プレイ日記ですー。
ガラージュ/Steam
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ガラージュ/Steam
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(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)
電ファミの記事を見かけて、「一体どれだけ変なのか?」と思って買っておいた、積みゲーを崩した。
復活を遂げた幻のアドベンチャーゲーム『ガラージュ』完全版がついにSteamでも発売。あまりにもゆがんだ世界や哲学的なシナリオが独特の雰囲気を作り出す“奇ゲー”/電ファミニコゲーマー
「3大奇ゲーの一角」とか言われているそうなので。
じゃあ、「3大奇書の一角『ドグラ・マグラ』を普通に読破できてしまった私はプレイしなければ」とw
1周目だからと言って焦らず、じっくりプレイしたので最初のクリアに55時間かかったけれど、
開始直後の印象こそ「他のゲームにない雰囲気を持ってるな」だったものの、最終的に
「奇妙なゲームってほどではなくない?」
という結論に至りました。
ドグラ・マグラもそうなんだけど、こういう「変!」っていう評価は
挫折した人、肌に合わなかった人が言ってるのかなぁ??
「ゲームとして」、すごく正統派なアドベンチャーゲームシステムだし、わかりやすくて本当に行き詰まるところってないし
(詰まったかもと思う時は大体自分が何か探索漏れか会話漏れをやらかしているだけ)
確かに見た目から来るインパクトとか世界観は「他にはない独特さ」があるけど、それってむしろただただすごい特色だと思うし、
ゲームという媒体が元来持つ「他の世界へ行った気分になる」強みとがっちりハマってる名作
という印象だった。
特にフレーバーテキストというか、ゲーム内に出てくるメモ・手記・日記に書かれている文章は
すごく「電波」を感じるものもあるけど、考察しがいのある物も沢山含まれていて
「どういう意味なんだろう、何の隠喩なんだろう」
と想像しながら遊ぶのがすごく楽しい。
その分ローカライズには苦戦してるみたいだけど、英語圏のレビュワーの方が日本人より長い時間遊んでいて
刺さる人に刺さってるなぁと。
考察好きで、ちょっとダークな雰囲気や不気味な雰囲気でも楽しめる人には刺さるゲームだと思う。
私は、ひとまず1周クリアまでやってみて、2022年の自分内「遊んでよかったゲーム」の上位に入るなあと思った。
Steamにレビューも置いてきたんだけど、このゲームを楽しめる人は、ホラー耐性がある人ではなくて、
「釣り適性」がある人なので、Steamではプレイ開始から2時間以内に釣りを触って
「自分はこれを10時間単位でやることになっても苦痛でないか」を見極めたほうが良いと思う。
プレイ時間2時間未満なら返品が出来るし。
でも、私はこのゲームは、「釣り適性さえあれば、最後まで遊んで欲しい。オススメ」と思っている。
先日、釣り作業をするニコ生をやった。
この時点までで40時間くらいプレイしてたけど、そのうち半分くらい釣りをしていたと思う。
いわゆるRPGにある「フィールドで雑魚狩りして経験値とお金を回収する」に相当する部分が釣りなので、
これに適性がない人はキツイ時があるんじゃないかと思う。
というわけで、Steamに書いたレビューをそのままここにも掲載しておく。
ゲームは
「ある人物が精神治療装置ガラージュに腰掛けたことで、自分自身の深層心理・精神を投影した世界に入っていく」
ところから始まる。
プレイヤーはその「ガラージュ内の世界」でプレイヤーキャラクターを操作して探索や情報収集を進めていくことになるが、
そもそもスタート時点で、
「“外の”主人公はなぜ精神治療装置にかけられる必要があったか」
などの謎があるというわけだ。
それを、ガラージュ世界の中で読み解いたり、考察していく要素もあるので、
「この世界からの脱出」は、「精神に抱えている問題の解決や、問題からの解放」を意味する終わり方もあるだろうし
「この世界で異質とされているもの」は、「外の世界の話」であったり、「外の主人公が抱えている違和感」であったりもするだろう。
全ては隠喩であるという前提に立ってこのゲームをプレイすると、解釈や考察の幅がだいぶ広いので
「意味深な表現から、自分なりの解釈を広げていく」
っていう行為自体が好きな人には、すごくオススメだと思った。
アニメとかゲーム、小説で、ミステリーや観想的な表現を好む人向け。
(『ドグラ・マグラ』も最後まで読めばちゃんと意味がわかるミステリー小説だよw
やたら「チャカポコ」ゾーンが長いってだけで、話はそんなに意味不明じゃないよw)
好例としてエヴァンゲリオンがある。
エヴァを見て「エリクソンの発達段階やマズローの欲求段階の話?」って思う人には、
エヴァは考察対象として面白い。
でも、そういうことに思い当たらない人、考察が特に好きでもない人にも、
「今・此処ではないどこかの話」という視点からエヴァンゲリオンを楽しむことができる。
ガラージュもそういうものだと思う。
ガラージュ界で「木馬」と呼ばれている順応度回復装置。
でもガラージュ界の住民は「木馬」(とか馬)を知らない。
例えばだけど、どういうところにその「考察の余地」があるかというと、一番身近なところは
「ご近所さんNPC」だよね。
全部じゃないんだけど、一部のご近所さんは「外の世界(主人公にとっての現実)」にも存在する
実在の知人が姿や名前を変えて出てきていると考えられるから、
主人公の精神というフィルターを通してガラージュ界に出力された「現実の知人」が
含まれているという前提で会話を読み解いていくのも面白い。
もちろんそうでない、「NPCとして作られたNPC」と思われるキャラもいて、
それすらも「ガラージュというシステムから役割を与えられている演者」なので、
主人公の心によって演じさせられているのか、ガラージュシステムによって演じさせられているか
の違いしかない。
でもその違いがとても大きなものに感じられるときもある。
それに、ガラージュ界の生体機械に雄と雌の区別があり、それぞれに完全に切り分けられた役割(ジェンダー)があったり
釣りで出てくる一部のカエルが男性器(睾丸等)を彷彿とさせるデザインになっているのもわざとで、
「外の主人公」のエディプスコンプレックスないしはアンチ・オイディプスなどを前提として踏まえていると
「そのように表現されていることは“必要”である」と考えられる。
「ガタリ」というキャラクターがいるが、フェリックス・ガタリが由来だろうな、とか。
そうすると、こういう表現の視覚的インパクトが大きいことで単に「変・奇妙」なゲームで片付けるのはすごくもったいなくて、
もっとその隠喩を精神医学とか精神分析、心理学、哲学などの観点から読み解く面白さがわかる人に届いて欲しいゲームだ
と強く思うのである。
もちろん、考察を抜きにして、「この世界に没入する」というだけの楽しみもあるので
「難しいことを考えなきゃいけない」ということもない。
そもそもこれは思考実験のための文芸書ではなくゲームなので、
課題が提示される→ヒントを探す→課題をクリアする
というゲームのゲームたる部分を遊ぶことそれ自体が面白いというのも評価が高い。
(文芸としてのレベルも高いからすごいけど)
リトルナイトメアが
「一切の文字情報を排除して暗い雰囲気のアクション・アドベンチャーでキリスト教的世界観をモチーフにひとつの世界を作り上げた作品」
とするならば、ガラージュは
「大量の文字情報と暗い雰囲気の探索アドベンチャーでエディプスコンプレックスとアンチ・オイディプスをモチーフに
ひとつの世界を作り上げた作品」
と解釈することも可能なのだ。
以下は、ネタバレを含む自分がクリアしたルートの感想と、現時点での考察などを書くので折りたたみで。
クリックで表示。
2周目を遊ぶ時、生放送でやってみたいな。
Youtubeでの配信に「R18」設定を施す必要があるがw
👏拍手ありがとうございます!👏
電ファミの記事を見かけて、「一体どれだけ変なのか?」と思って買っておいた、積みゲーを崩した。
復活を遂げた幻のアドベンチャーゲーム『ガラージュ』完全版がついにSteamでも発売。あまりにもゆがんだ世界や哲学的なシナリオが独特の雰囲気を作り出す“奇ゲー”/電ファミニコゲーマー
「3大奇ゲーの一角」とか言われているそうなので。
じゃあ、「3大奇書の一角『ドグラ・マグラ』を普通に読破できてしまった私はプレイしなければ」とw
3大奇書の一つとされる「ドグラ・マグラ」も、
— (V)・∀・(V)かにぱん。🦀🍞@つくば (@kanipan666) October 18, 2022
「事前に想像したよりは読みやすかったし、普通に読み切ってしまったな……おや……?」
って感じだったから、多分ガラージュも普通にクリアするんだろうな、私
腕が疲れてなければ
1周目だからと言って焦らず、じっくりプレイしたので最初のクリアに55時間かかったけれど、
開始直後の印象こそ「他のゲームにない雰囲気を持ってるな」だったものの、最終的に
「奇妙なゲームってほどではなくない?」
という結論に至りました。
ドグラ・マグラもそうなんだけど、こういう「変!」っていう評価は
挫折した人、肌に合わなかった人が言ってるのかなぁ??
「ゲームとして」、すごく正統派なアドベンチャーゲームシステムだし、わかりやすくて本当に行き詰まるところってないし
(詰まったかもと思う時は大体自分が何か探索漏れか会話漏れをやらかしているだけ)
確かに見た目から来るインパクトとか世界観は「他にはない独特さ」があるけど、それってむしろただただすごい特色だと思うし、
ゲームという媒体が元来持つ「他の世界へ行った気分になる」強みとがっちりハマってる名作
という印象だった。
特にフレーバーテキストというか、ゲーム内に出てくるメモ・手記・日記に書かれている文章は
すごく「電波」を感じるものもあるけど、考察しがいのある物も沢山含まれていて
「どういう意味なんだろう、何の隠喩なんだろう」
と想像しながら遊ぶのがすごく楽しい。
その分ローカライズには苦戦してるみたいだけど、英語圏のレビュワーの方が日本人より長い時間遊んでいて
刺さる人に刺さってるなぁと。
考察好きで、ちょっとダークな雰囲気や不気味な雰囲気でも楽しめる人には刺さるゲームだと思う。
私は、ひとまず1周クリアまでやってみて、2022年の自分内「遊んでよかったゲーム」の上位に入るなあと思った。
私がよく
— (V)・∀・(V)かにぱん。🦀🍞@つくば (@kanipan666) October 21, 2022
「かにさんって変なゲーム好きだよね」
って言われるのは、多分「世界観が色あせない独特さを持ってるゲーム」が好きだからで、そういうゲームはそれが理由で「変なゲーム扱い」を受けるから…ということだろうな
時間をかけて「ありきたり」になったようなゲームなら「変」とは称されない
Steamにレビューも置いてきたんだけど、このゲームを楽しめる人は、ホラー耐性がある人ではなくて、
「釣り適性」がある人なので、Steamではプレイ開始から2時間以内に釣りを触って
「自分はこれを10時間単位でやることになっても苦痛でないか」を見極めたほうが良いと思う。
プレイ時間2時間未満なら返品が出来るし。
でも、私はこのゲームは、「釣り適性さえあれば、最後まで遊んで欲しい。オススメ」と思っている。
先日、釣り作業をするニコ生をやった。
この時点までで40時間くらいプレイしてたけど、そのうち半分くらい釣りをしていたと思う。
いわゆるRPGにある「フィールドで雑魚狩りして経験値とお金を回収する」に相当する部分が釣りなので、
これに適性がない人はキツイ時があるんじゃないかと思う。
よっしゃあああああああ
— (V)・∀・(V)かにぱん。🦀🍞@つくば (@kanipan666) October 23, 2022
1周目にしちゃ釣りやりこんだぞ!!!#Garage #ガラージュ pic.twitter.com/1zphHnWY8l
というわけで、Steamに書いたレビューをそのままここにも掲載しておく。
攻略情報等検索せず、完全手探りで55時間かけて1周クリアしたのでレビューします。
「条件付きで」オススメなので、「どういう人に適性があるか」を書いていこうと思います。
このゲームは「3大奇ゲーの一角」とか「歪みゲー」という風に称されていて、視覚的にホラー・不気味・おどろおどろしい・グロ……のような印象を受ける表現は確かに多いです。
けれども、ゲームとして、そういった不気味な世界観への適性が高い人にオススメかというと、そうではないと私は思います。
ガラージュを楽しんで遊べる人に必要なのは、ホラー耐性よりも、このゲームの「釣り」システムをも楽しめる性質を持っていることです。
つまり「釣り適性」がなかったら、それだけでクリアまでの一定の時間が苦痛に満ちたものになりかねないので、プレイ開始から2時間以内に実際に釣りを触って「これを断続的に計10時間くらいやるのは辛い」と思うようなら、無理にプレイ継続を薦めません。
私も、実際にプレイ開始するまでは、ゲームに関して持っている事前情報は少なかったので、「探索・情報収集・アイテム入手・フラグ成立」が主なプレイ内容になると想像していましたし、その要素は間違いなくちゃんとありますし、難しすぎず、考察のしがいもあって面白いです。
でも想像していた以上に釣りの比重が大きかったのです。
釣りは、自キャラの強化や回復、アイテム購入などのために必要なゲーム内通貨を得る手段でもあり、時には特定の蛙の納品クエストみたいなものが発生して、それを釣ってくるか購入するかしないといけない場合があります。
その際に、結構まとまった時間、釣りで拘束されることになりますから、この釣りシステムを「やっていて楽しい」ないしは「まぁ耐えられる」と思えるかどうかは重要です。
基本的には、「釣り蛙ロンダリング」をして換金していく感じですので、蛙(小)を餌に蛙(中)を釣り、蛙(中)を餌に蛙(大)を釣り、蛙(大)をエサに蛙(特大)を……というのを繰り返します。
釣りゲームとしての難易度も徐々に上がっていきます。
では、釣りについて私の所感を書いておきます。
(当たり前ですが個人の感想であって客観的事実ではありません)
<釣りの良いところ・面白いところ>
・獲物との綱引き・駆け引きが、ちゃんと「釣りっぽい」システムに感じられる(他の、サンドボックス系ゲーム等の釣りに比べると眠くない)
・獲物によってスタミナや引き方のクセがあり、理解が深まってくると釣り上げる前に何がかかっているか大体わかるようになるのが楽しい
・亜種・希少種みたいなレア蛙が釣れると嬉しい、気持ちが盛り上がる
・針・釣り餌・撒き餌の組み合わせ次第で色々な蛙が釣れ、コレクタブル要素になっている(ゲーム内実績もあるのでそれを目標にプレイすることもできる)
・釣り堀ごとにも釣れる蛙の傾向があるので探索の合間に色々試す楽しみがある
<釣りの良くないところ>
・定点でやるので音や映像が代わり映えしない作業になる
(→釣りシステムそのものに慣れたら、アニメを見たりしながらこなせる)
・パッド対応していないのでマウス操作で釣るが、長時間のドラッグ操作により手が攣ってくる(攣りゲー)
・コレクタブル要素でありながらゲーム内に図鑑がないので、釣ったカエルはメモるか、最低1匹手元に残しておくようにしないと、何が「済」かわからなくなることも
・低確率で釣れる蛙の餌となる蟹も入手確率がかなり低かったりするので、コンプには本当に時間がかかる
ゲーム開始から早い段階で釣りを出来るようになるので、2時間経過する前にその作業に適性があるか自身で見極めて頂ければと思います。
次にこのゲームの魅力について書いていきます。
このゲームは大変「文学的」です。
キャラクターのセリフや、メモ・手記日記等に書かれていることにはメタファー(隠喩)が多分に含まれています。
精神治療装置を通して、被施術者が自身の精神世界に入るというような設定でもあるので、文言だけでなくこの世界そのものが隠喩であるとも言えます。
ですので、遠回しな書き言葉などから、実際には何のことを言っているのかを考察するのが好きな人にはすごくオススメです。
「これは現実世界のなんのことを指しているのだろう」とか、「現実世界の主人公の身には何が起こっていたのだろう」とかを想像したりこじつけたりしながら遊ぶのが楽しいゲームです。
もちろん考察しなくとも意味深な世界として雰囲気を楽しむだけでも十分に得るものがあります。
更にマルチエンディングなので、周回プレイすることで、一層この世界への理解が深まる作りになっていると思います。
また、ゲームというコンテンツには「ここではないどこか別の世界へ行ったような体験ができる」という性質がありますが、このゲームの「独特さ」はかなりのものなので、「別の世界、別のルールの下で暮らす没入感」はとても強く感じられて、のめり込んでプレイしてしまいました。
初めは、異形のご近所さん達にちょっと腰が引けてしまいましたが、何度も話して交流していくにつれて、顔や名前をちゃんと覚えて来て、「向かいに住んでる◯◯さんにはお世話になってるなぁ」とか「この人とちょっと仲良くなれた気がして嬉しいなぁ」と思うようになりました。
住民ひとりひとりをちゃんと一個人として認識・記憶できるようになると、不思議とこの不気味な世界にも愛着が湧きました。
序盤は、「見えている景色」と「マップでの自分の位置」がなかなか脳内で結びつかず土地勘を身につけるのに苦労するかもしれませんが、慣れでなんとかなると思いますし、それも含めて独特の世界を感じます。
私は、急がずじっくりプレイして55時間でしたが、必要最低限の釣りのみに留めてクリアだけを目指すならば、もっと早く1周が終わるはずです。
繰り返しプレイして、もっと理解を深めたい、考察したいと思うゲームでした。
2022年10月現在、Steam実績が実装されていないので、実績はゲーム内にある「成果」を埋めていくことになるのですが、個人的にはSteam実績へ紐づけされれば良いなと思っています。
ゲームは
「ある人物が精神治療装置ガラージュに腰掛けたことで、自分自身の深層心理・精神を投影した世界に入っていく」
ところから始まる。
プレイヤーはその「ガラージュ内の世界」でプレイヤーキャラクターを操作して探索や情報収集を進めていくことになるが、
そもそもスタート時点で、
「“外の”主人公はなぜ精神治療装置にかけられる必要があったか」
などの謎があるというわけだ。
それを、ガラージュ世界の中で読み解いたり、考察していく要素もあるので、
「この世界からの脱出」は、「精神に抱えている問題の解決や、問題からの解放」を意味する終わり方もあるだろうし
「この世界で異質とされているもの」は、「外の世界の話」であったり、「外の主人公が抱えている違和感」であったりもするだろう。
全ては隠喩であるという前提に立ってこのゲームをプレイすると、解釈や考察の幅がだいぶ広いので
「意味深な表現から、自分なりの解釈を広げていく」
っていう行為自体が好きな人には、すごくオススメだと思った。
アニメとかゲーム、小説で、ミステリーや観想的な表現を好む人向け。
(『ドグラ・マグラ』も最後まで読めばちゃんと意味がわかるミステリー小説だよw
やたら「チャカポコ」ゾーンが長いってだけで、話はそんなに意味不明じゃないよw)
好例としてエヴァンゲリオンがある。
エヴァを見て「エリクソンの発達段階やマズローの欲求段階の話?」って思う人には、
エヴァは考察対象として面白い。
でも、そういうことに思い当たらない人、考察が特に好きでもない人にも、
「今・此処ではないどこかの話」という視点からエヴァンゲリオンを楽しむことができる。
ガラージュもそういうものだと思う。
ガラージュ界で「木馬」と呼ばれている順応度回復装置。
でもガラージュ界の住民は「木馬」(とか馬)を知らない。
SAN値下がってきたから木馬乗って回復するー!
— (V)・∀・(V)かにぱん。🦀🍞@つくば (@kanipan666) October 21, 2022
木馬たーのしーSAN値回復するーー#Garage pic.twitter.com/1AFHcxgqGH
例えばだけど、どういうところにその「考察の余地」があるかというと、一番身近なところは
「ご近所さんNPC」だよね。
全部じゃないんだけど、一部のご近所さんは「外の世界(主人公にとっての現実)」にも存在する
実在の知人が姿や名前を変えて出てきていると考えられるから、
主人公の精神というフィルターを通してガラージュ界に出力された「現実の知人」が
含まれているという前提で会話を読み解いていくのも面白い。
もちろんそうでない、「NPCとして作られたNPC」と思われるキャラもいて、
それすらも「ガラージュというシステムから役割を与えられている演者」なので、
主人公の心によって演じさせられているのか、ガラージュシステムによって演じさせられているか
の違いしかない。
でもその違いがとても大きなものに感じられるときもある。
それに、ガラージュ界の生体機械に雄と雌の区別があり、それぞれに完全に切り分けられた役割(ジェンダー)があったり
釣りで出てくる一部のカエルが男性器(睾丸等)を彷彿とさせるデザインになっているのもわざとで、
「外の主人公」のエディプスコンプレックスないしはアンチ・オイディプスなどを前提として踏まえていると
「そのように表現されていることは“必要”である」と考えられる。
「ガタリ」というキャラクターがいるが、フェリックス・ガタリが由来だろうな、とか。
そうすると、こういう表現の視覚的インパクトが大きいことで単に「変・奇妙」なゲームで片付けるのはすごくもったいなくて、
もっとその隠喩を精神医学とか精神分析、心理学、哲学などの観点から読み解く面白さがわかる人に届いて欲しいゲームだ
と強く思うのである。
もちろん、考察を抜きにして、「この世界に没入する」というだけの楽しみもあるので
「難しいことを考えなきゃいけない」ということもない。
そもそもこれは思考実験のための文芸書ではなくゲームなので、
課題が提示される→ヒントを探す→課題をクリアする
というゲームのゲームたる部分を遊ぶことそれ自体が面白いというのも評価が高い。
(文芸としてのレベルも高いからすごいけど)
リトルナイトメアが
「一切の文字情報を排除して暗い雰囲気のアクション・アドベンチャーでキリスト教的世界観をモチーフにひとつの世界を作り上げた作品」
とするならば、ガラージュは
「大量の文字情報と暗い雰囲気の探索アドベンチャーでエディプスコンプレックスとアンチ・オイディプスをモチーフに
ひとつの世界を作り上げた作品」
と解釈することも可能なのだ。
以下は、ネタバレを含む自分がクリアしたルートの感想と、現時点での考察などを書くので折りたたみで。
クリックで表示。
2周目を遊ぶ時、生放送でやってみたいな。
Youtubeでの配信に「R18」設定を施す必要があるがw
👏拍手ありがとうございます!👏
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