ノリで昨日の明け方読み終わったばかりのはりぽたを映画館に観に行った。
本のほうはかなり充実した作品という感じだった。
たしかに子供が主人公だ。子供の世界が描かれている、ファンタジーだ。
童話といえば童話かもしれない。世界中の子供が読み親しんでいるし。
けれど、実際読んでみたら思っていたのより「傑作」と思った。

単なる童話にしては「サスペンスホラーの推理もの」じみている部分もあるし、
単なる大人向けの小説にしては、子供の目線からの世界の描写が細かい
子供向けな「ファンタジー」に思えてならない。
つまりどの年齢層も楽しめる可能性をかなり秘めているのだ。

というか、実際に楽しまれている。

ハリーという男の子が本当にいるような気になってくる。
ハリーを囲む人々にも親近感がわく。
魔法の世界ですら現実にありそうな気すらする。
新しい世界が波打っておしよせてきて、のみ込まれ、読むのが止まらない。
だから、二晩で読み終えてしまう。たくさんの魅力的なエピソードと絡めつつ、
ひとつの大きな事件を描く。
ハリーがそれまでとはまったく逆とも言えるような環境の中で
のびのびと暮らし始め、運命に導かれるのか、逆らうのか、
勇敢に目の前の恐怖にも立ち向かう姿に「童話なのに」と思いながら
手に汗を握ってしまった。
やはり、「童話だから」と見くびっていたところがあったのだろう。

というか、「童話」全体への冒涜とも取れるが…。

しかし、今この年になって「童話」に引き込まれ熱中して手に汗握るとは
思っていなかった。
世間でここまで騒がれる前から書店で見かけて気にはなっていたが、
やはり「ブーム」が訪れ映画も公開され、「百聞は…」となって読んでみたが、
予想以上だった。どこが魅力的かどこが印象的か、
挙げ始めたらきりがないかもしれないのでやめておこう。
映画も勿論観に行きたくなるものだ。

 果たして、その映画を見た。
やはり、思ったのは、「本」と「映画」では、「よいところ」が違う。
なので、比べてここはいいけどここはよくない、とは言いにくい。
どちらもその形式の中でうまく出来ていると思うのだ。

映画は対象年齢を低いほうへ縮めてもいけるようにしたのかな
という印象はあったが、原作に忠実ではあった。
そう、実写だからよかった、と思える。実写にしなければよかったのに、
と思う作品も中には、あるのだが。

また、子役が魅力的である。わし個人としては、ハリーの「かたき」役の
マルフォイは、イメージどおり!!だった。
しかし、原作で引かれているいくつかの重要とも思える伏線が欠けていた。
この点はやはり原作者はすげぇと思った。
映画では最低限の伏線か、鍵となるシーンしかなかった感じだ。
時間的に限界があったのだろう。
それに、小さい子供が、深く考えなくても単純に楽しめるお話に
したかったのかもしれない。
なんだか、本と映画の余韻が交じり合ってふしぎな感じだ。
けれど、本を読んでその余韻が覚めやらぬうちに映画を見たおかげで
そうしていなかった場合と比べてかなり楽しめたと思うのだが。

それにしても、ラスト近くのシーンで(↓ネタばれよ〜)

クィレル先生のターバンから顔が出てくるのは、
もし、わしが物語りの運びを知らずに先に映画を観に行っていたら
かなりびびったと思う。知ってても怖かったもん!