土曜の早朝からのルーマニア。それも、立て続け!w 今度はネジ編でした。


この実況プレイ生放送は動画化されています。









シナリオタイトルは「サイレントハート」
いやぁ〜〜久々にせつなく、考えさせられるシナリオだったっすー、後味的に・・・。
今までに少年は3人出てきたね。
シュウタ、ケースケ、そして今回がツバサくん。
シュウタは救いがない。
ケースケは、途中とても可哀想になるけど、ちゃんとシナリオ完遂すれば(ネジの軌道修正)ハッピーエンドに持っていける。
ツバサくんはね、そのどちらとも違う。

なんていうんだろう、測りかねて終わってしまうんだ。
このゲームの特色なんだけど、「部屋の外のこと」はほんっとに憶測でしか測れなくなる。
それがこのゲームの神様の悲しいところなんだよ。

ツバサくんが最後に半ば無理やり施設に連れて行かれる。
すなわち「部屋の外のこと」になる。
そうしたらね、迎えにいったネジとジュニアがちょっとしょぼくれて帰ってきて
「楽しそうだった」「うん、楽しそうだった。友達もいっぱいいた」「うん、笑ってた」
って会話があるんだけど、ツバサが本当に楽しいのか、楽しそうに振るまっているだけで
本心では違うことを思っているのか、そういうことがね全部憶測の世界に押し込まれる。
ネジの部屋の中での人物や出来事は、もっと憶測がいらないんだけど(日記でネジが説明してくれるから余計に詳らかww)
部屋からそれらが出て行った途端にね、まったくわからなくなる。
あらゆる可能性が生まれて全部が五分五分な状態になっちゃう。

ツバサは本当に施設で楽しくやっているんだからそれはそれでハッピーエンド。なのかもしれない。50%の確率で。
ツバサは本当はネジのところに住みたいんだけど、預かってもらっている間の困惑したネジを見ていて
4歳ながらに何かを感じ取って遠慮を覚え、わざと明るく振舞って施設に慣れようと努力している。かもしれない。50%の確率で。
ネジが日記に書いてくれない限り本当のことはわからない。
勿論ネジが書いてくれてもそのネジの感覚自体が正解でなかったりもするけどさ。
でもそういうヒントさえなくなっちゃう。
それが輪をかけて刹那さ感じさせてくれるわほんと・・・。
いつもさ、ネジって神様のせいで人生脱線状態に陥った後、そうなる前の日常を再発見してエンドロールって感じじゃない?
なのにね、今回や鏡のときみたいに、何かに巻き添え食ったりしながらも自分の気持ちと向き合って
さぁいざそっちへ進むぞってときに急激に引き戻される感じだと「日常再発見」というか、
「日常強制送還」って感じ?
ネジの決心なんだったんだよwwってなっちゃって哀れなんだよね。

まぁネジの話はいいや。よくないけど。とにかくおいといて。

今回のルートってジュニアの心境が大事だと思うからさー。
とてもファンタジーな要素も強いシナリオだったから、ジュニアがどういう文明で作られて
なぜ今狙われているかとかそういう部分は「そういうこともあるかもね」ですっ飛ばして
ジュニアにはロボットながらに人間のような感情が備わっているという前提で考えていくと――

いつもジュニアは「人間って、変だな、おろかなのかも」って思っていたようだったね。
それに狙われていることもあって、人と「会話」はしない。できるけどしないことを選んで暮らしていたよね。
殺しあったり、傷つけあったり、お金やしがらみに捉われてばかりの生活をしている人間なんて
ジュニアにとっては避けたい存在。
ツバサには案外すんなり心を開いたってのは、人間の子供とこれまでにあまり接触がなかったからかな。
オトナと接したり、人間の自滅ばかりを目の当たりにしてきたから、人間の子供っていうだけで
「いい人」に出会ったと感じたのかも。

それに、ジュニアから見て多分、現代のそれも日本の文化や生活っていうのはまだ目新しくて
慣れていなかったから過去に見たものと照らし合わせて比較しながら観察していたと思うんだけど、
ツバサの境遇は多分自分とダブって見えたんじゃないかな。
それでシンパシー抱いて心を開くっていう感じにも見えた。
自分の気持ちとは無関係に、行きたくないところへ連れて行かれるツバサがさ、
売り飛ばすために付け狙われる自分の境遇とオーバーラップという。

そう考えるとねー・・・

最後にジュニアが喋らなくなったのは、再び心を閉ざしたからだと仮定してみて、
その姿をツバサ側に逆投影した場合、ツバサも心を閉ざしたんだってことになる・・・。
上に書いた仮説では、「本当は楽しくないけど楽しく振舞っている」に近いかな。
そんな二人の閉ざされた心がサイレントハートなのだとしたら、とても悲しいシナリオタイトルだね。

このシナリオのラストでの唯一の救いの部分は、ネジの
「今でも僕は毎日、ジュニアに声をかける。いつか、また、ネジって言ってくれることを願って」
みたいなモノローグ。
「日常強制送還」を経たネジではあるんだけど、その日常はジュニアを拾ってくる前の日常じゃなくて
「ジュニアを拾ってきた 〜 ツバサくんとは出会う前」のあのほんの数日間。
シナリオが展開する前の日常まで引き戻されたってわけではないから、ネジに少し変化は訪れていて
それがジュニアに働きかけていくっていう希望を持たせて終わるところ。
そこは救いだと感じてもいいと思った。
そういう変化がちょっとずつ世界に影響を及ぼし続けて、いつかジュニアとツバサくんが、
良い形で再会できるのかもしれないって考えられるから。

勿論、ひとたび黙ったジュニアがその後二度と言葉を発することはなかった、という行く末だって考えられるよ。
エンディングで流れる「ぴぽぴぽ」は、言葉を発せられないロボか何かが、
言葉というツールは使えないからぴぽぴぽという音でしか表現できないけれど、
たくさんの感情や思いを持っていて、それは人間である「君」と一緒なんだよって
訴えかける内容の歌だから、ジュニアも、その後、たくさんの思いを抱えたまま、
表現としてはぴぽぴぽした音しか出さなくなったのかもね、って考えることができる。

それは、わからない。50%の確率。

そんな、50%に思いを馳せるのが、このゲームの醍醐味だと思う。