ほぼ日MOTHERプロジェクトが、音楽イベントを開催するというので!!!!!!
MOTHERのおんがく。 イベント公式ページ
MOTHERのおんがく。 イベント公式ページ
(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)
チケットを少し早めに買った人は、エンドロールに名前を表示してもらえる仕組みがあって
さすがMOTHERって感じだったなぁ。
↓終演後の公式からのツイート(ポスト)。
開場前に名前登録(KANIPAN666)も済ませて、
「MOTHERのことだから、きっと最後に名前が並ぶんだろうな! 楽しみ」
って感じで晩ごはんを用意しながら開演を待つ。
ちなみに、名前は重複チェックはされなかったので、エンドロール見ていたら「RYO」さんは9人くらいいたよねw
さて、実況ツイートしておいたので、自分でそれを見ながら所感をまとめていきますかね。
第1部
田中宏和さんによる、MOTHER BGMのNON-STOP REMIX DJパフォーマンス!
公式サイト上でも、演目のところに
第1部 田中宏和 『MOTHER』REMIX
と書いてあるけど、私は第3部で行われたようなアコースティックな演奏だけをイメージしていて
このREMIXっていうのが、DJパフォーマンスだとは思わなかった〜!!
昨今、公式や趣味の楽団がゲームミュージックをオーケストラ演奏するイベントは色々ある。
私も少なくとも、公式のものならモンハンの狩猟音楽祭に数回と、FFのDistant Worldに行ったことがあるし。
また、特定の1本のゲーム作品・シリーズだけでなく「色々なゲームミュージックを演奏しますよ」という
プロのイベントもあり、有志が集まって開催するものも合わせると、年間に結構な数の上演があるんじゃないかと思う。
こういう管弦楽団によるホールの演奏は壮大だし、それがぴったり合うようなゲームミュージックも沢山あるから
生で聴けるとやっぱり「おぉ!」となるし好きなんだけど、MOTHERの楽曲って
オーケストレーションをあえて想定して「いない」楽曲とか、音作りやSEの使用がされているものが多いと思っていて。
1の方はシティポップというか、AメロBメロサビがあるような構成の曲が多かったり
2は特にアンビエントとか、エレクトロニカとか、テクノっぽい音とかも沢山鳴るし。
もちろん、『エイトメロディーズ』とか『オネットのテーマ』とかをオーケストラアレンジにして演奏した
ゲームミュージックのイベントも過去にあったみたいだけど、
それはMOTHERのBGMだけに絞ったものではなかったし、『エイトメロディーズ』と『オネットのテーマ』は
比較的オーケストレーションしやすかったからその選曲、というのがあったと思うのだよね。
で、この第1部では実際のBGM音源やSEをサンプラーで鳴らしながら、ノンストップでリミックスしていくっていう
バチバチのDJパフォーマンスになっていて、
「この形式がMOTHERの楽曲にぴったり」
っていうところがすごく大事だなと思った。
別にオーケストラがダメってわけじゃないんだよ。
「ゲームミュージックのイベントをやるなら猫も杓子もオーケストラ化すればいい」
ともならないだろうということであって。
MOTHERの曲には、MOTHERの曲に適した演奏形態や表現がオーケストラ以外にもあるよね、きっと。
そして、多分この「作った本人によるバチバチのDJパフォーマンス」っていうのが一つの正解と言えるだろうし、
うわぁ〜良いなぁと思った。
VGMDJ(VideoGameMusicDJ)をやっている人に見てほしいと思っちゃったw
長年のファンとしては、MOTHER2のサントラのラストに収録されている
『ANOTHER2(PSI MIX)』っていうトラックを彷彿とさせるのもあって。
でも、『ANOTHER2』と同じではなく、それを踏襲しつつ今回のイベント用にリミックスしなおした
曲順とかクロスフェードとかバランスになっていて
「どれも聞いたことのある曲だ!」っていう懐かしさと「次は何が!?」っていう新鮮なワクワク感が同居してて
すごく良かった……。
特にMOTHER2のOPや日常風景を象徴するようなBGMをひとしきりやったあとの、
戦闘BGMゾーン突入時は
「ついに俺達のバトルBGMタイムきたーーー!!!!」
っていう感じで気持ちが盛り上がった。
MOTHERのバトルって、敵によって何種類かの曲を使い分けているから、プレイヤー目線だと
「この曲はデヘラーとかが出てくるやつ」
とか
「この曲は最後に壊れて爆発する敵が含まれてるときの思い出が色々蘇るやつ」
とかね、具体的に脳裏に浮かんでくるものが沢山あるわけですよ!(熱弁
3も「サウンドバトル」っていうリズムゲーみたいな要素を取り入れている上
やはり敵によって曲が違うものだから、バトルの曲とゲームの思い出はかなり密接でねぇ〜……。
例えばパッションさまの曲とか象徴的だもんねw
こうやって、聴いている人の中で、その人個人のプレイの思い出が蘇って来ることで、
プレイした人同士でも各々の異なった思い出が脳内で反芻されていて、
未プレイの人とは、同じ音楽を聴いた時に感じるものが全然違うっていうところが
ゲーム音楽のすごさな気がするなぁ。
映画のサントラも勿論、映画を見た人は映画の印象的なシーンが蘇るから、
見た人と見てない人では、聴いている時に脳内で起こっている「反応」自体が異なると思う。
でも、ゲームの場合は、プレイヤー間では「思い出す」という反応までは同じなのに、
映画と比べると「個人個人が思い出しているものの違い」が大きいと思うんだよね。
映画音楽では「見たもの」を思い出しているけど、ゲーム音楽の方では「自分の体験したこと」を思い出しているもん。
他の誰にも同じものを思い出すことは出来ない、その人だけのオリジナルの体験を思い出しているんだよね……。
例えばモンハンの狩猟BGMを聴いた時に
「このモンスターには何回もやられたなあ」
って思った人が沢山いたとして、でもその人達が思い出している「やられた経験」はひとつとして同じ「経験」ではないんだよね。
それに、戦闘ゾーンが一旦終わった後も、MOTHER2のホテルのBGM(白蝶貝のネックレス)で「すき…」ってなったり
「すき」な割にはタイトルが出てこなくて「真珠?貝?のネックレス?がどうのみたいなやつ」
っていうところまでしか思い浮かばなかったり
ハンバーガーショップとかで流れている曲の直前で、それとは分からない程度にディストーションか
フェイザーで歪ませた巨大なゲップーのゲップの音入ってたな!? と思ったり、
(ゲップー知らない人ならゲップだとは思わなそうな音に変換されていた)
VJの方のおかげで、画面にチラチラとクロスフェードしてくるゲーム映像や、
「わすれられたおとこ」のセリフみたいな糸井さんのテキストが
「そうそう、こういうのあった」ってなって、もう言いたいこと山積みよw
なんだかもう第1部ですでに胸がいっぱいだよ。
これがMOTHER2の30周年を記念して初めて開催されるすごさよ……。
それから、単純にパフォーマンスが見ていて面白かったなぁ。
可笑しいって意味じゃなくて興味深いって意味でさ。
田中宏和さんが、サンプラーで色々な音をリアルタイムに鳴らしては、ツマミをいじってフェードしたり歪ませたりして、
その場で混ぜながら流していくんだけど、そのミキサー台のカメラ映像が基本的にずっと流れていて
手元でこういう操作をして、今この音がこうなったんだな〜って思いながら聞くのが楽しかったー。
それに、これそのものじゃないだろうけど、基本的に2のときなんかはサンプラーを普段から持ち歩いて
社内を練り歩いては、糸井さんの「OKですか?」とか、宮本茂さんのギターの音をその場でサンプリング収録する
というのをやっていたと思うとますます面白くてw
糸井さん御本人が「OKですか?」をいつ録られたのか知らないというのは有名な逸話でw
(今回のトークでも触れていた)
第2部は、そんな糸井さん、鈴木慶一さん、田中宏和さん3人で「MOTHERのおんがくについて」というテーマでフリートーク。
後半に、3で楽曲を担当した酒井省吾さんも参加されて、3で楽曲制作したときの思い出などを語ったり。
ここはもう、このトーク部が始まっただけで涙が出てきちゃって大変大変。
これを「感無量」と呼ぶのかもしれない。
胸がいっぱいで、「この人たちがMOTHERを手掛けてくれて、そして今日こういうイベントにも出演してくれて最高……」っていう気持ちが溢れて。
突然の「宮本茂がギターです」発言とかは笑っちゃったけどねw
トークの中でもすぎやまこういち先生の名前が挙がっていたけど、ファミコンのあの頃のゲームって
まずすべてのゲームで必ずしもサントラの収録されたカセットが発売されるとも限らない時代だったよね。
もっというと、P.D(パブリックドメイン)つまり著作権切れのクラシック音楽を打ち込んだのや、
それをちょっとアレンジしたような曲が流れているゲームなんかもあったりして
それは「ゲームオリジナルの曲を作曲していない」ってことだよね。
そんな中、すぎやまこういち先生、そしてドラクエ音楽っていうのは、
サントラのカセットに「N響が演奏したゲームのオリジナル楽曲」が入っているという力の入りようだったからね。
しかもドラクエ2では、「Love Songさがして」に「歌モノアレンジバージョン」も別途存在したり。
私自身(小2)も
「ゲームのRPGというのは、中世ヨーロッパを冒険するような世界観のものなんだー
だからサウンドトラックもオーケストラなんだ」
という刷り込み(思い込み)を受けたくらいにはドラクエはすごかったんだけど、
そのあとで『MOTHER』をやったもんだから、『MOTHER』は『MOTHER』で逆の衝撃があったのよね。
要は、刷り込みを根底から覆されるわけじゃん。
現代のアメリカや洋画をイメージした世界でシティポップが流れているようなRPGなんだもの。
ドラクエは、どちらかというと親がやっているのを見ていたけど、『MOTHER』は自分が見つけて欲しがって、
初めて新品で買ってもらえたカセットで、自分でクリアまでプレイしたRPGでっていう
自分自身の経験がセットになっている部分が多いから
「自分が見つけて、選んだものが、自分にとって“出会えて良かった物”だった」
という体験と思い出がセットになっているんだよね。
周りにはひとりも『MOTHER』を遊んでいる人がいなくて、知っている人すらいなくて!w
「みんなは知らないけど、すごく面白いゲームなんだよなぁ」
っていうw
『MOTHER2』のときはさすがに知名度めちゃくちゃ上がったんだけどさw
トークでもあったけれど、ファミコンは3つまでしか同時に音を鳴らせないのに
『MOTHER』では、曲の印象がポップスなだけでなく、「技巧でディレイを表現」したりしててすごいというのもあって
まるで4つ以上の音も同時に出すことが出来るかのように錯覚しちゃうんだよね。
具体的にはスノーマンの街のBGMとか、重ねてディレイが鳴っているように聞こえるけど
同時に3音までしか鳴らせないことには変わりないので、直前で鳴らした音のちょっとボリューム下げた同じ音を
数分の1秒おいて鳴らすっていう、例えるなら「口でセルフディレイやる」みたいなことをやってて
「制限があるからこそ、工夫が光る」っていうのかなぁ。
物理的に、音を沢山鳴らす事はできないけれど、工夫をすれば音が沢山鳴っているように
感じさせることはできるんじゃないかってことで試行錯誤した跡が随所に感じられるよね。
鈴木慶一さんが
「ゲームっていうのは、プレイに3ヶ月くらいかけて向き合い続けたりもして、
それだけ長いこと、同じ曲を聞き続けるわけだから、長く聴かれることになるかもしれないんだ
ということを念頭に置きながら作った」
と、当時の思いを語ってらして、本当にそうだよなぁと思った。
でも、『MOTHER』から35年も経って、インターネット経由でライブイベントをやることになるとは
思ってなかっただろうなぁw
1作目のリアタイ勢としても、今になってこういうイベントを開催してもらえる未来が来るとは
露にも思わなかったしなあw
このトークパートは、全体的に携わった人々が「心優しい人たち」だというのが伝わってきてほっこりした。
勿論それは、ゲーム本編からも感じられるのが『MOTHER』シリーズの良いところだと思う。
そして、全体的にトークに良いゆるさがあって、「本人が忘れていることを他の数名が覚えてて指摘する」ようなところとかが
同窓会っぽさあって良かったw
ちょっと前に、スペースチャンネル5の方でも関係者による座談会生放送があって
それがまた同窓会みたいな雰囲気で良かったんだけど、なんだか私の好きなゲームに携わっている人たちは
やけにおっとりしたタイプが多い気がするw
第2部の後、第3部の演奏の準備の傍ら、トビー・フォックス氏からのメッセージ動画が再生された。
MOTHERシリーズに強い影響を受けたゲームクリエイターのうち、代表的なひとりと思う。
第3部は、鈴木慶一さんを中心としたバンドによる生演奏で、主に『MOTHER』のサントラの
歌モノアレンジの方を演奏してくれた。
これは、どちらかというと鈴木慶一さんが2021年にリリースした『MOTHER MUSIC REVISITED』というセルフカバーアルバムの
生演奏版と言った方が通じやすいかも。
元のサントラ版に収録されているキャサリンワーウィックさんによるボーカルのイメージよりも
だいぶREVISITED寄り!
ところで、トークで鈴木慶一さんがキャサリンワーウィックさんの名前をど忘れして
「ボーカルの女の子なんて名前だったかな?」
と唸っているとき、私はすぐにその名前が脳内に浮かんできた。
というのも、ファミコンカセットに説明書などと一緒にサントラカセットのフライヤーが入っていて
そこに参加アーティストや発売日などが書いてあってね。
私はもしこれを万が一店頭で見つけたら、親に買ってもらえないか交渉しようと思っていたんだけど
とにかくまず現物が見つからないのよw
地方の小さなデパートにあるレコード売り場にゃ入荷されなかったねww
だから当時、ゲームをしようと箱からカセットを出すにつけ、
「このサントラカセット、聴いてみたいなあ……」
という気持ちばかりが膨らんで、そこに書いてあるキャサリンワーウィックという文字列が
頭にこびりついて離れなくなってたんだよねw
それを今日、思い出したよ。
復刻して良かったねw
だって、ファミコンでゲームをやっている間は、あの電子音しか聞けないんだから、
「女性ボーカルを起用したサントラ盤ってどういうこと……?」
ってなるやん。小学生の頃、ずーっと気になっていたよw
『Wisdom of the World』や『Eight Melodies』は、坂本美雨さんがボーカル参加してくださったのも良かった。
『Pollyanna』も『Bein' Friends』も『Wisdom of the World』も『All That I Needed (Was You)』も『Eight Melodies』も、
私自身何度も歌ったり録音したことがあり、歌詞も頭ではなく口が覚えてしまってて勝手に出てくるレベルだから
見ていて一番強く感じたことは、
「私も歌いたい!!!!!!!」
だったw
今、声帯結節の手術後でリハビリ途中だから、まだ歌はドクターストップ中で歌えないのが辛いよ!w
でもその意味では、もう少し手前、手術から数日みたいなタイミングでこのイベントがあったらもっと辛かっただろうねw
沈黙療法中は「歌いたいという気持ちを起こさないように、音楽も聴かないように」してたからね。
鈴木慶一さんが、曲紹介の中で
「ゲーム内では使わないのだけど、どう〜〜しても作りたくなっちゃって作った曲」
と仰ったのが、フライングマンの曲で「ああああわかる」ってなったw
最初の、キャサリンワーウィックさんが参加してるサントラ盤にも、REVISITEDにもそれぞれ入っているけど、
ゲームの中ではこの『Flying Man』っていう楽曲は流れないんだよねー。
流れないってわかっていても、「フライングマン」という概念に曲をつけたくなるのはすごくわかるなあ。
それって、例えばRevo氏が『進撃の巨人』好きすぎて『進撃の軌跡』作っちゃうようなものでさw
MOTHERプレイヤーなら「フライングマン」という概念には色々言いたいことがあるよね……。
フライングマンって、マジカントっていう一種の別世界みたいなところにいる鳥人間みたいな生き物で、
主人公が話しかけると問答無用でパーティに加わる。
そしてそのあとは、フライングマン自身のHPがなくなるまで一緒に戦ってくれる存在なんだけど、
プレイヤーはフライングマンを回復できないし一度入れたらパーティから外すことができないから、
どこかでフライングマンのHPがゼロになるまで連れ歩くことを強制されて、
しかもフライングマンがひとり戦闘不能になるたびに、フライングマンの家の横に墓標が増えていくんだよね……。
こんな仕組み初めて見たから衝撃だった。
パーティに加わるキャラクターが、それこそ2の「ぬいぐるみ」と同じ役目なんだもん。
回復して育成したくても出来なくて、まるで使い捨てみたいになってすごく辛いんだよね。
ぬいぐるみは墓石立たないし、なんなら物だけどフライングマンは物じゃないし喋るし、
「私が話しかけたから死んじゃった」
って思うよ。
じゃあ、フライングマンに話しかけないことがフライングマンのためかと言うと、それもちょっと違っていて
フライングマン視点では、「命尽きるまで主人公に付き従うことが存在理由」だと考えているから、
連れていかないこともまた彼らにとって残酷な気もしてしまうっていう板挟みに遭うわけだよ。
ここで残酷なのは、自分なのか、こんな仕組みを導入したゲーム開発者なのか、とか色々考えさせられたよw
小学生の頃にこういう葛藤を知れて良かったとは思うけどね。
間違いなく人として深みが増すと思う。
フライングマンの境遇とか仕組みについて、何も感じることのない人間ではありたくないと思うしさ。
元々感受性が強い人間だったら、結構判断に苦しむと思うんだよね。
どうするのがフライングマンのためなんだろう! って真剣に悩んだりして。
だから、この概念に何かしらテーマ曲を作ってみたいって思うのは、音楽クリエイターとしては
めちゃくちゃ自然なことなんじゃないかなって、私は思うんだよね。
たとえゲーム内で使われないとしても、フライングマンに曲を捧げたい。
それはすごく自然な心の動きのような気がする。
それから、このバンド形態での演目の中に「ギーグ戦」が含まれていて、これは本当にすごいと思った。
ギーグ戦の曲って、MOTHERの数ある曲の中でも殊更にアンビエントやノイズを多用して
曲というより「音」に近い作りになっていると思うんだ。
だから、この曲はそれこそ「オーケストラで演奏します」ってなれないと思うんだよねw
どうオーケストレーションするんだよ、という曲w
でも、こういうサンプラーとかミキサーとかを織り交ぜつつ、ギター、ベース、パーカッション、
トランペットやユーフォニウムなどの金管楽器の音にその場でエフェクター咬ますような構成でこそ
「うわぁ〜〜〜ギーグ戦だーーー」
っていう音作りになるわけで、こりゃオーケストラコンサートだったら絶対聴けないやつだって思った。
こういう楽器編成且つオンラインだから「これこれ!」っていうものが聴けたのだと思うから
初めてのMOTHER音楽に関する公式的なイベントとしては、本当に価値あるものだったと心底感謝ですね!
強いて言えば、3の楽曲は少なめだったので、次の機会が訪れて、また酒井省吾さんの都合も合うようであれば
3からも象徴的な曲を色々と聴きたい所存。
だいぶバンドの編成は変わることになると思うけど、生で演ることが可能であれば
D.C.M.Cはぜひとも聴きたいよねぇ。
3はバトルBGMも面白い曲が多くて私も好きだし、Switchオンラインサービスにも追加になったことだし
フィーチャーするコーナーがあると嬉しいなと思った。
これは私がかつて録音した『Pollyanna』だけど、今日のライブを見て、
例えば『Smiles and Tears』みたいに、かねてより録り直ししたかった曲への
録り直し欲が高まってしまったw
ほぼ日MOTHERプロジェクトは、一番最初は『MOTHERのことば。』企画から始まっていて
私はその企画にも「プレイ&チェック」のスタッフとして参加させてもらった。
関連ブログ記事はこれ
大好きなもの その8 『MOTHER』
今回は音楽イベントで、こちらのエンドロールにも「お名前登録」出来て、これもまた感慨深かった。
でも、熱心に感想ツイートをしていたら実際に自分の登録した名前がエンドロールとして流れてくる瞬間を
まんまと見逃したけどね!!!!!w
なんせ、『MOTHERのことば。』のプレイ&チェックの作業を一番やっていたのは、2020年8月なのだから4年前の話である。
それから、様々なグッズ展開がされているほぼ日MOTHERプロジェクト、
私もどせいさんのグッズを色々買ったりしてきたけど、こうして音楽イベントの開催にもこぎ着けて
1作目の『MOTHER』から35年、『MOTHER2』からは30年、『MOTHER3』からは18年が経過して
初めてここまでMOTHERの音楽を束ねた音楽イベントを初めて開催してもらえるというのは
ファン冥利に尽きるというもの……。
「公式からの供給」が途絶えないっていうのはすごいことだよ!!!!ね!!?
そもそも『MOTHERのことば。』のあともプロジェクトが存続してくれていることが素晴らしいよね。
今回、音楽もトークもとても楽しめたので、またの機会も楽しみにしておこうと思う。
と、MOTHERの全サントラを順番に流しながら記事を書きましたw
チケットを少し早めに買った人は、エンドロールに名前を表示してもらえる仕組みがあって
さすがMOTHERって感じだったなぁ。
↓終演後の公式からのツイート(ポスト)。
#MOTHERのおんがく 無事終了しました!
— ほぼ日MOTHERプロジェクト (@hobonichimother) June 22, 2024
たくさんのお名前が並んだエンドロール、
現場で感動しながら見ました。
本当にありがとうございました。
アーカイブ配信は本日23時頃の予定!
(視聴チケットは7月7日18時まで購入可能)
セットリスト公開はもう少しあとにしますね。https://t.co/1iRPf8LcZV pic.twitter.com/Yp3pfAROHN
開場前に名前登録(KANIPAN666)も済ませて、
「MOTHERのことだから、きっと最後に名前が並ぶんだろうな! 楽しみ」
って感じで晩ごはんを用意しながら開演を待つ。
ちなみに、名前は重複チェックはされなかったので、エンドロール見ていたら「RYO」さんは9人くらいいたよねw
さて、実況ツイートしておいたので、自分でそれを見ながら所感をまとめていきますかね。
第1部
田中宏和さんによる、MOTHER BGMのNON-STOP REMIX DJパフォーマンス!
公式サイト上でも、演目のところに
第1部 田中宏和 『MOTHER』REMIX
と書いてあるけど、私は第3部で行われたようなアコースティックな演奏だけをイメージしていて
このREMIXっていうのが、DJパフォーマンスだとは思わなかった〜!!
昨今、公式や趣味の楽団がゲームミュージックをオーケストラ演奏するイベントは色々ある。
私も少なくとも、公式のものならモンハンの狩猟音楽祭に数回と、FFのDistant Worldに行ったことがあるし。
また、特定の1本のゲーム作品・シリーズだけでなく「色々なゲームミュージックを演奏しますよ」という
プロのイベントもあり、有志が集まって開催するものも合わせると、年間に結構な数の上演があるんじゃないかと思う。
こういう管弦楽団によるホールの演奏は壮大だし、それがぴったり合うようなゲームミュージックも沢山あるから
生で聴けるとやっぱり「おぉ!」となるし好きなんだけど、MOTHERの楽曲って
オーケストレーションをあえて想定して「いない」楽曲とか、音作りやSEの使用がされているものが多いと思っていて。
1の方はシティポップというか、AメロBメロサビがあるような構成の曲が多かったり
2は特にアンビエントとか、エレクトロニカとか、テクノっぽい音とかも沢山鳴るし。
もちろん、『エイトメロディーズ』とか『オネットのテーマ』とかをオーケストラアレンジにして演奏した
ゲームミュージックのイベントも過去にあったみたいだけど、
それはMOTHERのBGMだけに絞ったものではなかったし、『エイトメロディーズ』と『オネットのテーマ』は
比較的オーケストレーションしやすかったからその選曲、というのがあったと思うのだよね。
で、この第1部では実際のBGM音源やSEをサンプラーで鳴らしながら、ノンストップでリミックスしていくっていう
バチバチのDJパフォーマンスになっていて、
「この形式がMOTHERの楽曲にぴったり」
っていうところがすごく大事だなと思った。
別にオーケストラがダメってわけじゃないんだよ。
「ゲームミュージックのイベントをやるなら猫も杓子もオーケストラ化すればいい」
ともならないだろうということであって。
MOTHERの曲には、MOTHERの曲に適した演奏形態や表現がオーケストラ以外にもあるよね、きっと。
そして、多分この「作った本人によるバチバチのDJパフォーマンス」っていうのが一つの正解と言えるだろうし、
うわぁ〜良いなぁと思った。
VGMDJ(VideoGameMusicDJ)をやっている人に見てほしいと思っちゃったw
長年のファンとしては、MOTHER2のサントラのラストに収録されている
『ANOTHER2(PSI MIX)』っていうトラックを彷彿とさせるのもあって。
でも、『ANOTHER2』と同じではなく、それを踏襲しつつ今回のイベント用にリミックスしなおした
曲順とかクロスフェードとかバランスになっていて
「どれも聞いたことのある曲だ!」っていう懐かしさと「次は何が!?」っていう新鮮なワクワク感が同居してて
すごく良かった……。
特にMOTHER2のOPや日常風景を象徴するようなBGMをひとしきりやったあとの、
戦闘BGMゾーン突入時は
「ついに俺達のバトルBGMタイムきたーーー!!!!」
っていう感じで気持ちが盛り上がった。
MOTHERのバトルって、敵によって何種類かの曲を使い分けているから、プレイヤー目線だと
「この曲はデヘラーとかが出てくるやつ」
とか
「この曲は最後に壊れて爆発する敵が含まれてるときの思い出が色々蘇るやつ」
とかね、具体的に脳裏に浮かんでくるものが沢山あるわけですよ!(熱弁
3も「サウンドバトル」っていうリズムゲーみたいな要素を取り入れている上
やはり敵によって曲が違うものだから、バトルの曲とゲームの思い出はかなり密接でねぇ〜……。
例えばパッションさまの曲とか象徴的だもんねw
こうやって、聴いている人の中で、その人個人のプレイの思い出が蘇って来ることで、
プレイした人同士でも各々の異なった思い出が脳内で反芻されていて、
未プレイの人とは、同じ音楽を聴いた時に感じるものが全然違うっていうところが
ゲーム音楽のすごさな気がするなぁ。
映画のサントラも勿論、映画を見た人は映画の印象的なシーンが蘇るから、
見た人と見てない人では、聴いている時に脳内で起こっている「反応」自体が異なると思う。
でも、ゲームの場合は、プレイヤー間では「思い出す」という反応までは同じなのに、
映画と比べると「個人個人が思い出しているものの違い」が大きいと思うんだよね。
映画音楽では「見たもの」を思い出しているけど、ゲーム音楽の方では「自分の体験したこと」を思い出しているもん。
他の誰にも同じものを思い出すことは出来ない、その人だけのオリジナルの体験を思い出しているんだよね……。
例えばモンハンの狩猟BGMを聴いた時に
「このモンスターには何回もやられたなあ」
って思った人が沢山いたとして、でもその人達が思い出している「やられた経験」はひとつとして同じ「経験」ではないんだよね。
それに、戦闘ゾーンが一旦終わった後も、MOTHER2のホテルのBGM(白蝶貝のネックレス)で「すき…」ってなったり
「すき」な割にはタイトルが出てこなくて「真珠?貝?のネックレス?がどうのみたいなやつ」
っていうところまでしか思い浮かばなかったり
ハンバーガーショップとかで流れている曲の直前で、それとは分からない程度にディストーションか
フェイザーで歪ませた巨大なゲップーのゲップの音入ってたな!? と思ったり、
(ゲップー知らない人ならゲップだとは思わなそうな音に変換されていた)
VJの方のおかげで、画面にチラチラとクロスフェードしてくるゲーム映像や、
「わすれられたおとこ」のセリフみたいな糸井さんのテキストが
「そうそう、こういうのあった」ってなって、もう言いたいこと山積みよw
なんだかもう第1部ですでに胸がいっぱいだよ。
これがMOTHER2の30周年を記念して初めて開催されるすごさよ……。
それから、単純にパフォーマンスが見ていて面白かったなぁ。
可笑しいって意味じゃなくて興味深いって意味でさ。
田中宏和さんが、サンプラーで色々な音をリアルタイムに鳴らしては、ツマミをいじってフェードしたり歪ませたりして、
その場で混ぜながら流していくんだけど、そのミキサー台のカメラ映像が基本的にずっと流れていて
手元でこういう操作をして、今この音がこうなったんだな〜って思いながら聞くのが楽しかったー。
それに、これそのものじゃないだろうけど、基本的に2のときなんかはサンプラーを普段から持ち歩いて
社内を練り歩いては、糸井さんの「OKですか?」とか、宮本茂さんのギターの音をその場でサンプリング収録する
というのをやっていたと思うとますます面白くてw
糸井さん御本人が「OKですか?」をいつ録られたのか知らないというのは有名な逸話でw
(今回のトークでも触れていた)
第2部は、そんな糸井さん、鈴木慶一さん、田中宏和さん3人で「MOTHERのおんがくについて」というテーマでフリートーク。
後半に、3で楽曲を担当した酒井省吾さんも参加されて、3で楽曲制作したときの思い出などを語ったり。
ここはもう、このトーク部が始まっただけで涙が出てきちゃって大変大変。
これを「感無量」と呼ぶのかもしれない。
胸がいっぱいで、「この人たちがMOTHERを手掛けてくれて、そして今日こういうイベントにも出演してくれて最高……」っていう気持ちが溢れて。
突然の「宮本茂がギターです」発言とかは笑っちゃったけどねw
トークの中でもすぎやまこういち先生の名前が挙がっていたけど、ファミコンのあの頃のゲームって
まずすべてのゲームで必ずしもサントラの収録されたカセットが発売されるとも限らない時代だったよね。
もっというと、P.D(パブリックドメイン)つまり著作権切れのクラシック音楽を打ち込んだのや、
それをちょっとアレンジしたような曲が流れているゲームなんかもあったりして
それは「ゲームオリジナルの曲を作曲していない」ってことだよね。
そんな中、すぎやまこういち先生、そしてドラクエ音楽っていうのは、
サントラのカセットに「N響が演奏したゲームのオリジナル楽曲」が入っているという力の入りようだったからね。
しかもドラクエ2では、「Love Songさがして」に「歌モノアレンジバージョン」も別途存在したり。
私自身(小2)も
「ゲームのRPGというのは、中世ヨーロッパを冒険するような世界観のものなんだー
だからサウンドトラックもオーケストラなんだ」
という刷り込み(思い込み)を受けたくらいにはドラクエはすごかったんだけど、
そのあとで『MOTHER』をやったもんだから、『MOTHER』は『MOTHER』で逆の衝撃があったのよね。
要は、刷り込みを根底から覆されるわけじゃん。
現代のアメリカや洋画をイメージした世界でシティポップが流れているようなRPGなんだもの。
ドラクエは、どちらかというと親がやっているのを見ていたけど、『MOTHER』は自分が見つけて欲しがって、
初めて新品で買ってもらえたカセットで、自分でクリアまでプレイしたRPGでっていう
自分自身の経験がセットになっている部分が多いから
「自分が見つけて、選んだものが、自分にとって“出会えて良かった物”だった」
という体験と思い出がセットになっているんだよね。
周りにはひとりも『MOTHER』を遊んでいる人がいなくて、知っている人すらいなくて!w
「みんなは知らないけど、すごく面白いゲームなんだよなぁ」
っていうw
『MOTHER2』のときはさすがに知名度めちゃくちゃ上がったんだけどさw
トークでもあったけれど、ファミコンは3つまでしか同時に音を鳴らせないのに
『MOTHER』では、曲の印象がポップスなだけでなく、「技巧でディレイを表現」したりしててすごいというのもあって
まるで4つ以上の音も同時に出すことが出来るかのように錯覚しちゃうんだよね。
具体的にはスノーマンの街のBGMとか、重ねてディレイが鳴っているように聞こえるけど
同時に3音までしか鳴らせないことには変わりないので、直前で鳴らした音のちょっとボリューム下げた同じ音を
数分の1秒おいて鳴らすっていう、例えるなら「口でセルフディレイやる」みたいなことをやってて
「制限があるからこそ、工夫が光る」っていうのかなぁ。
物理的に、音を沢山鳴らす事はできないけれど、工夫をすれば音が沢山鳴っているように
感じさせることはできるんじゃないかってことで試行錯誤した跡が随所に感じられるよね。
鈴木慶一さんが
「ゲームっていうのは、プレイに3ヶ月くらいかけて向き合い続けたりもして、
それだけ長いこと、同じ曲を聞き続けるわけだから、長く聴かれることになるかもしれないんだ
ということを念頭に置きながら作った」
と、当時の思いを語ってらして、本当にそうだよなぁと思った。
でも、『MOTHER』から35年も経って、インターネット経由でライブイベントをやることになるとは
思ってなかっただろうなぁw
1作目のリアタイ勢としても、今になってこういうイベントを開催してもらえる未来が来るとは
露にも思わなかったしなあw
このトークパートは、全体的に携わった人々が「心優しい人たち」だというのが伝わってきてほっこりした。
勿論それは、ゲーム本編からも感じられるのが『MOTHER』シリーズの良いところだと思う。
そして、全体的にトークに良いゆるさがあって、「本人が忘れていることを他の数名が覚えてて指摘する」ようなところとかが
同窓会っぽさあって良かったw
ちょっと前に、スペースチャンネル5の方でも関係者による座談会生放送があって
それがまた同窓会みたいな雰囲気で良かったんだけど、なんだか私の好きなゲームに携わっている人たちは
やけにおっとりしたタイプが多い気がするw
第2部の後、第3部の演奏の準備の傍ら、トビー・フォックス氏からのメッセージ動画が再生された。
MOTHERシリーズに強い影響を受けたゲームクリエイターのうち、代表的なひとりと思う。
第3部は、鈴木慶一さんを中心としたバンドによる生演奏で、主に『MOTHER』のサントラの
歌モノアレンジの方を演奏してくれた。
これは、どちらかというと鈴木慶一さんが2021年にリリースした『MOTHER MUSIC REVISITED』というセルフカバーアルバムの
生演奏版と言った方が通じやすいかも。
元のサントラ版に収録されているキャサリンワーウィックさんによるボーカルのイメージよりも
だいぶREVISITED寄り!
ところで、トークで鈴木慶一さんがキャサリンワーウィックさんの名前をど忘れして
「ボーカルの女の子なんて名前だったかな?」
と唸っているとき、私はすぐにその名前が脳内に浮かんできた。
というのも、ファミコンカセットに説明書などと一緒にサントラカセットのフライヤーが入っていて
そこに参加アーティストや発売日などが書いてあってね。
私はもしこれを万が一店頭で見つけたら、親に買ってもらえないか交渉しようと思っていたんだけど
とにかくまず現物が見つからないのよw
地方の小さなデパートにあるレコード売り場にゃ入荷されなかったねww
だから当時、ゲームをしようと箱からカセットを出すにつけ、
「このサントラカセット、聴いてみたいなあ……」
という気持ちばかりが膨らんで、そこに書いてあるキャサリンワーウィックという文字列が
頭にこびりついて離れなくなってたんだよねw
それを今日、思い出したよ。
復刻して良かったねw
だって、ファミコンでゲームをやっている間は、あの電子音しか聞けないんだから、
「女性ボーカルを起用したサントラ盤ってどういうこと……?」
ってなるやん。小学生の頃、ずーっと気になっていたよw
『Wisdom of the World』や『Eight Melodies』は、坂本美雨さんがボーカル参加してくださったのも良かった。
『Pollyanna』も『Bein' Friends』も『Wisdom of the World』も『All That I Needed (Was You)』も『Eight Melodies』も、
私自身何度も歌ったり録音したことがあり、歌詞も頭ではなく口が覚えてしまってて勝手に出てくるレベルだから
見ていて一番強く感じたことは、
「私も歌いたい!!!!!!!」
だったw
今、声帯結節の手術後でリハビリ途中だから、まだ歌はドクターストップ中で歌えないのが辛いよ!w
でもその意味では、もう少し手前、手術から数日みたいなタイミングでこのイベントがあったらもっと辛かっただろうねw
沈黙療法中は「歌いたいという気持ちを起こさないように、音楽も聴かないように」してたからね。
鈴木慶一さんが、曲紹介の中で
「ゲーム内では使わないのだけど、どう〜〜しても作りたくなっちゃって作った曲」
と仰ったのが、フライングマンの曲で「ああああわかる」ってなったw
最初の、キャサリンワーウィックさんが参加してるサントラ盤にも、REVISITEDにもそれぞれ入っているけど、
ゲームの中ではこの『Flying Man』っていう楽曲は流れないんだよねー。
流れないってわかっていても、「フライングマン」という概念に曲をつけたくなるのはすごくわかるなあ。
それって、例えばRevo氏が『進撃の巨人』好きすぎて『進撃の軌跡』作っちゃうようなものでさw
MOTHERプレイヤーなら「フライングマン」という概念には色々言いたいことがあるよね……。
フライングマンって、マジカントっていう一種の別世界みたいなところにいる鳥人間みたいな生き物で、
主人公が話しかけると問答無用でパーティに加わる。
そしてそのあとは、フライングマン自身のHPがなくなるまで一緒に戦ってくれる存在なんだけど、
プレイヤーはフライングマンを回復できないし一度入れたらパーティから外すことができないから、
どこかでフライングマンのHPがゼロになるまで連れ歩くことを強制されて、
しかもフライングマンがひとり戦闘不能になるたびに、フライングマンの家の横に墓標が増えていくんだよね……。
こんな仕組み初めて見たから衝撃だった。
パーティに加わるキャラクターが、それこそ2の「ぬいぐるみ」と同じ役目なんだもん。
回復して育成したくても出来なくて、まるで使い捨てみたいになってすごく辛いんだよね。
ぬいぐるみは墓石立たないし、なんなら物だけどフライングマンは物じゃないし喋るし、
「私が話しかけたから死んじゃった」
って思うよ。
じゃあ、フライングマンに話しかけないことがフライングマンのためかと言うと、それもちょっと違っていて
フライングマン視点では、「命尽きるまで主人公に付き従うことが存在理由」だと考えているから、
連れていかないこともまた彼らにとって残酷な気もしてしまうっていう板挟みに遭うわけだよ。
ここで残酷なのは、自分なのか、こんな仕組みを導入したゲーム開発者なのか、とか色々考えさせられたよw
小学生の頃にこういう葛藤を知れて良かったとは思うけどね。
間違いなく人として深みが増すと思う。
フライングマンの境遇とか仕組みについて、何も感じることのない人間ではありたくないと思うしさ。
元々感受性が強い人間だったら、結構判断に苦しむと思うんだよね。
どうするのがフライングマンのためなんだろう! って真剣に悩んだりして。
だから、この概念に何かしらテーマ曲を作ってみたいって思うのは、音楽クリエイターとしては
めちゃくちゃ自然なことなんじゃないかなって、私は思うんだよね。
たとえゲーム内で使われないとしても、フライングマンに曲を捧げたい。
それはすごく自然な心の動きのような気がする。
それから、このバンド形態での演目の中に「ギーグ戦」が含まれていて、これは本当にすごいと思った。
ギーグ戦の曲って、MOTHERの数ある曲の中でも殊更にアンビエントやノイズを多用して
曲というより「音」に近い作りになっていると思うんだ。
だから、この曲はそれこそ「オーケストラで演奏します」ってなれないと思うんだよねw
どうオーケストレーションするんだよ、という曲w
でも、こういうサンプラーとかミキサーとかを織り交ぜつつ、ギター、ベース、パーカッション、
トランペットやユーフォニウムなどの金管楽器の音にその場でエフェクター咬ますような構成でこそ
「うわぁ〜〜〜ギーグ戦だーーー」
っていう音作りになるわけで、こりゃオーケストラコンサートだったら絶対聴けないやつだって思った。
こういう楽器編成且つオンラインだから「これこれ!」っていうものが聴けたのだと思うから
初めてのMOTHER音楽に関する公式的なイベントとしては、本当に価値あるものだったと心底感謝ですね!
強いて言えば、3の楽曲は少なめだったので、次の機会が訪れて、また酒井省吾さんの都合も合うようであれば
3からも象徴的な曲を色々と聴きたい所存。
だいぶバンドの編成は変わることになると思うけど、生で演ることが可能であれば
D.C.M.Cはぜひとも聴きたいよねぇ。
3はバトルBGMも面白い曲が多くて私も好きだし、Switchオンラインサービスにも追加になったことだし
フィーチャーするコーナーがあると嬉しいなと思った。
これは私がかつて録音した『Pollyanna』だけど、今日のライブを見て、
例えば『Smiles and Tears』みたいに、かねてより録り直ししたかった曲への
録り直し欲が高まってしまったw
ほぼ日MOTHERプロジェクトは、一番最初は『MOTHERのことば。』企画から始まっていて
私はその企画にも「プレイ&チェック」のスタッフとして参加させてもらった。
関連ブログ記事はこれ
大好きなもの その8 『MOTHER』
今回は音楽イベントで、こちらのエンドロールにも「お名前登録」出来て、これもまた感慨深かった。
でも、熱心に感想ツイートをしていたら実際に自分の登録した名前がエンドロールとして流れてくる瞬間を
まんまと見逃したけどね!!!!!w
なんせ、『MOTHERのことば。』のプレイ&チェックの作業を一番やっていたのは、2020年8月なのだから4年前の話である。
それから、様々なグッズ展開がされているほぼ日MOTHERプロジェクト、
私もどせいさんのグッズを色々買ったりしてきたけど、こうして音楽イベントの開催にもこぎ着けて
1作目の『MOTHER』から35年、『MOTHER2』からは30年、『MOTHER3』からは18年が経過して
初めてここまでMOTHERの音楽を束ねた音楽イベントを初めて開催してもらえるというのは
ファン冥利に尽きるというもの……。
「公式からの供給」が途絶えないっていうのはすごいことだよ!!!!ね!!?
そもそも『MOTHERのことば。』のあともプロジェクトが存続してくれていることが素晴らしいよね。
今回、音楽もトークもとても楽しめたので、またの機会も楽しみにしておこうと思う。
と、MOTHERの全サントラを順番に流しながら記事を書きましたw
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