最近買った本。

中学のときに読んでいた週刊の漫画雑誌というと、サンデー、マガジン、ジャンプ、モーニングだったな。
烈火の炎とかるろうに剣心とか激烈バカとかゴールデンラッキーとか・・・なんかこうして羅列すると無茶苦茶である。

で、モーニングの漫画では一番すきなのがゴールデンラッキー/榎本俊二だったんだけど、
ゴールデンラッキーが愛読書っていう小学生はいやだね!
何度も週刊の時の欄外にハガキが掲載されてテレカいっぱいもらったけど、そんな小学生はいやだね!
中学になってもまだ読んでたけど、確かゴッキーは終了して「えの素」が始まったと思う。
そちらは読まなかったなあ。
ただしゴッキーの単行本は全て集めた…。
あまりに熱心すぎて、「ワンちゃん」っていうキャラに至っては懸賞でぬいぐるみまで当てたレベルだ。
(弟が寝ゲロをかけたので処分せざるをえなくなったという哀しい幕切れであった。
不幸犬というキャラクター設定の「ワンちゃん」らしいが。)


その作者の榎本俊二氏が、帯にて賛辞を送っているのがこちらの単行本。
「90年代ギャグ漫画の最重要作品」との評価だ。


モーニングで、他に単行本を集めていた作品としては、「天才柳沢教授の生活」などがあったが、ある週のモーニングで
「帽子男の1秒間」というのを読んだのが、私にとって初のウエケン作品だった。
その作品は、上記の「帽子男」(ビームコミックス刊)にもしっかり収録されているのだが、
私としてはあまりにそのエピソードが気に入ってしまったため、モーニングKCデラックスの
「帽子男の子守唄」が出た際には書店で取り寄せをしたほどだ。

「帽子男の子守唄」


この単行本の一番最初に掲載されているのが「帽子男の1秒間」である。
これは実は帽子男の単行本としては2巻なのである。
本の表題に「2」などの表記が入っていないから最近までわからなかったが、1巻に相当するのはこちらの
「帽子男は眠れない」なのである。


帽子男のエピソードとしては、この1巻のほうが2巻に比べて沢山読めるので、オススメなのだが、
両方買うくらいなら最初に挙げた「帽子男」(ビームコミックス刊)さえ買ってしまえば
2冊分を1冊で読めるのでそちらを全力推しする。

90年代ギャグ漫画の最重要作品という表現に、なんら誇張を感じない程度に吹っ切れたギャグ漫画である。

ま、3冊とも持っているけどね!!!!

何が違うかというと本のサイズ自体がまず違うから、「眠れない」「子守唄」の方が若干大きめの絵で読めること、
「子守唄」の方は、帽子男シリーズの主人公「帽子男」とは無関係の別キャラが出てくるギャグ漫画もかなり収録されているのだ。
ビームコミックス版「帽子男」は、「帽子男」シリーズの作品のみを収録して1冊にまとめたものなのである。

そして、今回はウエケンの別の作品にも手を出してみることに決めた。
コミックビーム誌上もっとも連載期間が長いとも言われている「夜は千の眼を持つ」である。


こちらは、474ページもあり、本当にくだらないギャグ漫画しか掲載されていないのに、一回通して読むためにも2日を要した。
本当は、「え、ちょっとまってさっきのコマもう一回・・・」てな具合に巻き戻しながらじっくり読みたい作品なので2日程度では堪能できない。

表紙はまるで、某日本を代表する文豪の作品集かと思われそうなデザインだから、まさか中身が
ここまで濃いギャグ漫画であるとは思うまい。
ましてや、474ページもあるものだから、背表紙もかなりの存在感を放っていて、書店の本棚で見かけても
「こんな分厚い本を中身を知らずに買うのは冒険だな」と思うのも無理はないと思う。

しかし、私はそこで敢えて冒険するほうを勧める!!
これは、定価を出して買って損をする本ではないからだ!!
中古で買ったけどな!!!貧乏だからな!!!
だから、まぁ、アマゾンで中古で買ってもいいと思うけど、定価でも構わないと思うに至るだけの読後感を得たっつー話だよ!!


ギャグにも色々あると思うが、この巻に関しては、同じコミックビーム誌の連載漫画のパロディなども含む。
しかしパロディされている方の漫画も知らないと伝わらない側面もあるだろう。
とはいえ、単行本全体としてはそういうものを抜きにしても、なんの事前情報もなく楽しめる作品が多いことが魅力であると思う。
もちろん、パロディもパロディで、他の漫画作品を知っていれば知っているほど楽しめるだけのネタが数多く収録されている。

キャラクターは何度か出てくるものから、たった一度きりそのネタのためだけに生み出されて使い捨てられるようなものまで様々。
なによりも、「これは、ギャグ漫画という手法において単に一度試してみたかったんだ」という発想の下に
「やってみたかったからやっただけ」というものが多く、それをやること自体がネタになっている上に
「仮に思いついたとしてもそれを実行するやつ、できるヤツは限られている」と思う。
そういったセンスと実行力、吹っ切れ度合いにおいて、「夜は千の眼を持つ」を読み終わった段階で
ウエケンは私にとって尊敬の対象となっていた。
帽子男だけを読んだ段階では、「面白いことをする人もいるな」と思っていたが、まだまだ私の認識が甘すぎたのだ!
暇だから読んでみたが、暇でよかった!!!(「暇だからな!!というのはウエケンの常套句)

そんなわけで、これから「千の眼を持つ」シリーズの2〜3巻や、他のタイトルについても
順次集めていこうとしている段である。
とても楽しみだ!!(来月お給料が入るのが)
皆さんも、是非、買って読んでみてくれ!!!(今月のお給料で)