ニコニコ版


ゆーちゅぶ版



予告していた通り(世界が滅亡しなかったので)、動画公開となりました。
よしなに!!

今回は、これまでのオードブル作品と趣向の異なる部分がいくつかあるので、この記事では、そこを軸に解説してみようと思います。
趣向その1:男女風ではない

まずこれまでの3皿が以下のような作品でした。
1皿目

2皿目

3皿目(R-18)


元々が、ニコパイからのスピンオフユニットということもあり、私が男声、前菜さんが女声を担当して、
「女性二人なのに、男女風ユニット」という雰囲気で作ってきました。
(宝塚蟹組といわれたりw)


しかし、今回は、その表現をせず、女声二人に徹してみるのが作品として面白く、またより良いものに仕上がると思い、
こういった形に仕上がりました。というか主に私が発声と歌い方をこれまでと変えたわけですよねw
そもそも「男女風ユニット」というのも、絶対的ルールとしてやっているユニットでもないですし、
同じメンツで演る作品でも、色々な方向性やベクトルを試みるのも楽しいと私は思います。
また何か見つかれば男女風を再びやることは出来るのだし。


原曲がMEIKO・ルカのデュエットなのですが、曲調が民族音楽風(アルトネリコに近いものを感じている視聴者さんが多そうでした)で、
前菜さんからアカペラデータを受け取り、「さぁて歌って混ぜていくか」というときに、自分が持っていきたい目標地点みたいなのは
サンホラの「沈んだ歌姫」に設定していました。
「双色」の曲調と、「沈んだ歌姫」の曲調はそこまで近いものではないのですが、「女声二人のデュエット」の目標地点がそこでした。
前菜さんがあらまりさん、私が霜月はるかさんポジション、というような。
元の声質としては、逆かもしれませんけどね。
あらまりさんの方が少しハスキーな部分があるので、私としても「あらまりさんのような声」を出すことのほうが多く、
しかも難しくないというか。あくまで比較論では。

でも、今作は、MEIKO:前菜さん、ルカ:(V)・∀・(V)。
ボカロとして、MEIKOの方が先にリリースされている分「お姉さん」に当たるとも思うのです。
「沈んだ歌姫」で、あらまりさんが「お姉さん」ポジションを務めているように。
しかも、MEIKOは曲を作られた仕事してPさんのMEIKOで、ルカはビタワンPさんのルカなんです。
ルカは「ゲスト」ポジションなのですよね。
これについて趣向その2でもう少し触れますが。

普段の歌のイメージとしても、前菜さんにはお姉さんやお母さんのようなイメージがあるし、合っているし、
magnetでも私が妹分をやったりしたので、「オードブル作品」としては、そこを引き継いでやってみようと思い、
(magnetではルカが姉貴分で、そちらを前菜さんが担当したけど)
今回私は霜月さんのような発声をイメージした部分があります。全部ではありませんが。
そもそも、あらまりさんと霜月さんが「双色」を歌ったお手本というのはないので、
声真似をしようというのともちょっと違うのですが…
声を出すときに、何も考えないで出す自分の声以外の声を出すときは、
脳内で誰かをイメージするのが手っ取り早いので、今回は霜月さんがコンセプトだったなぁと。
何故かというと、前菜さんの声に、「女声として」寄り添っていくには、前菜さんや霜月さんのような
発声を私もやるのが確実だからですね。

コラボにも色々あって、全然違う声の人たちが集まるから面白いのと、似たような声で相性の良さをだすのと。

最初から、目標地点は「沈んだ歌姫」のまま変わりなかったのですが、私の歌い方のクセの矯正にテイク数が必要で、
最終的に300テイクくらい録りました。
勿論大半ボツ!ww
収録には4日間みっちり費やしたのですが、その4日は、どの日も1から全部録って行きました。
その結果、音源がバージョン4.5くらいまでいってようやく完成しましたw
初日に作ったバージョン1.0のテイクは、2日目のバージョン2.0には一切使われておらず、
バージョン3.0、4.0も同様に、他のバージョンで使ったテイクを全部ミキサーから排除しています。
自分でも笑っちゃうんですけど、バージョン1.0〜4.0に、4種類の私がいますw
声と歌い方、クセなどが全部違うんですよww

でも、バージョン1よりは2、2よりは3・・・って具合で、バージョン1〜3のどれよりも、4がいい!
と信じられるまで粘ったので、もし皆さんが、バージョン1〜4を全て聞き比べたとしても、
多くの方が4を選んでくれるし、次点が3になるのではないか、と思います。
まぁ、ミックス後の音声としては、ナンバリングせず上書きしていったので、バージョン1〜3はもう存在しないんですけどもw
アカペラデータとしてはあるので、またミックスしなおせば出来るけど、面倒なだけなのでやりませんw

その自己判断基準点は、「私と前菜さんの声がどれだけ溶け合っているか」という部分です。
さっきも言ったのですが、コラボに色々あって、声質の違いが前面にすごく押し出されていて
違いがはっきりわかることが面白いものと、溶け合っていることが気持ちいいものとがありますよね。
今回は後者を目指したわけです。
今までは、男女風ユニットだったので前者だったわけですよね。

この曲をやることになったとき、女声2名として終始歌うことも同時に決めたわけですが、
私がそこで考えたのは、前菜さんが
「この出来なら私一人の方が良かったわ」
って思ったりするような物を提示したくない、ということですね。
これまでは、男女風ユニットだから、それぞれが全然違う役割を「分担」するから、コラボの良さが際立っていたと思うんです。

でも、それは全然違う役割を担うという「アドバンテージ」がある状態だったとも言えるわけですよ。
前菜さんは前菜さんの領分でやって、私も私の領分でやればいいというのは、
お互いがお互いを引き立てもし、尊重もするのですが、私自身は、自分が自分の予め出来ることにだけ甘えてしまっているような
そういう感覚もなくはなかったというか、結局女声2名のコラボで前菜さんと歌うと、前菜さんが一人でやった方が
いいものができそうな気がしてしまう、という気持ちがあったんです。

男女風ユニットをやっている限りにおいては、お互いの領分に「だけ」立っていればいいという、
それは私は、自分に甘えてしまってるのかな、と。

前菜さん一人でやった方がいいものを、二人でやることには意義があまりないはずだし、
まず前菜さんにそんな感想を抱かせる作品に仕上げてはいけない。
「蟹のオードブルでやって良かった」と、まず前菜さんが思うような歌を私が、甘えじゃなく提示できないといけないと思うのですよ。
男声を担当していれば自ずと一人では作れないものが出来上がるから、っていう魂胆でこれまでやってきたわけではないけれど、
この曲にしたって、私が自分の好き勝手に歌って、声質の差異を出しまくることも出来たと思うけれど、
それは甘えだ! って思ったんです。
その理由は、「趣向その2」にあります。


どんな形式でコラボしても、「この二人いいな〜」ってなるようなユニットになりたい。
それは、この曲のタイトル「双色」が、「双璧」をもイメージさせるからです。
ニコパイからスピンオフしたユニットとして、「船長と考古学者は双璧だな!」というような、
そうありたいという目標も同時に浮かんできました。
前菜さんは、組曲ワンピースを作詞した人だし、私も「ニコパイやろうぜ!」って言いだしっぺの立場であり、ルフィ(船長)ポジションである者として、
また、二人が同学年で、ニコパイの最年長者であることなどなど・・・
「蟹のオードブル」は「いつでも、なんかすげえもの作っていたい」という気持ちがあります。
前々から思っていましたが、今回は特に思いました。
前菜さんには前菜さんらしい歌い方をそのまましていてもらってよくて、
私が曲によって、最大限のパフォーマンスで「コラボの良さ」に導きたいという感じです。
男女風であってもなくてもです。
でも、今回は、「女声2名」に徹したこと、曲調が幻想的であることなどから、かなり発声や歌い方に
気を遣ってこだわった結果、テイク数が異常になりましたw
いつも言っていることですが、「今現在の本気・全力を注いだ」ことは事実なので、自分では納得しています。
納得できるところまでは頑張りましたw
妥協してない! 
しかも、私はいつも、録った後にピッチ補正一切しないから、音おかしいと思ったら録り直すか妥協するかしかないので、
今回は妥協しない分テイク増えたというw


趣向2:前菜さんの選曲である



こちら原曲動画です。

前菜さんは、ボカロの中でMEIKOが好きで、今回も選曲の段階で
「これのMEIKOパートをやりたいのだけど・・」
という提案でした。

今までの3皿は私から「これやらない?」ってお誘いしていたのと、
元がデュエット曲でなくとも男女掛け合いみたいにできるもの(え?あぁ、そう。)Iを提示していたのですが
前菜さんからやりたいものに誘ってもらうのも全然おkだし、嬉しいし、何か曲あったら教えて!とこちらから言っていたので、
この曲を教わったときも「じゃあ、それやろう!!」と即決しました。
まぁ決まったのは2010年1月13日だったので・・・3年半も経ってるみたいだけど!!( ´゚д゚`)
ええっ、マジかよww 今調べて自分でビックリしたよwwwww

それで、ちょっと前に書いたことに戻りますが、原作でも、MEIKOが作詞作曲者である仕事してPさんの調声で、
ルカは、ビタワンPさんがゲスト参加してのデュエットになっているんですよね。
私たちの歌も、前菜さんがMEIKOで「やりたい」って言い出して、私がそれに乗る形となった部分が重なりました。

この曲は別にアルトネリコと関係はありませんが、強いて言えば、
「歌」そのものについて謳っているというコンセプトや曲調に近いものを感じる方が多いのでしょう。
コメントや市場でもよくアルトネリコが取り沙汰されています。
私自身は、ソロでは、ブログの100万HIT記念の際、「謳う丘」を歌ってアップしているんですが、
あれはソロだったので、自分のクセ前面に出しまくっても、他のコーラスパートとぶつかることはありませんでしたし、
原曲からイメージがかけ離れているからと言って叩かれるのは私だけだったのですが、
コラボだと相手にも泥かぶらせる訳にいきませんし、私はコラボのときは、相手からアカペラを受け取って、
それに合わせて自分の声を録っていく形式なので、「謳う丘」をどう歌ったかなんていうことは関係ないのでいっそ忘れて、
前菜さんの節回しとか、ブレスのタイミング、ビブラートの開始位置、長音の長さなど、そちらにだけ神経を集中させました。

後から録る立場だからこそ、余計に、前菜さんには前菜さんの好きにやってもらった上で
私が合わせることが私の仕事だ! って思うところがあります。
他のコラボでもそうなんですがw

でも、今回選曲自体が前菜さんなので、前菜さんがどう歌い上げたいのかを汲み取って、そこに寄り添っていくことは
これまでの3作と異なり、大きな必須条件であるように思いました。自分の使命というか。
でないと、「こうなるなら一人で歌った方が良かったわ」ってなってしまうと思うんですよ。
男女風より、容易にそうなりやすいはずです。
「一緒にこれを歌いたい」と誘ってくれた信頼に応えなければいけないですよね。

私は基本的に「誘う側」の人間で、誘われること自体が珍しいのですが、誘われるって嬉しいことなんですよ。
(だからって知らない人からコラボに誘われても困るが)


趣向3:絵・動画は(V)・∀・(V)制作



2〜3皿目では、ひろむさんとの3者コラボとなっていたのですが、今回は私自身もっと
スキルアップしたり、提示できるコンテンツを増やしたい思いがあって、イラストと動画編集をしました。
これには3日かかりましたw
だから、歌4日と合わせてジャスト7日間ですねww 蟹の7日間戦争でした。
ニコニコって、自分にとって「こんなことしました」「こんなことできるようになりました」っていうのを持っていく場所だと思ってるので。
ちなみに、原曲のほう、絵と動画も仕事してPさんだと思います。
作詞作曲作画やってらっしゃるわけですよ。
私も一人で色々やりてえ!! 出来ること増やしてえ!!
ということで手書きPVのようなものを作ることに。


動画の編集について――
夕闇の実況を編集し始める段階でAVIUTLの拡張編集を導入しました。
それまでもAVIUTL自体は使っていたのですが、拡張編集は使っておらず、主にエンコードにばかり使っていました。
一枚絵や出来合いのmp4動画と、ひとつのWAV音源を合わせるだけなら拡張編集はなくてもできるので。
でも、夕闇編集から拡張編集機能を使い始めて、何をどうすればどんな表現になるのか少しずつ覚えて行ってるところです。
今回も、原画素材はあまりないのですが、「双色」ということで前半はモノトーン基調に、
ラストはフルカラー化という演出にしようと割と早い段階で決めました。
これは、原画素材が少なくても出来る演出なので、手間もかさまないのですw
塗る前、ないしは塗った後にレイヤー非表示とかでモノ素材は出せるので、線画の種類が少なくていいということです。
曲のコンセプトが「双色」だったのが良かったですねww

輪郭や髪などのレイヤーと別で、目や口を別のものに差し替えれば複数の表情を表現できるし、
おちゃめ機能で丸い人さんが書いてくれたみたいに、口の形を6種類用意すればリップシンクも出来るわけです。
まぁそこまで今回は描かなかったんですが。

前菜さんは「(MEIKO+上河内先生)÷2」、私は「(ルカ+蟹音ぱん。)÷2」というイメージにしました。

この曲の「双色」というのは、歌詞にも出てきますが白と黒の2色だと思うんですね。
で、それって鍵盤のことを指しているとも思いました。
鍵盤には2色しかないけれど、音楽っていうものはその白と黒の2色が奏でているのに、実にカラフルだなあ
っていう歌!
(世の中楽器は鍵盤楽器だけではないので、白い紙に書かれた楽譜のことを指している、といってもいいかも)

そう思ったので、基本的にモノトーン素材のみで構築していって、最後はカラフルにという構成にしました。

絵を描くところから動画を作るのも普通に楽しいです。
乱発は出来ないと思うけどw
でも今後も、時々はやりたいですね。絵師さんとコラボというのもそれはそれで素敵だし楽しいけどね!
もうなんか、私は、書く・描く・歌う・喋る・踊る・作詞作曲する・打ち込みする・バグるみたいな、なんでもやる感じの方へ益々突き進みたい。


ところで、仕事してPさんのボカロ曲「番凩(つがゐこがらし)」を「炎の前菜」のお二人が歌ってますので、こちらもどうぞどうぞ。

うおおお、ちくしょーかっこいい!! 私も、まぐさんに負けてらんねえぜ!!!!

これからもがんばります。