鬼滅の遊郭編、ちゃんと最終話まで見終わったので、
「私が遊郭編で感じたこと」
を、歌に落とし込もうと思いました。
インプットしたら、次はアウトプットですよ。(義務)



(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)


私はこの曲は“派手な和ロック”として、演歌とか侘び寂びとかを詰め込みたいと思いました。
人間が歌うからこその繊細なゆらぎが、それらを演出してくれると思っています。
例えば、「選ばれなければ」には2回「ば」が出てきますが、1回目と2回目の「ば」の発音が若干違う、みたいな。
そういうのって、合成音声・機械音声だと逆にやりにくいと思うんですよね。
人間だからそんな細かい差異や表情をつけて、そこに聴いている人が「情感」というものを見て取る
みたいなところはあるかな〜と思います。

歌は、それこそ1文字ごとに
「ここはどの程度しゃくり(装飾音符)をつけるべきか」
「単語として聞き取りやすくするには、アタックはどこで、どのくらいか」
「この長音でビブラートをかけるべきか」
「ビブラートのBPMはどのくらいか」
「声の抜きはフェードか、否か」
「母音は無声化するか」
とかを全部考えて録るようにしてきたんですけど、今回も1文字1文字へ神経をすり減らしながらレコーディングしました。

「光」の「ひ」は母音が無声化するべきだ、とか、
「抱きしめて」は話し言葉なら「き」が無声化するべきだがこの歌では1音節割いているのでほぼ無声化させない、とか
「躓くごとに」の「ご」は鼻濁音であるべきだ、とか……
挙げたらキリがないですね、全部の文字に対して考察した結果なのでw
母音が無声化する音では、その分子音を明確に、クリアに出すようにもしました。


それより、今回は原曲にどの程度コーラスが入っているか聴いてもあまり判然としなかったので、
ACIDでコーラスワークを打ち込むところからやりました。
なので、耳コピというより「コーラスアレンジ」をしたという感じです。
原曲で実際に、その部分でハモってるかどうかは一旦脇によけて、
自分が「ここにハモりをつけたい」というところにハモりのガイドメロを打ち込んでいって、
そのメロを自分で耳コピして録る……という手順でした。
ある部分で
「ここの下ハモは、A♭でぶつけるべきか、G♭で落ち着かせるべきか……?」
と悩んだりして、最終的に
「G♮だわ、やっとしっくり来たわw」
ってなったりする一幕もありましたw

最終的にミックスには16トラック使いました……。
私がミックスで使い続けているソフトは、最大16トラックしか混ぜられないので、フルトラック使ったことになりますw

特に2サビのバックには4部合唱で「Ah」を入れたので、アカペラで聴くとこうなります。



遊郭編、毎週のようにBパートのアクションがとんでもなくて、見ていて無意識に拳と顎に力が篭もってしまう感じでした。
宇髄さんの力強さと疾走感とか色気をこの歌で表現したくなったので、声色や発声で表情をつけるところを頑張ってみました。
疾走感を出すには、どこの拍でアタックを強めるかも大事なので、
「言葉が聞き取りやすく、それでいて曲の勢いを殺さないためにはどういう抑揚にするか」
というのもかなり考えて歌いました。
演歌歌手のすごいところは、やはり歌詞の内容に合わせてコロコロと変わる声の“表情”かと思います。
哀しいとか切ないとか、嬉しいとかの喜怒哀楽を声色でちゃんと出しながら歌うというか。
演歌って「演じながら歌う」んだなあ〜と思います。
だから必要に応じて明るい声とか掠れた声とか、押し殺したような声とかを使い分けたり、
閉じていく感じもあれば開いていく感じのときもあり、ヒソヒソ、ぽそぽそと呟くような時もあれば
泣き叫ぶような感じだったりと、とにかく「引き出し」が多い。
詩の朗読の試験の時に、指示文に「詩や言葉の意味をよく考えて読み上げなさい」と書いてあるけど、
例えば「悲しそうに読むべき部分」で、「悲しそうな声色」を任意に出せないと、
意味が「理解」できていても「表現」が出来ないなと思うんですよね。
そういう表現に長けているのが演歌歌手なんじゃないかと思います。

この曲の歌詞にも、
「色々な感情をうちに抱えたまま、または時にそれを押し殺したり、乗り越えたりしながらとにかく前へ進め」
ということが書かれているように思います。
その上での葛藤とか覚悟とか、波乱とか、華やかさと表裏一体となる影の苦労などなど、
そういったことを思わせる言葉を歌うところでは特に声の表情に気をつけてみました。

ガイドメロの打ち込みに一晩、翌日から収録に丸2日かけた3日がかりの音源なので、
じっくり味わってほしいなぁ、と思いますw

ちなみに、動画で使っているのは購入した「鬼滅のフォント」ですw