今後、また宅録・ミックスで歌ってみた音源を作るとして、新環境での歌枠も試してみよう
と思って、歌枠を取りました。
そしたら、個人的にものすごくびっくりすることがあって、それがあまりにも
「私だけがその事実にびっくりしていて、興奮が伝わらない」状況だったので、
ここに「なんでそれがびっくり案件で、そんなに興奮することだったのか」を
順を追って書いておこうと思いましたw




(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)



引っ越して、部屋そのものが変わったし、収録ブースで配信をするようになったのだけど、
まだ歌を録ったことがないので、このブース内で歌ったときの「自分の歌い心地」はどんなもんかねと思って
突発で歌枠をとってみた。

そこからは、ほとんどいつもの感じ。
要はそのときの私の喉のコンディションと気分次第で選曲してひたすら歌っていったのだけど、
序盤はずっと特撮ソングを歌っていて、恒例のアクゼロも歌った。
そこで
「今までの人生でAction-ZEROを歌った回数は1000を超えている気がするなぁ
下手すると生放送で歌った回数だけでも、もう1000回を突破したかもしれないくらい歌ったような気がするなぁ」

という話をしていた。
「まず間違いなく本家(中村優一さん&大塚芳忠さん)よりも多くの回数歌っているのではないか」
と視聴者からも指摘されるほどだ。どんだけ歌うんだ。
何回歌っても名曲は名曲だ、飽きないからすごい。スルメを超えたなにかだ。さすがのスルメもこんなに噛んだら味なくなる。


そのあと、話の流れ的に『ELECTRICAL COMMUNICATION』を歌って、
「この歌キツくね?」
って言われて
「KOTOKOさんの『覚えてていいよ』と同じくらいキツいよ。『覚えてていいよ』覚えてる?」
って言ったら
「覚えててないよ」
と言われたので実演した。
そういう風に、そのときの話の流れで曲を決めていくんだけど、そのあとは

コメ「覚えてていいよってエロゲ曲?」
 ↓
私「『魔法少女隊アルス』っていうアニメの曲だからエロゲ曲ではないよ」
 ↓
エロゲ曲といえば…… 『Face of Fact』と『Never Slash!』を歌う
 ↓
私「『Never Slash!』の曲終わり方潔くてカッコよくね?」
 ↓
コメ「メダロットもこんな終わり方だった気がする」
 ↓
『知恵と勇気だメダロット』を歌う
 ↓
同じフォルダ内のメダロットの隣に『鳥の歌』(ダンクーガ・ノヴァの曲)があったので歌う
 ↓
反対側の隣はなんだろう? と見たら『断罪の花』だった

capture-20230303-211839


生放送でほとんど歌ったことないと思うけど、『断罪の花』ってかっこいいよね。
2007年に一回録ったんだけど、こういう曲調の歌を歌う上で
「こう歌い上げたい」
っていうイメージが自分の中にはあるのに、2007年の私には自分の口で実現できなかったから
録り直したい曲のひとつではあるんだよね〜。

……って思って、ちょっと『断罪の花』の話をしていたの。
曲の雰囲気にHR/HMみたいな空気が若干あるのと、タイトルの「〇〇の〇」っていう構成が
『曇天に笑う』の『毘藍ノ風』『流転ノ陽』みたいだなと思ったから、
まさかSYUさん(GALNERYUS)と関係ある曲だったりするのかな? と思って
『断罪の花』についてググった。
ここまでの時点では、私が持っている『断罪の花』に関する知識は、
・アニメ『クレイモア』のテーマ曲(EDだっけ?程度)
・『クレイモア』は『エンジェル伝説』著者の漫画作品
・歌手はコナミのBeForUのボーカル「小坂りゆ」さん
だけだった。

『断罪の花』のWikiで、作曲:LOVE+HATEを発見。
「あ、特にSYUさんとは関係なかったわ、でもLOVE+HATEという名前はどこかで何回か見た覚えがある作曲者だわ」と
そのままLOVE+HATEのリンクを辿ると……
capture-20230304-030421

え、なんかいきなりアクゼロの話出てきた……。
そっか、私がどこかで見た「LOVE+HATE」って、アクゼロの作曲者として、か。
え、『断罪の花」作った人、アクゼロ作った人なの……?
LOVE+HATEのWikiにあるディスコグラフィー……。
capture-20230304-030743

あれ?

『断罪の花』って2007年の曲だし、
実質電王関連曲なのでは?????(錯乱)


そして、もう一度上に戻って、
>コナミ所属当時BEMANIシリーズの楽曲を手がけていた、元カプコン社員・前田尚紀である。
のところから前田尚紀 (ミュージシャン)のWikiへ飛ぶ。

おや? この前田尚紀はつまり『PARANOiA』で『B4U』のNAOKIだぞ……?


ここで1999年以降の私の人生の記憶に点在している多くの「点」がすべて「前田尚紀」という線になっていく。
それはまるで走馬灯を見ているような経験だったのだけど、放送を見ている人にはその
私が見ている走馬灯は見えていないので、ちょっと意味がわからなかったと思う。
そこですべて時系列で記載する。


1999〜2001年の私
 大学の合唱サークルの仲間と練習・食事会のあとに3次会としてよくゲーセンに行っていた。
 そのときの2個上の先輩が、「画面に背を向けたまま『PARANOiA』をフルコンする」ような人だったので、
 何度もゲーセンで『PARANOiA』を聴いてた。
 『PARANOiA』:名義は「180」とかBPMの数値になってるけど中身は前田尚紀


2004〜2005年の私
 大学の音ゲー好きの同期が、オススメのサイトとしてエス佐藤さんの「くちミュー」を教えてくれた。
 そこで、「ゲーセンで先輩がDDRやってるのをよく見てた」くらいしか音ゲーの知識がない私が気に入ったのは『B4U』。
 (というか最初に聴かされた、くちミューとの出会いの曲でもある)
 『B4U』:名義はNAOKIで中身は前田尚紀。


2006年の私
 ギタドラをちょっとだけ遊び始める。
 当時の筐体のバージョンは10th〜Vあたり。
 コピーバンドを始めて、その片方ではBeForUをコピーすることになった。
 BeForUの『チカラ』『ヒマワリ』『☆shining☆』が好きで、自分で曲出ししてスタジオでコピーした。
 カラオケでも歌ってた。というかむしろカラオケに配信されるように定期的にDAMにリクエスト出したw
 『チカラ』『ヒマワリ』『☆shining☆』:すべて「作曲・編曲:NAOKI MAEDA」で中身は前田尚紀



 ちなみにギタドラだとVに収録されたBeForUの『シナリオ』も作曲・編曲:NAOKI MAEDA


 
2007年の私
 上のバンドがなかなか集まれなくなったので、そのときのベースに誘われて別のアニソンコピバンに入った。
 そこで「今月新レパートリーに入れたい曲選挙」の候補に『断罪の花』が上がってきて、
 バンド内選挙の結果、結局『断罪の花』をコピーすることはなかったのだが、私は好きだったので
 「バンドでコピーしなくても、自分で歌うことはできる」
 ってことで「歌ってみた」動画をアップした。
 『断罪の花』:作曲者名義はLOVE+HATEで中身は前田尚紀


 また、この年は仮面ライダー電王の放映期にもあたり、朧月がいさじと『Double Action』をコラボする。
 私も気に入ったので、『Double Action』いさぱん。バージョンを作る。
 『Double Action』:作曲者名義はLOVE+HATEで中身は前田尚紀



2008年の私
 エネコンMAD歌ってみた にハマって、「エネコンでB4U」をカバー。

 また、2007年にアップした『Double Action』いさぱん。バージョンの動画コメントに
 『Action-ZERO』もカバーしてほしいな
 と書き込まれたので、『Action-ZERO』を聴いてみたらカッコよくて気に入ったので、
 福岡ニコニコキャラバンの打ち上げでいさじとデュエットした動画をアップした。


 『Action-ZERO』:作曲者名義はLOVE+HATEで中身は前田尚紀


 ニコニコキャラバンの打ち上げでAction-ZEROを歌った動画で「単品化してほしい」のコメントがつく。
 「たしかにね、いつかは宅録したいね」と思いながら、2020年の5月についに宅録のソロ版をアップするまでの
 12年間、ニコ生でアクゼロを歌い続ける。


そして、2023年の2月になって、上記楽曲すべてが同一人物によって作曲されていたことを知り、
錯乱と感動を憶える……。


もっというと、2020年9月に電王をほとんど一息に履修し終えた際は、
『Climax Jump DEN-LINER Form』のMVを見て泣いたし、まさか仮面ライダーシリーズの怪人たちが
歌って踊っているのを見て胸が熱くなるあまり泣いてしまう日が来ると思わなかったし、
『Climax Jump DEN-LINER Form』の編曲とギター担当はLOVE+HATEで中身は前田尚紀。



例えばだけど、私の世代っていうのは
「中高生の時期に小室哲哉楽曲が邦楽シーンを席巻し、シングルCDはミリオンヒット連発」
という時代を生きてきて、「TKサウンド」に育てられたという部分があると思う。
しかも、自分でそれをわかっていた。
「今度の小室哲哉の曲も気に入った〜」という具合に。

でも、1999年からの私は大学生〜社会人なわけで、この期間私は、
ずっと「前田尚紀サウンド」に触れ続けていたのに、それを認識していなかったということが恐ろしいと思った。
前田尚紀がどんなに別名義を使っても私は前田尚紀の曲に出会って好きになってしまうということなのだろう。
それは、偶然の積み重ねが必然となる瞬間で、人はそういうものを「運命」と呼ぶのではないだろうか。

どんな人が作っているのか、調べることがない人生ではない。
例えば、「脚本家なら小林靖子さんが好きだし安心して見られる」という実例があるように、
携わった人を調べた上で
「どうもこの人のセンスは自分に合うようだから名前を覚えておくようにしよう」
と意識に刻み込んだ相手がそれなりにいるわけだ。
でもこれだけ何度も作品と出会っておきながら、認識されなかった前田尚紀is何? 逆に……何?

「好きだけど、誰が作っているかは問題ではない」というか、それが「どんな人間であれ作品が好きであることは同じ」なので
NAOKIだのLOVE+HATEだのが、「どこの誰なのか」ということは結構どうでもよかったのかも。
前田尚紀と知っても知らなくても好きになったわけだからね。

殊、音楽においてはそういうことも多いかもしれない。
というのは、脚本家・小説家・漫画家みたいにストーリーを作るコンテンツクリエイターの場合は、
その人のバックグラウンドや、「どのように人間を観察した上で物語がアウトプットされてくるのか」
ということにも興味が湧くから、「どういう人が作ってるのか」が気にはなる。
一方、音楽の場合は、「どういう人生を生きたら、どういう音楽を聴いたら、どこで何を学んだらこの音楽が生まれてくるのか?」
ということにそこまで興味が湧かないたちなのかも。私が。
「◯◯って人が作ってるんだ」ってことがふんわりわかっていれば良くて、次にその人の名前を見つけたときに
「同じ人だけあって、これも好きだな」ってなることも多いし、ある意味それで話は完結する。
わざわざ「〇〇っていう別の作曲者の別名義なのでは?」みたいな掘り方はしないからなあ。


というわけで、今回それを「掘ってしまうことになる発端となった」Wikiに掲載の
「アクゼロとよく似ていると評判」の『Poseidon』がこちら。

ちなみに作曲名義はNAOKI underground。
アクゼロのBメロをすっ飛ばしてサビへ飛ぶようにすれば、このオケにそのままアクゼロを乗せて歌えるから
確かに「よく似ている」。
つーか、これ作ったのが仮に他人だったら盗作で訴えられるくらい似てると言っても良いかも。


何が言いたいかというと、前田尚紀という人は、人物単体が「沼」なんだな……ということ。

好きな作曲家として、今まで植松伸夫、酒井ミキオ、上松範康、Revo……(敬称略)
が頭に刻まれているけど、今回前田尚紀(敬称略)がそこに加わったのであった。
前田尚紀は概念……。