ヤングガンガンのハガキ投稿コーナー「ヴィン魂」さんと共同で、
「おもたんナイト」というイベントを準備しています。

前回告知で書いたブログ記事はこちら。


おもたんと私との出会いを書くなら、それは2008年の12月に遡らないといけないんですが
それから延々、集まっては遊び、動画や写真を撮り、ついにはカードセットと本を作っちゃうとこまでやりました。
つまり案外、(無駄に)歴史があって、かなり今までにも単語やルールを研究してきました。

現在うちの「おもたん製作委員会」がやっている4人対戦っていうのは
一番バランスを重視したストレスフリーな対戦形態だと思います。
でも、ただ単語が書いてあるカードを沢山作ってあるってだけなので、遊び方は自在なんですね。

その私たちの知る「おもたん」をまずデモンストレーションして、
まだ知らない人にも知ってもらい、既に知っている人にもより楽しんでもらう
そういう趣旨のイベントです。
そのために、まずオーソドックスなプレイスタイルの解説をすることと、
このゲームのどこが面白いのかということと、秘めたる可能性について、という
この3つのポイントをイベントを通して見せて行きたいところです。


それで、まずは、まだ「おもたん新人類」である、ヴィン魂チームの秋山さん・ナンペイさん、たまに大阪さん
そしてカルカルの河原さん、横山さんにも、1回戦がどのような流れで行われるのかとか
このゲームをやる上での思想を伝えなければいけないので、
今日はせらさんとカルカルへ行きミーティングしてきました!
つっても大半の時間は遊びながらアイデアを練る作業だったので、面白かったですよw


新橋でせらさんと合流してゆりかもめに揺られ、青海着いてからつけ麺を食べました。
その間も「おもたんをどうしたらもっと面白くできるか」「新しいプレイスタイルを考案できないか」
「使い勝手のいい単語とはどういったものか」などなど話し合っていました。
ゲームっていうのは、「プレイする」のは消費することであって、
やはり作るのにはそれなりの「生みの苦しみ」みたいなものがありますね。
クリエイティブな人からすると、これを考えるのも面白いけれど、
ほんとにゲームの「消費」だけをしたい人には出来ない作業なんだろうな、とか考えたり。
おもたんをプレイするっていうことと、おもたんを作るっていうことにはやはり違いがある…!
それでも、誰にでも「面白くする余地」が少なからず与えられているとは思いますね。
たとえばかなりの確率で面白く出来る単語を導入する、っていうのもそれだし。
ただ、ルールの制定みたいなのはすごく難しい議題なんですよ…
ほんとにこの2年半何度も真剣に話し合ったりしてますけどねぇ。
特にせらさんみたいな「ゲームを作る側の発想」を持ってる人と。

なので、このイベントでも、ゲームを面白くする「作り手側」の立場と
徹底してゲームを楽しむ「消費側」の立場を、同時に楽しむことができる部分っていうのを、
この”ゲームの特性”として感じてもらえるように工夫しています。
たとえば、エディター機能があるパズルゲームって昔ファミコンであったじゃないですか。
ナッツ&ミルクとかね。
ぐっすんおよよもかな?
おもたんには「エディター機能」があると思ってください。
むしろゲームの始め方によっては、エディター機能しかないかもしれない!w
エディター機能を素通りしてプレイするためには、うちのスターターパックを買うのが
一つの手段っていうことになるわけで。


食事を終えてカルカルに着くと、河原さん、横山さん、ナンペイさん、たまに大阪さんがいらっしゃいました。
せらさんは初対面となるので自己紹介をざっとして、草案の進行表を確認しながら練り直しを始めました。
途中でヴィンセント秋山さんが合流。

ただ、実は「ちゃんとしたおもたん」つまり、おもたん製作委員会におけるオーソドックスなルールでのおもたんを
私とせらさん以外が一度も体験していない状態。
強いて言えば動画を見たか、自分の直感でなんとなくカードをいじったことがあるよ、という人しかいないので
まずはうちらがいつもやっている1回戦がどういう風に展開するのかを、みんなでやってみることに!

全然知らない人(横山さん)と、もう知り尽くしている人(私とせらさん)が入り混じってやるので
「知らない人は何がわからないか」
の発見にも繋がりましたし、誰がやってもそれなりに楽しさを感じてもらえる、ということは再確認できました。
また、世代や文化圏が違えば当然空気も変わってきます。
メンバー同士の笑いのツボが近ければ近いほど楽しめるのも事実です。
それってつまり、イベント自体が抱えているリスクでもあります…。


ステージを使うイベントなので、どのように見せていけば良さが伝わるかはまた別の問題になりますしね。

なのでそこからは、そういう話し合いになるわけですが、私がこれまでにおもたんをやってきて、そして作ってきて
見た人、買った人にも共感して欲しいことは
・おもたんはゲームという形をとった、コミュニケーションツールである
ということと
・対戦形式をとってはいるものの、勝者が誰なのかは重要ではない。強いて言うなら 完成した単語が勝者だ
ということです。
ここらへんの思想は本に書いたのでおもたん本を読んでいただいている方にはご理解いただけていると思っています。
また、以前せらさんが、喫茶のお客さんに
「これ、なんのゲームやってるんですか?」
といわれて、
認め合いのゲームです」
と説明していたのが印象的でした。
ゲームの内容説明には全然なってないけど、認め合いのゲームであることはそれはそれで事実ですから。



たとえばおもたんは大喜利のような要素を兼ね備えています。

単語を選ぶとき、もしくは、それをテーブルに出すとき、更に言えば単語に解釈を与えるとき
こういった3つの場面において、「人を笑わせる機会」を与えられています。
プレイヤーはみんなそれぞれ「上手いこと言いたい」んです。
もっといえば「エディター機能」を使うとき、つまり単語を紙に書くときですね、
ここでもすでに大喜利的要素が見えています。

しかし、実際のプレイで出来上がった面白い単語に対して、「誰が」その単語を作ったかは
結構どうでも良かったりします。ここが大喜利との違い。
ナンペイさんには最初「これって誰が勝ち負けなのかがわかりづらい」といわれたんですが
ただ判りづらいだけじゃなくて、それは「決める必要がないこと」だったりします。

既に場に出ている単語に繋ぐ「コンボ」を認めるルールになっていると、なお更
誰かと誰かと誰かが出した単語で一つになったりするので、勝者が3人ってことになっちゃいますしね。
そうではなくて、誰が出そうが、そこに出た単語が皆にウケて、その回の殿堂入りを果たした
っていう一体感が大事なのであって、功績者っていうのは別に決める必要がないのです。
まぁ、どやみたいに
「お前の書く単語は大抵使いにくい!ww」
となじられる場合はありますけどね。これ、キャラ的なものですから。
ルール上は、去年6月に考案した1対1の3点先取で勝者になるサシの対戦ルール、みたいな
本当の勝負形式をとったものでなければ、誰が勝ちってのは考えないほうが楽しめます。
その、「勝者を決めなくていい対戦ゲームだ」っていう思想を伝えるのにも、今日の実戦は効果的でした。
ある程度対戦して、
「誰が勝ちとかじゃなくて、この形式では”出来上がった単語が勝者”なんです」
といったら皆さんに納得いただけたのでw

大喜利では、対戦という過程は全て「誰が一番面白かったか」という結論を導き出すためにあります。
とてもストレスフルです!w
それでも、大喜利全体を面白くするために、お互いがライバルという立場をとりながらも
ネタを拾ってあげたりしますよね。
おもたんは「認め合いのゲーム」なので、全力で拾ったり突っ込んだりして
とにかく全部を盛り上げていこうとします。
勝者が誰でもいいので、なるべく単語を面白く解釈したりします。
自分が出した単語が殿堂入りするように他人の出した単語に対しては斜に構えた態度をとる
というようなことはしません。
これは4人以上プレイ時の「おもたんシップ」ともいえるかも。

大喜利的な部分と、そうでない部分についてはこんな感じ。



今回の対戦では、ステージ上をどう見せていくかも大事になってくるので、
いつもの通りプレイヤーがカードを出してそのたびにあーだこーだ言うのか
それとも司会者が実況解説を入れる形にするのか、など色々な案と、それに対する
メリットデメリットのせめぎあいがありましたね。
それも、実際にプレイしてみながら考えました。

最後のほうで、一言も発さず淡々と単語を出して、1ターン終了したらようやく
単語に対して意見を言うことができる

というスタイルでやってみました。
これは、実は、まさに「面雀」スタイルですね。

これがすごく面白かったッ!www

なんていうんでしょうね、無声劇の何かに通じるものがありました…。
無声劇は動きで笑わせるものですから、厳密には違うんですけど、
・単語の解釈については各自の脳内で勝手にやる
・笑い声もある程度我慢しなければいけない

これが相乗効果でものすごい笑いを誘ってくるんですよ!!!!ww
笑ってはいけないからこそ堪えきれなくなってくる。
それに、たまたま、こういう回が時々あるかないか!てレベルに
いい単語が出てきたのも原因ですけど…

一つはこれ

証拠不十分で|ウルトラマン|大人も子供も|いつまでも|死ぬまで|大キライ大キライ大キライ

これ、単語としては、とにかく長い、くどい!どんだけウルトラマン嫌われてんだよwwって単語ですけど
無言でカードを出していく全体の流れも笑えました。


カードが出て行った順番はこうです。


お題 ウルトラマン
大キライ大キライ大キライ
いつまでも
大人も子供も
死ぬまで
証拠不十分で

順番はこうなんですけど、プレイヤーが単語を間に挟みこみながら↑の順番に並べていったので、
例えば
「いつまでも大キライ大キライ大キライ」
になっている状態のときに、
「死ぬまで」
が割り込んできたときの「くどwww」っていう笑いとかね、そういうのは
その場で共有する「流れからくる笑い」だから、完成した単語そのものの笑いよりも
一体感と「こういうことがあったよねー!w」っていう種類のものなんですよ。
それを無言でやることとかも含めてねw
これだけみんなの手札に、くどくする単語がそれぞれ1枚ずつはあったっていう偶然とかも笑いを誘いますし。
解説をいつもは入れながらやってますけど、こういう無言対戦も面白いですね。
しかし、終わったあとは
「ここでダメ押しで”死ぬまで”入ってくるしなあ〜w」
って言って振り返りながらのトークをするので、結局二度美味しいですし!w
俺はこう思って笑ってたけど、お前の笑いの意味は違ったんだなっていう発見も勿論あります。
ここらへんの醍醐味は、1ターン終わるごとに会話をすることにより、
プレイ中を無言にしても損なわれることはありませんでした。


おもたん製作委員会は、去年の6月のおもたんオフinかにぱんレストランのときにも
13時間くらい延々プレイしていましたが、それを伝えたらナンペイさんや河原さんや
たまにさんにうらやましがられましたw
たまにさんが「あと3時間はやってられる!というか、やりたい!w」
と仰ってましたしね…
だろうだろう、そうだろうw
でも、やりすぎると、単語がどんどん擦り切れていくので、定期的に単語を足して
順列組み合わせの種類を減らさないようにしないといけないのが大変なんだ!w


というわけで、今日のミーティング中の対戦で出た殿堂入りの一部。
20110515012011051502























・下まつげママ
・百万円ジェラート(食べられません)食べたこと無いです。
・天文学的残尿感気分

・サザエさんが仲間になりたそうにこちらを見ている
・オッス!オラ、風の谷の奴隷
・沸点に達した飛天御剣流奥義幽体離脱無双Tシャツの歌
・旅は道連れ、世はオワタ\(^0^)/

2011051503






















・骨付きドモホルン一皿500円
・ノリノリでこねこね人生ストラップ
・アルシンド丼にしてやろうか
・ハリーポッターと秘密のすかしっ屁
・猿も木から見ろ!!はとぽっぽ
・ただ今の決まり手は手描き拳


ミーティングのあとは、移動してせらさんと内職。
といっても、せらさんはカラオケボックスに着くや否やソファで寝始めたけど…。

いつものおもたん用紙を前日買ってきたので、それを規定のサイズに切り分けて
単語を書くという。つまりエディットタイムです。
私たちは散々やっているので、どういう単語を入れれば組み合わせが広がって、且つ
面白くなるかがなんとなくわかりますが、語彙にも限度があるのでひねり出す感じですね…。
それはどういう単語か別の言葉で表すなら、
おもたんプレイ開始時、そのカードが手元に来たら
「いいのが来た!これは使い甲斐がありそうだ!」
とニヤつく単語

ってことになりますw
そういった単語にはコツ、というかちょっとした規則性があるので、
「これこれこうだと使いやすいよね」「こうだと幅が狭まるね」「これはふつたん(普通の単語)が量産されるだけだね」
とか話し合いながら、20枚くらいは足したかな?

そのあとお腹が空いたので晩御飯を食べてから解散しました。


今日は、おもたん全体にとってとても有意義な会議になったし、勿論イベントにとっても有意義だった。
そして、このイベントはきっと面白くなるし、面白くしよう!と思いましたね。



付け加えて余談ですが、前々日あたりに別件でせらさんと会議しているなかで
せらさんがナンペイさんのサイトのイラスト一覧を見てすごいなあすごいなあと唸ってまして――
せらさんも絵を描く人だし、かなりの速度でかなり特徴を捉えた似顔絵を描く、というスキルを持っています。
ナンペイさんの絵とせらさんの絵は全然方向性が違う。
ナンペイさんのはとことん写実的な似ている人物画。
せらさんのは、かなりデフォルメが効いている似ている人物画。
という対比かな。

だからせらさんは、いち似顔絵師として、
「どうやったらこんなに写実的に似せることができるんだろう。勿論基礎は模写なんだろうけど」
ということが疑問だったみたい。
しかもナンペイさんの絵柄ってあらゆる色を使う油絵のような(実際はあぶら絵の具ではない)絵で
こんなにハッキリしたコントラストの色を随所にちりばめる画風でありながら
ネタも取り入れて、実在の人物は似てて、もう、ずるい!ってせらさんは言うんです。
だから、ナンペイさんと直接絵の話もできたらいいねなんて言ってたんですが
今日のミーティングでは、ナンペイさんが別の用件あって一足先に帰られたため絵のお話まではできませんでした。

そこで、私とせらさんと秋山さんで会場を後にしながら
(V)・∀・(V)<ナンペイさんに”どうしたらそんなに似るんですか”っていうことを聞きたかったんですけど…
という話を秋山さんに振ってみました。


そして秋山さんから聞いたのは、
ナンペイさんは以前ゲーム会社でドットを打っていたとき世界そのものがドットで見えるようになった
というお話です。

まぁでも、どんなに実物のような微細な写真だってドットの集合であることに変わりないので
模写するときに補助線を引くように、目に見える世界に常に微細な補助線が入っていると考えれば
それは世界がドット絵に見えるってことだし、ドットレベルの模写をする、ということになるなあ、と
私とせらさんで妙に納得して、目から鱗でした。
せらさんは、いわゆるファミコンのようなドット絵や動画を好むので、
余計にハッとさせられたみたいです。
解像度を高くすればナンペイさんの絵になるし、低くすればせらさんの絵になるってことですね。

おもたんとは関係ないけれど、すごくハッとするエピソードが聞けて面白かったです。



おもたんナイトのチケットはこちらでお買い求めいただけます。

確かに、喫茶のような交流前提のイベントとは違うけれど、
一体感はかなりのものになるんじゃないかと。
今日の感じではそういう予感がしてきましたし、そうしたいと思いました!
結構チケットは余っているみたいです。
うちのブログなんて前々から読んじゃってる酔狂な貴方はおもたんのことなんて知っているだろうし
今日の記事を読んでもさほど目新しくなかったかもしれませんが…w
おもたんって実は、それをメインとしたイベントはこれまでやったことなかったですよね?
勿論私の中で構想はありました。
ライブでそういうコーナーを設けてみようかな、とか。
ライブ感のあるものは、せいぜいニコ生における生放送まででした。
その構想が一つ実現するわけで、よく知っている「おもたん」の世界と、
まだ知らなかった「おもたん」の世界と、そういったものを初めて肌で感じてもらえるかもしれません。
ですので、知っている方にも是非来ていただきたい。
そして、知らなかった方にも、このイベントを入り口として入ってきていただきたい世界でもあります。
おもたんを楽しみながら、飲食もお楽しみ頂けますので是非遊びに来てくださいね!!

そんな熱意を込めて長文を書いてしまいましたw
おもたんはまだまだ遊べると思いますっ!