
「息は吐きすぎないが必要な分はちゃんと使って声を響かせる。”喉声”を目指す」
という感じでいる。
というのも、今抱えている症状はどちらかというと、「声帯が弛緩した発声」をしているから起こっている感じだからだ。
それこそ「睡眠用朗読音声」を録る時みたいに、リラックスした吐く息が多めの発声。
ポップス歌唱とも合唱とも違う。
まぁ、そういう発声で唄う曲だって、モノや表現によってはアリだけど、今取り戻したいのは
これとはベクトルが違う声だ。
合唱のときによく「喉声になっている」と指摘されるような、ある程度喉を強く締めて
「声帯の緊張状態を保った発声」を思い出さないと、息漏れが収まらないと感じた。
かつての自分には出来ていたことが、なぜか今の自分には出来ない。
頭と感覚では
「こうしたらその声が出ていたはずなのに」
と思うのに。
数日前は、実際に自分の宅録音源を聞きながら
「この声を今出したい」
と真似てみても、尚出すことが出来なくて戸惑っていた。
なんで自分の声なのに自分で真似られないんだよ!? と悲しみというか虚しさというか、
困惑、恐怖、不安などが酷かった。
今日は、ここ数日でまだちゃんと歌っていなかった曲にも挑戦しよう、と思って
『STARLIGHT』を唄うことにした。
結節かどうか確定する前の段階で家やカラオケでずっと歌っていた。ベンチマークって感じで。
で、最初は
「他の曲は息が続かなくて歌えないものがあるけど、STARLIGHTだけは結構安定して歌える」
という状態だったのが、結節確定直前には
「もうSTARLIGHTさえも不安定になってきた……」
と怯えていたものだ。
これを逆に遡っていく感じで、
「だんだんSTARLIGHTの歌い方を思い出してきた!」
ってなれれば、他の曲に応用してどんな曲でもかつての自分の歌い方を体が思い出してくれるんじゃないかな?
最初はやっぱりAメロで特に息が漏れて、以前だったらブレスしなかったところで1回多く息継ぎをしないといけなかった。
でもBメロとサビは……喉声の出し方が思い出せてきた気がした。
マイクのゲインを上げて、イヤホンからの返しを大きめにしてみた。
返しが小さいと、自分に聞こえる声量が少なく感じるせいで無駄に力むから
「力まなくても充分な声量が自分の耳に届くようにする」
ことで、まず無駄な吐息量を減らしたかった。
何度か歌っているうちに、そこかしこで「喉声」を思い出してきた感じがした。
どうして出来なかったのかわからないけど、ちょっと出来てきたと思う。
こうなると、「じゃあなんで今は出来てきたのか」と訊かれてもわからないから困るw
なんで出来なくなったのかもわからないし、なんでまた出来るようになったのかもわからないw
音程はまだ不安定だけど、今はそれより大事なことがあるから気にしないことにする。
『STARLIGHT』は、原曲キーに+3したカラオケ音源で歌っているが、これも『RED ZONE』くらいのキーだから高すぎず低すぎない。
今日の『STARLIGHT』はこのへんが限界かな、とも思うし、『君の思い描く夢 集メルHEAVEN』も歌ってみることにした。
この曲は、最初に今通っている声の病院に行った時に診察室で歌った。
その時に、歌詞を暗記しててその場で暗唱できると確信できる曲が他に思い浮かばなかったからだけど、
逆をいうと、暗記してしまうくらい、その頃毎日歌っていたから。
これもベンチマークとしてw
メルヘブンも「最初は全体的に歌えていたけど、徐々に歌えない箇所が増えていく」状態だった。
病気の進行を目撃しているんだなぁと思って怖かった。
最後に歌った時はほとんどすべての行で、本来の2倍の回数ブレスしなきゃいけなかった。
こんなんじゃ歌として成立していると言えない……。
手術後にこれをちゃんと唄うのは今日が初めてだけど、さっき『STARLIGHT』で”喉声”の感覚を少し取り戻したからどうだろう。
歌ってみると、喉声感覚が継続していたので思ったより苦しくなかった。
というか、本来的なブレス回数でワンコーラス歌えた! 嬉しい!
と思ったら、少し安心してきたのか涙が出てきて、急に涙声になっちゃったw
だから2番は却って歌えなかったw
一息おいて、2度3度と歌ってみた。
それからボイトレの経過を記録しているフォルダに、今日の音声としてメルヘブンのフルコーラスアカペラを録音保存した。
ここで歌い始めてから1時間半くらいが経過していて、ノンストップだったものだからさすがに喉そのものが疲れたみたいだ。
次に『HEARTの形状』を歌ったら声がハスキーになってきていたので今日はここで終わりにすることにした。
持久力がまだ戻っていないから、1時間半ぶっ通しで歌い続けたらもうNPが終わってしまうw
でも、これは歌唱不安定症を治すのより簡単に取り戻せる気がする。
さっきも書いたけど、「負荷をかけては休ませる」を繰り返すだけだし。
どんな歌でも無駄な息漏れがない状態に戻れれば、ナレーションとかキャラクターボイスとかの
喋り声の方でも全く同じことだから「歌を取り戻すことで喋り声も取り戻す」ことにする。
・7月23日
1日休んでボイトレ再開。
休むのは休むので必要だと思う。
休むことによって脳みそが情報を処理して体に染み込ませるからだ。
『RED ZONE』から開始して、今日はGALNERYUSの『UNITED FLAG』に挑戦。
これは、ここしばらくのボイトレで歌った曲の中ではチェストボイスでの最高音が一番高いか、
もしそうでなかったとしても「平均的な音域の高さ」がある楽曲と思われる。
『I'm here saying nothing』ではファルセットに移行するような音域でもチェストで出すというかね。
結局、「地声の強さ」のためにはチェストのままどこまで上がっていけるかも大事だし
それが結果として声量にも繋がったりするので、チェストの高い・強い曲をまた歌えるようにならないといけない。
『UNITED FLAG』は、手術前にも何度か「今、自分に何が出来て何が出来ないか」を確認する目的で歌っていたけど
前に比べて息が続かなくなっていて絶望したのだったw
でもこれは全編英語詞だから、日本語歌唱をするより症状の進行を抑えられるんじゃなかろうか。
状況をすぐに良くすることができないとしても、少なくとも悪化は避けたいところだし。
ということで、ヴォカリゼで歌ってみた。
ナ行ともラ行ともつかないような、時々「にゃにゃにゃ」になるような、そんな感じのスキャットっぽい歌い方。
今肝心なのは、歌詞が伝えようとしていることをどう表現するかとかじゃなくて、
いかに声帯が閉じた状態を維持したままで、あらゆる子音の文字を無駄な息を使わず発声できるかだし、
音域の拡張・声量の増幅もしたいからヴォカリゼがベストだと思う。
結果として、『UNITED FLAG』のヴォカリゼ歌唱はほとんど問題ないところまで喉が復活していた。
すぐにNPが尽きて疲れたり声が嗄れたりという持久力の問題はまだあるけど、
チェストボイスで全編、ほぼ無駄な息なく歌えた。
たまに「イ」母音に近い声で高い音を出すときに息が漏れるけど、元々イは高音を出しにくい母音であり
トレーニングで出せるようになっていくものだから、繰り返し鍛えていく内に戻ってくると思う。
合唱団の頃も、はじめのうちは高い音でイの母音を使う部分には苦戦したものだよ。
そのうちどんな母音でも関係なくなっていったけど、それもボイトレの賜物というものよ。
『UNITED FLAG』の2番のサビラストのShutter the kingdomのロングトーン、前はできていたんだけど
今は出だしの「shut」で大量に息が漏れるので、歌詞通り唄うと最後まで息が保たない。
その後のザもキもダも鬼門だから最後の「ダーーーーム」を充分に伸ばそうと思っても絶対に息が足りないw
全子音で息がだだ漏れていく!
子音をかなり濁して「しゃらら」くらいにするとマシだし、ヴォカリゼなら息が足りる。
普通は声を出すときに喉を締めすぎるなというが、今だけは逆だw
喉を締めて息を温存、ブレスの直後にすぐ腹筋で息を止めるような態勢に入り、喉から声を出す!
昔はあんなにも「頭や鼻から声を出すイメージ」と指導されたのにw
次に、『甲賀忍法帖』を試した。
この前風呂場で軽い鼻歌として歌っていたんだけど、その鼻歌レベルでさえ歌詞そのままで唄うと絶対に無理そうだなーと感じたのと
サビの最初のフレーズ「水のように優しく 花のように激しく」の部分なんかは
息も続かないし、ファルセットも安定しないしで今の自分にとっては地獄のような難易度だw
特に、短いブレスを挟んで唄う「花のように激しく」はハが単語頭に2回あるし「はげしく」だなんて
この4文字すべてが「息が漏れやすい子音」で構成されている……!
ハ・ガ・サ・カ行、全部ダメ!!w まったく音にならん。
特に「し」のところで「げ」より上がるのがまたダメ!
「げ」はチェストボイスなのに「し」でファルセットになるのも鬼門!w
頭で「はげ」がチェストボイスで、「しく」をファルセット……と思い描くだけで歌えていたのが
奇跡だったのではないかという気すらしてくる。
人間の発声はめちゃくちゃ複雑なことをほぼ無意識で制御してて恐ろしいな。
音程の動きや、チェストボイスとファルセットの切り替えが
『I'm here saying nothing』より高頻度でシビアなところがあるので難易度を一段階上げるとしたらこの曲だろうと思ったのもあり
今日は声出しの最後にやってみたけど、そこまでですでに喉に疲労が蓄積されてしまったせいもあるのか、
何一つイメージしたことができなかったw
ヴォカリゼでも歌えなかった。びっくり。
でも考えてみれば、当初は『I'm here saying nothing』のサビのまさに「I'm here saying nothing」という歌詞を繰り返すところで
hereの「ひ」も、Sayの「せ」も声にならなかったのが、今は気持ちよく出せるところまで復活したのだから
『甲賀忍法帖』も毎日取り組んでいれば部分的に治っていくのではないかと思う。思いたい。
「結節で出来なくなっていたことのうち、いくつかは再びできるようになっている」のは事実。
だから、「ひとつずつ、出来ないことを出来るに変えていく」という、トレーニングの根幹は
この数十年何も変わっていない。
一度出来るようになったことが突然出来なくなったというところがちょっと特殊なくらいで。
普通は、健康であれば一度身につけた技術、体で覚えたことを忘れるということはそうはないから。
一度自転車に乗れるようになったらブランクを空けていようが乗れるし、
一度泳げるようになったらやはりどんなにブランクを空けていようがまた泳げる。
だから、「一度出来るようになった、体で覚えたことを忘れてしまうような」エラーが起こっていると思えば
このもどかしさは伝わるかもしれないね。
1時間半ほど歌って声も嗄れ、ファルセットが出なくなったので今日は終了だ。
本来は、いわゆる「喉を開く」発声でNPを温存させられるから、1時間半でファルセットが嗄れ始めることはなかった。
でも今は、あえて喉を締める発声をしているので声嗄れが早い。
仕方のないことだね! 濡れマスクをして寝るしかないね!
・7月25日
鬼束ちひろ『月光』くらいスローなバラードだと、BPMのもっと速い曲に比べれば
急速に声帯の開け閉めすることがないので歌いやすいけれど、それでも含まれる子音次第では
息が続かなくなるフレーズもあることがわかった。
あと相川七瀬『Nostalgia』『夢見る少女じゃいられない』あたりのカラオケレパートリーは
今やっているリハビリには良さそう。
あまり負荷が高くないけれど、そこそこに喉を締めて出していい音域だし体力もまぁまぁ使う。
最高音でファルセットを使う曲はほとんどなく、チェストボイスのボイトレにいい。
すぐに声が嗄れるので、持久力が足りないのもあるし喉声をあえて出そうとしてるからってのもあるよな、と思う。
もう少し喉声でなくとも以前のように歌えるようになるといいのだが。
アニソンとかでも『輝きは君の中に』なんかは、息が漏れる子音が沢山含まれているので
喉声を意識して歌った上でまだ息が続かなくて苦しかったw
今日思ったのは、歌詞の一人称が「僕」だとブレス明けに「ぼくは」「ぼくが」とか言うことが多いので
BOで息がぶはっと抜けてしまうことがわかった。
ちなみに二人称だと、「君」はK子音で始まる割にはマシな単語で「あなた」の方がよほど辛いw
『I'm here saying nothing』のサビ終わりの歌詞「あなたのことだけ」は今の私には地獄!!w
音域的に別に高いことはないのに、「あなたのことだけ」という文字列であるというだけで
「すべての文字で声が裏返らないように発声する」ことが至難の業なのである。
「なた」では「た」で裏返りやすいし、「こと」も声にならないことが多いし、
「だ」も声が形にならないので滑舌が悪く聞こえるようになっているし、「だ・け」両方の文字で息が漏れる!w
声が裏返るというのは、それをあえて技巧としてやっていて「歌の表現の一部」として意図的に使う分にはいいけど
意図せず裏返ったり声が声にならなかったりするのは、単純に「技術が足りない」ように聞こえるだけだから、とてももどかしい!
・7月26日
オンラインでちょっと面談があったんだけど、
「すごく聞き取りやすい声なので使いたい!」
というような反応があって、
「あぁ、私はやはり声の仕事が出来るならその方が需給バランスいいんだろうなあ」
と思うなどしたw
私は、今みたいに障害が起こっていなければ声を出すことになんの苦もなかったわけで、
台本を読み上げるのも「こんな内容だと読んでてもつまらないな」なんて思うことはなく天職だと感じながら仕事できていた。
それに、使う側の人にとっても、「聞き取りやすい、芯のある通る声だから」
使いたいシチュエーションに適していて良いという声もよく聞かれた。
例えば、雑踏で流れる街頭ビジョンのCMとかは、屋外のガヤガヤした環境でも声が遠くまで届くと助かるわけで。
CMは「明るく元気にハキハキ」というのと「高級感のある落ち着いた感じ」という大きなふたつの需要があるように思うんだけど
特に前者はよく頼まれることがあり、イメージに合っているので繰り返しお願いしたい
という感想なども頂いた。実際リピート案件をくださったし。
今日の面談は、声を使う仕事がどうのこうのという件ではなかったのに、結果的に
「声を使わせてもらえるならお借りしたい」
みたいな展開になって、心底「早くリハビリ完了させて、どんな台本でも歌でもドンと来い!状態になりてーw」と思った。
夜、ボイトレをした。
歌いだしてから20分くらいして、今日も手術後に唄うのは初めてになるようなレパートリーに
いくつか挑戦しておこうと思って、まずは『WHITE BREATH』と『THUNDERBIRD』を歌ってみた。
T.M.Revolutionの!
なぜかというと、前日にちょっと友達とチャットしている中で
(V)・∀・(V)「最近は毎日1時間ちょい声出しをしているんだよ。病院の先生にもそのくらいの負荷は問題ないとお墨付きをもらっている」
友「でも(V)・∀・(V)さんは女版西川貴教なんだから、先生の想定を超える負荷をかけないように気をつけてねw」
(V)・∀・(V)「!? どういうことなの!」
友「声量があるってことだよ!」
というやり取りがあって。
「じゃあT.M.Revolution歌っとくか」と思ったのでw
これはまだ今のコンディションには適していないかもしれない。
T.M.Revolutionはキーには問題がないんだけど、西川くんみたいなちょっとハスキーな発声をあえてやろうとすると
息漏れが加速しちゃうのでw
ハスキーにせずキュッと締めて声を出しても息が保たないところがあったので、要練習だな。
それから、『君、微笑んだ夜』を歌った。
この曲は結構BPMもキーも高めだ。
オケの音圧もかなりあるハードロック調の曲だから、今の症状を抱えた状態では
「力めば力むほど、声が裏返るばかりで音にならない」
という歌い方になるのではないかと不安に思いながら歌い始めた。
最初は実際、なかなか声にならなかったり歌詞の速さに喉がついてこなかったりしたけど、
2回歌っているうちにすごく声が出てくるようになって、ほとんど息漏れがなくなった。
特に何かを意識して歌っていたわけじゃないんだけど……。
ウォーミングアップが終わったというより、覚醒したっていうレベルで急に声が出始めた感じだった。
ようやく声帯周りの神経バグがデバッグされてきたんだろうかw
この曲の一番体力を食うポイントは当然サビ最後の「NIGHT」の高音+ロングトーンだけど
ここを一旦は「ファルセットでちゃんと最後まで伸ばせるようにする」を目指して
ゆくゆくは「チェストボイスで、必要最低限のブレス回数で最後まで伸ばせる」にしていきたい。
今日のファルセットのトレーニングは『バーチャルスター発生学』にした。
バーチャルスター発声学?発声楽?かもしれないと思ったw
この曲ではサビの「月天」の「ツキ」がうまく出ないことが多かった。
やはり、カ・タ行が連続する+イ母音+ファルセットという3点セットはやばいw
でも、それ以外の部分では、最後の「ナリ」を伸ばすところが疲れて途切れちゃうくらいで
ファルセット自体は、かなり出るようになってきていると感じた。
イ母音は、子音と関係なく特定の音域で声がビリビリしやすいのだけど、これは元々、誰でもそうなると思う。
あいうえおの5つの母音の中では、イは一番「響く声」「高い声」を出しにくい母音だ。
同じ音程なら、他の4つの母音の方が断然出しやすい。
だから合唱団の頃は、ソプラノパートで「高いイ母音の歌詞がある部分」の練習を頑張ったもんだ。
コツを掴んでからは、声の出る出ないを母音が左右することはなくなったけど、
今はそのコツを掴む前みたいな状態に戻ってしまったようなところだから、再度かつてと同じようなボイトレが必要だ。
『君、微笑んだ夜』からの『バーチャルスター発生学』で色々な音域をカバーした後に
日課の『I'm here saying nothing』に挑戦したら、昨日までよりもAメロが歌いやすかった。
それでもやっぱり2番Aメロの「今は」の「イ」が割れちゃうから、
「結局のところ、今の課題はファルセットのイだな」
という結論に達したw
明日からは、歌の中ではなく「イーーー」とか「キーーー」みたいにして、
3音と5音の発声練習でファルセットのイを鍛えていこう。
そのあと弟とテラリアの実況プレイを撮り始めたんだけど、さすがに歌った後だったのでちょっと声が裏返ったw
・7月28日
1日おいて、この日は歌ったりしてNPを消耗することなしに弟とテラリアの収録をしたら、声が裏返らなかった。
疲労さえなければ会話の中で裏返る頻度はだいぶ低い状態っぽい。
疲労がないとしても、一定の音域を強めに出そうとすると裏返る文字はあるけど、普通の音域で喋る分にはなんともなかった。
・7月29日
逆にこの日は歌を唄うことにした。
ウォーミングアップ完了まではやはり息漏れが多い。
喉が温まってくると少しマシになる。
あと、腹筋と胸鎖乳突筋をちゃんと使うのは前提だと思った。
自分を励ますために今日は『スイマーよ!!』を唄ったw
すべての失敗を成功に あふれこぼれる嘆きを唄声に!!
・7月31日
ちょっとは良くなって来ているのかもしれない! と思っていたのに、全然そんなことはなかったw
今日の歌は息が漏れまくって、とても疲れた。
息が漏れるのを、肺活量と腹筋で無理やりカバーしている感じで体力の消耗が激しい。
無理しなくていいや、と思って今日はすぐ唄うのをやめた。
とりわけブレス直後に急激に声帯を閉じるところが機能不全を起こしていると思うから、
「あめんぼあかいなあいうえお」を1文字ずつ切って、1文字言うたびに息を吸いながら暗唱したりした。
あ! め! ん! ぼ! あ! か! い! な!
1文字ずつ、瞬発的に声を発するとあまり息漏れが気にならない。
「単語」や「文章」になってくると途端にズタボロになるくせにw
キツツキコツコツ枯れけやきの「かれけ」のところとかは、1文字ずつなら出せるのに、
文として読み上げると「れけ」が声にならない……というような感じ。
小声のときも症状が気にならない。
飽く迄、ある程度張った声、高い声の時に声帯の張りが保てないという感じ。
これがただの筋力の衰えのせいだったら却って簡単だったのに。
次の診察の時までに良くなっているかどうかでボイトレを検討するって話になっているので
この様子じゃ一人で手探りしていても時間がかかるばかりだし、ボイトレの紹介をしてもらって
回復を早めたいなぁと思う。
・8月2日
診察だったので、ボイトレを一度受けてみる方向で話を進めていった。
なんと同じクリニック内にボイトレ用の専用ルームがあるので、通う先は同じだった。
声帯には何の異常もなくキレイなので、声帯チェックはこれまでの2週に1回から、月1に頻度を落としても大丈夫とのこと。
その一方でボイトレを受けるため、メールでトレーニングの先生に連絡を取ってみた。
この息漏れ問題が手術前と比べてあまり改善されていないせいで仕事に復帰できていないため、
トレーニングを受けるとしたら早めに始めておきたいと思い、直近の空いている日を挙げてもらって
そこに入ることにした。
・8月4日
診察から1日おいただけだけど、早速ボイトレのセッションへ行ってきた。
こんなにすぐに空いている枠があって良かった。
2週間先まで埋まっているかもしれないと言われていたのでw
とりあえず一回説明や指導を受けておけば、そこから自宅でもボイトレの方向性を変えるなりなんなりできるから
一人で暗中模索するよりは、回復が早まると私は思う。
何をどのようにするのか、どのような指導をされたのかをここに書くのはマナーにもルールにも反するので
セッション中に教えてもらったことは飛ばすんだけど、私の感想としては
「声を響かせる場所を変える(元々の場所に戻す)」
という目的の発声トレーニングなんだろうな、と思った。
それから、「何か、こういう症状が出るようになってしまったきっかけに思い当たる?」という質問に
私が前に自己分析した、
「引っ越しして洋間に住むことにより、前に住んでいた和室と比べて自然反響が増えてしまったため
宅録案件をこなす上ではどうしても反響量を減らす必要があり、吸音材を壁や天井に貼りまくって
スタジオのように反響がない状態に変えてから半年くらいしたらおかしくなってきた」
という話をしたら、「まさにそれが原因だと思います」とのことだったので、
私の自己分析は間違っていなかったようだ。
結局のところ、自分の声が体内に響いている音だけじゃなく、周辺の環境に響いて跳ね返ってきた分も合わせて
脳みそが認識・学習するので、今までと異なる極端に反響の少ない環境に長く身を置いている間に脳みそが
「この場所では、充分に声が出ていない(気がする)」
という認識になり、もっと大声を出そう出そう…と変な力の入り方や喉の開き方に変容していったんじゃないかと私は思っている。
ライブステージでも、自分のボーカルボリュームの返しが少ないと、加減がわからなくて
無理に力で押してしまう結果、裏返ったり疲れたり、音程が取れなかったりする。
それが「部屋の反響量の急激な低下」で引き起こされているんだと思っている。
そんなわけで、最近弟と通話するときなんかにも
「反響が少ないだけで、自分が思っている以上に声量は今まで通り出ている…」
と自分に暗示をかけることで、必要以上に息を沢山使ったり喉を開いたりしないようにしてる。
そうしないとひっくり返るのでw
事実、同じ病院に来て同じ症状を訴えている患者さんも
「反響の少ない収録ブースで歌を唄う事が多い」傾向にあるみたい。
だから私は、本当ならば
「業務上NGが出ない程度に反響が少なく、この症状を悪化・再発させない程度に反響があるバランス」
の部屋にしたいんだけど、今宅録の音声品質はかなり求められるグレードが上がってきているので、
今の反響を「増やす」方向の環境変更へは舵を切れないと思う。
多分、取引先的に、それは無理ですね〜ってなると思うw
そうすると、やっぱり「環境を問わず、どこでも声の響きを維持できる」ように
自分が変わっていくしかないと思った。
あとは、作業部屋で声を出す場合は、必ずイヤモニを通して自分の声を聞く方がいいかもしれないとも思った。
VITASを見ていると、あの人はステージで自分の声の返しが充分でなくとも、常に一定の発声を保っているから
「環境から跳ね返ってくる音があってもなくても、筋肉の使い方で声の出し方を調整できる」タイプなんじゃないかと思う。
今日教わってきたことは、毎日のボイトレの中で意識しつつ、基礎の基礎からやっていこうと思う。
で、時々応用編として、声出しのために歌っていたレパートリーを歌ってみて
症状が減っているかどうかを確認していこうと思う。
実際に、喋っている中で声がひっくり返りそうになるというか、輪郭が崩れてしまう実例を説明するために
「あめんぼあかいなあいうえお」
をフルで暗唱した上で
「このフレーズのこの部分やこの文字で声がふわっとしちゃう」
という話をしたんだけど、先生は声楽畑の方でナレーション・演技の方はあまり経験とかはないそうで
「あめんぼあかいなあいうえお/北原白秋」を
今初めて知ったと言ってた!!
私は、高校で演劇部にいた時期があるからそこで暗記したけど、確かに合唱団やバンドサークルで
「あめんぼあかいなあいうえお」
をやらされたことはない!w
そもそも、合唱団なら発声練習があるけど、バンドにはそれすらもない!!w
あと、先生側からの感想として、
「飲み込みが早いから早く治ると思う!」
と仰っていただけたので、ちょっと不安が解消された。
本当に不安が晴れるのは症状がなくなってからだと思うけども、「良くなる」とお墨付きを貰えると
それだけで希望の光が差してくるよね。
声帯を見てくれている先生からも「その症状も、みんな治ってるから大丈夫だよ」と言われているし、
今日はトレーニングの先生にも「早く治せると思う!」と言われたわけだから
言われた通りのことを意識して頑張ってみようと思う。
不安があまりに大きかったせいか、今ちょっと涙が出てきたw
どうやら私は、合唱団でも活動していたのが良かったみたいだ。
基本的には声に関することで、これまで一度も、どんな「先生」にも師事したことがなく、
なんなら今日初めてお金を払って「先生」に指導された。
私が所属していた大学の合唱団は、「3年生が1・2年生に指導する」形式で顧問がおらず、
学生間のみでの指揮・指導を世代交代して受け継いでいく方針のサークルだったしね。
2つ上の先輩方がめちゃくちゃ上手い人しかおらんかったので、それでもすごく勉強になったんだけどね。
そこで呼吸と発声をおろそかにせず、歌よりも基礎に時間をかけるような練習をさせてもらった経験は、
今日教わったことを言われたその場ですぐ体現するのにも役立ったみたいだ。
コーラスや合唱を未経験で、カラオケでロックやポップスのみという人だと、
発声指導がもっと根源からになるのだろう。
これには私も思うところがある……。
そもそも私は、なぜ大学で合唱サークルに入ったのか、というところからなんだけど……。
私は中学からカラオケボックスに通い始めて、自分の歌をカセットテープに録音することも始めた。
そのころから今に至るまでポップスやアニソンをずーっと歌っているし、
中学の合唱コンクールの時は、音楽の先生が選抜した学校代表チームで県大会へ行って歌ったこともあったな。
『名付けられた葉』を。
だから自分は「歌が大好きだし、まぁまぁ歌える方」と思っていた。
で、高校に入って1年のとき。
音楽の中間テストとして実技試験があったんだけど、課題曲が『帰れソレントへ』(イタリア語)だったんだよね。
カンツォーネ。
生徒が一人ずつ順番に音楽準備室へ入って、先生とマンツーマンになり
音楽の先生(男性)がピアノを弾いて生徒が『帰れソレントへ』を唄うという内容だった。
そのとき、私が歌い終わって先生の最初の一言が
「カラオケ、好きでしょ」
だった。
まぁ……「声楽の発声じゃないよね」ということを遠回しに言ったと私は解釈する。
そのとき自分がどのように歌ったか忘れたけど……。
それがなんか「歌えてるけど、この曲はそういう表現の曲じゃないよね、できてないよね」って
色々否定されている気持ちで悔しくて、確か音楽の成績表(10段階)の結果としてもいかにもまぁまぁな内容だった記憶がある。
「音程は追えてるし歌詞も合ってるけど、それだけだよね」
って意味だと思った。
「先生の求める歌い方を授業で教えてくれないのに、個別に歌わせて”できてない”って烙印だけ押すの卑怯じゃない?」
と思った記憶もあるw
正解があるなら先にそれをご教示くださいよw
やり方を教えずに、「できてるか試す」って騙し討ちじみてない?w
と、言っていても仕方ないので、できてないのは確かなんだろうというのは受け止めた。
「クソ! いつか出来るようになってやる」と思った。
だもんでその時点で、「合唱」とか「コーラス」が今自分に「ちゃんとできてないことなんだ」と思って、
それまでよりも合唱に対して意識を強めることになった。
3年の時かな、校内合唱コンクールで指揮を買って出て、『落葉松』をやったんだよね。
それもクラスが入賞できなくて更に悔しい思いをした。
(その時も「音楽教師が担任してる3組が有利に決まっているだろ!」と思ったがw)
確か、1年の時は『ひとつの朝』で、2年の時が『海の不思議』をやったと思うんだけど、
その1〜2年では唄う側をやってて、3年の時には最後の学年だし指揮をやってみたくなったのだった。
そのあと大学に入って、新入生歓迎会で沢山のサークルの人たちが声をかけてくる中、
合唱サークルの2年の先輩が
「合唱に興味ありますか!?」
って訊いてきた時に
「あります(即答)」
って言って、そのままサークル室に連れて行かれ即日入団しちゃった。
「多分入学当日にサークルにも入る人初めてだよ」
みたいなことを言われた。
「今の自分にできていないことをひとつひとつ”できること”に変えていきたいんだ」
というのが、小学生の頃からの私の生き方だったので。
(ちなみに保育園時代とかは水が嫌いすぎてプールでずっと泣いていたんだけど、
小学2年のときに「泳げるようになるんだ!」って思って水泳教室に通い始めたから
その頃からもう克己心で生きてる感じがする)
そこから、「自分にはどうやら合唱用の発声ができてないらしいから、この場所で基本から学ぼう」という
サークル生活が始まったわけだよ。
だから何が言いたいかというと、声楽をちゃんとやっている人が聴けば、その人が多少なりとも
コーラスの発声を習ったり練習したりしたことがあるかどうかはすぐわかるのだと思う。
私の高校の音楽教師もそれですぐ気付いて指摘したんだろうし、
地域の合唱団に参加していた同級生はその基盤がある分音楽の点数が良かった。
そして今日のボイトレでは、
「合唱経験があることもあって、飲み込みが早い」
という評価をもらえた。
多分私がこの人生で、上記の経験から合唱サークルに入ることなく、ずっとカラオケ一本しかやってきていなかったら、
「カラオケ、好きでしょ」
の評価から変わることはなかったんだろうな。
今日のボイトレの先生だって、コーラスを習ったことのない人には
「この人はコーラスをやったことがない人の発声だな」
と、声を聴いて気づくのだろうし、その時点でそれ相応のトレーニングにシフトしていくんだろう。
演劇部で「あめんぼあかいなあいうえお」をやって、合唱団でソプラノと英語歌唱をやって、
バンドサークルでロックとポップスをやってきて良かったなと思った。
今は、脳みそがバグっているが、声帯そのものは完全に病変取り除いたし、
これからなるべく早い段階で、引っ越してくる前の声の響かせ方を体に思い出させたい。
帰宅後、台所でボイトレを継続した。
「そういえばこのあたりの筋肉、最近使われていなかった感触がするな」
と思った。
なぜ台所かというと、台所は結構反響あるw
先生に、
「最終的に収録をする時にはどうせ反響のない部屋に入る必要があるので、
トレーニングもその環境下でやるべきか」
というのを尋ねたら、それに関してはNOだったので、作業部屋はNGだ。
やるとしても、イヤモニつけてリバーブかける必要があるな。
反響がある場所で、跳ね返ってくる自分の声を聴いて響きを取り戻してから、
収録ブースに戻っていかないといけないみたい。
前にもブログに書いたけれど、おそらく私と同じくらい吸音材を部屋に敷き詰めている人は少ないと思う。
だから、「自宅の作業部屋の反響音が少なすぎて、声の出がおかしくなった」なんて、
これは相当イレギュラーなケースだとは思う。
また発症までは半年だった。
しかし、自宅がそうでなくとも、業務・職務上、スタジオに籠もることが多いとか、
スタジオで声を出すことが多いとかだと、結局その環境下に身を置く時間が長くなってきたときに
同じ症状を引き起こす可能性が充分にあると思う。
実際、身近には自分以外にいないけど、同業者の中には知らないところで同じことに悩んでいる人がいるみたいだからね。
なので私から言えることは、自宅の反響を減らすとしてもそこそこがいいぞwってことと、
仕事先の反響がなくて同じ症状に悩まされるようになってしまった人は私と同じ病院に行くといいぞってことだ。
セッションが終わって、トレーニングルームから出てきたら、今日の診察を終えた先生が診察室から出てきて
「セッション、良かったでしょ!!!」
と誇らしげに話しかけてきて微笑ましかったw
そこで、御夫婦揃って「良くなるよ!」「覚えがいいからきっとすぐだよ!!」と私を挟んだ状態で励ましてくれて
とても嬉しかったw
良い病院を見つけて良かったと思った。
台所で発声練習をした後、マイクの方でもイヤモニ+リバーブの環境で歌を歌ってみた。
なんだか、息漏れ箇所がめちゃくちゃ減っていた。
『月光』なんかは息漏れが気になる箇所はなかったので、バラードはいけそう。
息漏れよりもピッチの不安定さのほうが気になるくらいだったし。
他にも、英語曲をいくつか歌ってみた。ユーロビートとかねw
これは、何箇所か喉がついてこられないっぽいところがあったので、やはりゆっくりの曲から順繰りかなと思う。
ではまた、2ヶ月後以降は別記事を立てることにする。
コメント