4月17日は『恐竜の日』と聞いたので、用意だけして中身書いていなかったこの記事を
ついに書こうと思います。
フィンランドの子供向けメタルバンド『Hevisaurus』の紹介です。

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まず、私がこのブログでHevisaurusの話をするのは、何も今日が初めてではないので、
カテゴリ「Hevisaurus」を遡ってもらうか、記事最後のタグ「Hevisaurus」を遡ってもらうか、どちらかで
これまでの記事を全部読んでもらえれば、実はこの記事は要らないレベルなんですけどww
でも、この記事は総括として「どこがどう好きか」を書く「大好きなもの」タグの記事でもあるので、
そこを意識して書いてみます。
ニコ生でも散々紹介しているので、そこで見たことある人には繰り返しの話になりますけど、
記事でもまとめておきたいところで。


デビュー(1st)アルバム

※以前はデータ販売がなく、CD入手もちょっと大変だったんですけど、
今はAmazon、iTunes等でmp3買えますから安く手軽に聴けますねぇ……。
まぁ私はCD全部持ってますけど!


1,「子供向け」を真剣にやってるところ

飽く迄、子供騙しでなく、「子供向け」というのはどういうことなのか、ちゃんと考えてみると
結構難しいということに気付きます。
というか、Hevisaurusのおかげでこのへんの哲学をかなり掘り下げるキッカケをもらった気がします。
子供騙しというのは多分
「子供はどうせこんなのが好きでしょ」
と、「目線を合わせてやっている」感が表に出てしまってるものかな、と思います。
本当に目線を合わせようと思うなら「してやってる」ではダメですよね。
子供は、大人が考えているより直感的に、敏感に、そういう機微を汲み取るところもありますので、
「うわ、この大人は、ぼくらが子供だと思ってバカにしているな」
と、すぐに気付きます。
そしてそんな手抜きでは、大抵の子供は本当には振り向いてくれないものかと思います。

つまり「子供向け」というのは、「子供の方をちゃんと向く」なんじゃないですかね。
年端がいかない相手だからと見くびることなく、大真面目に作って、演って、真摯に向き合って反応を見る。
そしてちゃんとキャッチボールや対話をするっていう。
大人が「もう自分は子供とは違う」と思っているだけで、実は案外子供と大差ないのかもしれません。
だから、「自分は子供とは違う」という思い込みを持たない、もしくは捨てて、
いつでも童心にかえれるようでないと子供と向き合えないんじゃないですかね。
Hevisaurusって自分の中の「子供のままの部分」の声を慎重に聞きながら活動してるバンドなんだろうなと思ってます。

Hevisaurusの楽曲やスタイルには次のような特色があります。
・ジャンルはがっつりメタルだが、楽曲の長さはいつも大体3分半〜4分半(飽きる前に1曲が終わる)
・(HM/HRの)オマージュをふんだんに盛り込む
・懐メロのメタルカバーもふんだんに盛り込む
・オリジナル楽曲も当然あるわけだが、メロディが恐ろしくキャッチーで耳に残り続ける(子供が口ずさみやすい)
・歌詞には子供の興味をそそる物やキャラクターが頻繁に登場する
・着ぐるみを着ているが演奏は当て振りじゃなくマジで生演奏
・ライブの演奏音量は控えめ(耳に優しい)
・ライブのアリーナ席には子供の付添以外で成人は入れない(未成年ファースト)ので
 最前列には小学生がひしめく
・バンドTシャツも子供サイズしかなかったりと、グッズも子供ファースト



ここでも創設者が話していますが、自分の子供がぽろっと言った言葉からこのバンド企画の着想を得ているので
子供の発想をそのまま具現化したようなところもあって、それが実際子供たちの間に浸透しやすかった
理由のひとつなのかもしれないと思ったりします。

手を抜いていない「良質なメタル」を、オマージュやカバーを織り交ぜながら簡潔に作る。
それは、子供たちが少し大きくなって「ルーツ」を辿った時に大いにお互いの役に立つ。
そして、ライブは真っ昼間に開演して夕方に終わる。
着ぐるみを被って演奏するのは決して楽なことじゃないだろうが、アテフリはしないというこだわり……。
多分当て振りをしたら、指ぬきグローブで演奏するのよりも却って「中の人」の存在感や、
虚構感が強まってしまう。
今、目の前で音が発せられて、調和が生まれているという事実が、子供たちを夢中にさせているのだから。
子供の心にすぐに還れる大人であれば勿論のこと、そうでない大人でも
「ちょっと普通じゃない、面白いことやってるやつらがいるな」
って、気になっちゃう説得力があります。

オマージュとかカバーは、日本人からするとさすがに馴染みの薄いフィンランドの懐メロだったりしますけど
逆に私はHevisaurusを介して出会うことの出来たフィンランドの1950〜1970年代の曲などもあるくらいで、
これはまさにフィンランドの子供たちと「同じ経験をしている」と言っても良いわけですよね。
温故知新……。
良いものを後世に伝えるため、自分たちなりのやり方でアウトプットしなおしてみる。
するとそれを受け取った人の中から、必ず「ルーツ」を辿ってくれる人たちが出てくる。
そこに信頼を置いているからこそ出来る芸当でもあるので、つまり彼らは子供たちの感性を信じているんですね。

具体的な例として、カバー元の原曲とHevisaurusによるメタルカバーを並べておきますね。

<Morri-moykkyのカバー>
原曲

カバー


<Iron MaidenのThe Trooperのオマージュ>
原曲

オマージュ


<フック船長のカバー>
原曲

カバー


<インディアンの雄叫びのカバー>
原曲

カバー


上記4曲は全て、1stアルバムからの紹介です。


2,キャラクター設定が細かい

あぁ、もう第1章で好きなところほぼ全部書ききってしまったんですけど、
バンドメンバー5人(匹?w)いて、それぞれにちゃんと「個性」があるところも好きです。
それぞれが異なる種類の恐竜(1匹ドラゴンも混じってるけど)で、性格とかも設定されているので、
それが窺い知れる曲があったり、ライブのMCで生かされたりしているところも好きなのです。
だからこそ、映画が作れたりしたんでしょうし、曲調はメタルなのに内容は絵本みたいな歌詞だったりで、
ギャップにクスっとしながらも、なんだか感心しちゃうんです。
5人にはそれぞれCVもついていて、ライブのMCでも結構喋るんですよw
ボイスドラマが曲間に挟まっている「物語音楽」のアルバムもありますしね。
楽曲以前に、バンドそのものがかなりコンセプチュアルというところがとても良いです。

こちらは3rdアルバムから「危険なくしゃみ」という曲。


ギター担当のリッフィ・ラッフィ氏はドラゴンなんですよ。
だから、くしゃみの際、うっかり炎を吐いてしまうんです。(えっ
それで、スタジオが火事になっちゃって、「早く消防車呼んで!!」みたいな歌です。(えっ
なんて危険なんだ……。

こちら5thアルバムから「ウガラ・ブガラ」っていうゴリラの歌です。

こうして、「バンドメンバー以外のキャラクター」が出てくる曲も色々あるんですよ。
5thは、Hevisaurusの面々がひょんなことから冒険しちゃって、行く先々で色々なものに出会う
というような物語を描いたアルバムで、ウガラ・ブガラはその一例です。
キャラクターとしては他にロボットとかフクロウとかマンモスとか宇宙海賊とか出てきますね。
(ちなみにライブは生演奏な反面、MVでは当て振りw)


3,耳に残るキャッチーなメロ

第1章でも触れましたが――
私は歌のメロディがキャッチーで思わず口をついて出てしまうような曲がやはり好きなんですけど、
Hevisaurusの楽曲って、どれをとっても「それ」に当てはまっていて、フィンランド語はぜんっぜんわからないのだけど
なんだか聴いてるとすぐ覚えちゃうんですよ。
下手すりゃ日本語のメロディ難しい曲より覚えるの早いですよ。
フィンランド語という言語に関しては、耳で聴いて意味を理解することは出来ないくらい、普通に疎いけど、
母音のほとんどが日本語にそっくりというのはかなり親近感湧く原因ではあると思いますw
「y(トレマ付き)」と「r」だけじゃないですかね、日本語にない発音。

この「メロディがキャッチー」はある程度は主観(私が思う)に基づいた意見ですけど、
逆にある程度は「客観的事実」といえると思います。
多くの人が認めるというか、「メロディのキャッチーさには科学的根拠がある」とすれば、
Hevisaurusの書く楽曲のメロディってそれを踏襲しているのかなと思ったりするんですよね。

特に、「食べ物の歌」にその徴候が見られますw
まず、2ndアルバムから、ピザのうた。


これは3rdアルバムからですが、「牛乳欲しい」っていう歌なんですよね。


これも3rdアルバムから「風船ガム」の歌。


これは1stに収録されている「ポップコーン粥」の歌。


こっちは6thから「棒付き木馬」の歌。


「おばあちゃんの原チャ」とか「おじいちゃんが唄う」みたいに家族が出てくる歌も多くて、
それぞれ覚えやすいです凄いです。


(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)・∀・(V)


というわけで、「恐竜の日」だと聞いたので恐竜バンドを紹介してみました。

ニコニコ大百科のHevisaurusの記事も私が書いたので見てみてください。