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昨年、『RD潜脳調査室』を見たんですよ。(記事

士郎正宗×Production I.Gなので、Production I.G製テレビシリーズの『攻殻機動隊S.A.C』とかが好きな人には
こちらも見て欲しいという世界観だったんだけど、作品の雰囲気としては攻殻機動隊に比べて「ほっこり系」エピソードが多い印象。

でも、エンディングテーマがハードロックなので、ほっこり系エピソードの後にハードロックの余韻が残るのが不思議な感じにもなるw
まぁオープニングもハードロックなんだけども。

で、そのハードロックなエンディングテーマというのが今回カバーした、LAST ALLIANCEの
『片膝の汚れ』
という楽曲。(jubueatにも配信されていたので音ゲー楽曲ともいえるか)
原曲公式MVがあるので、ここでフルサイズ聴いて欲しい。
アニメエンディングテーマが流れている間、スタッフロールは表示されるけど歌詞字幕は表示されない。
マキシマムザホルモンほどではないけれど、意図したであろう大胆な母音の無声化により
英語などのラテン語圏の言語のような音に聞こえるが、日本語を唄っているようにも聞こえ、
耳で聴いているだけだと
「この歌詞、なんて唄ってるんだろう」
と段々疑問に思えてきた。

そこで、結構な話数を見た段階で、『片膝の汚れ』の歌詞を調べてみて
「こういう歌詞だったんだー」
となり、そこで試しに口ずさんでみると、
「目で追っている日本語をそのまま口に出そうとすると失敗」するw
これは面白い。
「魚???? 魚って言った????」
と思っていた部分は
「咲く花」
だった。
つまり、「sakhana」と発音しており、「く」の母音を意図的に無声化させているから
限りなく「さかな」のような音に聞こえるのだった。

他にもそういう部分が沢山あるので、日本語として聴いたり発音したりしようとすると
思っているのと違うことになるわけだ。

あと、この曲クラシックギターパートがめっちゃカッコいい。
前奏と間奏でクラシックギターが入ってくるんだけど、この曲の哀愁度を底上げしている気がする。

聴いている分には
「カッコいいな」
で終わるけど、いざ自分でカバーするとなると、
「カッコよくする……には、どうしよう…」
となるw
最近、私が個人的にカッコ良いと思っている曲を、自分なりにカッコよくカバーすることは何度かあったけど、
この曲のカッコ良さのベクトルはそれらとはまた違う。
私が最近やったカッコ良い曲は、特撮挿入歌だからね……。
特撮挿入歌は「ヒーロー的なカッコ良さ」であり、『片膝の汚れ』は「泥臭いカッコ良さ」じゃん??(じゃんと言われても)
泥臭いカッコ良さって女性(女声)が出すのはすごく難しい。男ならでは! って感じがする。

なので、いざ録り始めてみるまでは、そもそも自分が歌ったらどうなるのかというビジョンが全く見えておらず、
テスト収録してみて「なるほど、こういう感じになるのか」という雰囲気を掴んで、
そこから「最終的な仕上げ目標」を作っていった。
歌う前から「こうしたいし、こうなるであろう」というビジョンが見えているケースとは
アプローチが異ならざるを得なかった。
この原曲がツインボーカルなのもビジョンが浮かびにくくなる理由だったかもしれない。
一人で歌うに際して、原曲準拠でツインボーカルっぽくするために「一人二役」をするか、
ソロで通しで唄っているように統一感を持たせるかという判断によっても分岐することになるし。
結果として、後者に近い表現にしたけど。

普段なら、ハモりは2トラック作って、左右それぞれにある程度寄せて、両サイドから主旋律を挟み込むようなミックスにしてるんだけど
(この手法、小室哲哉風のミックス法かもしれない)
今回は、前提がツインボーカルなので、主旋律用のセンタートラックを2本作って
そこでハモらせたのは、普段のハモりの混ぜ方に比べたら「一人二役」に近いとは思う。

途中「これ、完成のビジョンが見えてこないな、やめるか!? 挫折するか!!」って思いかけたけど、
最後まで録り終わってよかったw
こうして、挫折しかけながらも完成させるたびに、抽斗はひとつ増えていくような気がするので。


『RD 潜脳調査室』は“士郎正宗節”らしい興味深いSF作品。

生命の源たる海と、人の意識は元々繋がっていて、電脳化することで可能になることと電脳化するとできなくなることがあり
それは人の意識の仕組み・海と深く関係していて……というテーマが面白い。
1〜2話を見るだけでその魅力が伝わると思うので、そこだけでも触れてみてほしい。(アマプラ