今回は一言で言うなら「壮絶」

Reloadedは一言で言うなら「エロティシズム」満載だったんだけど
今回は違った「愛」のかたちの表現という気もする

マトリックスシステム内のプログラムとされる者が
愛は、生き方の選択と大変似通っている、というようなことを言った。
つまりそれは、「決意・決心」ということなんだろうか
劇中、沢山の人々がそれぞれの決心・決意を胸に行動した
そして、死んでいった人も少なくなかった

それと愛は似ている…と彼は言いたかったのか…?

「壮絶」
どこらへんが、というと、
今回はちょっといままでにないグロさがあった
1ROTTEN?
1もいかないかな?
とにかくネオは目が潰れてしまうし、ベインも顔面切れてて
血が滴ってたし、ミフネ船長の死んだときは顔の傷がすごかった
(まぁモーターサイクルならもっとひどいのかもしれないが)

それから映像…CGも
マトリックスといえば、一作目から話題となったのが
ワイヤーアクションとCGとの組み合わせで見せる斬新なアクションシーンだ
それに今回は人間の操る機械VS意思を持つ機械という戦闘が加わり
戦争の激しさというか、あるいみ虚しさというかを
見せ付けられた気がした
機械の敵に対して人間は多勢に無勢といった感じでおそらく
勝てるわけのない戦いなのだ。
その虚しさと、おびただしい数で襲ってくる敵と
あきらめずに攻撃を続ける人間の気迫…
その「壮絶」さで、息がつまりそうになった。
それは目から受ける圧迫感が大きかったと思う
そして、結局あのあと、それまでの何度かの戦争と同じように
機械が人間(ザイオン)を制圧して暗い平和が訪れたとしても
そのあとに再びその歴史は繰り返すだけなのだ。
それでも立ち向かう人間たちの命に意味を求めようとすると
とてもむなしくなる
それが戦争だ、と思った
そして無力な罪のない人々も沢山犠牲になっていく…
そういう「行為」は野生動物の本能的な争いに似ているかもしれない
けれど、人間が心を持って社会を作り生きていく限りは
こんな虚しくて悲しいことはないほうがいいに決まっている…
そんなことを思った

トリニティとネオはザイオンを離れ機械の街へ向かった

トリニティが死んだとき、泣いた…
今思い出しながら涙が出てくる

ネオは多分、スミスとの戦いが終われば、どう言う形であれ
自分は死ぬとわかっていたのかもしれない
そしてそのときこの戦争は終わると…
スミスとネオは陰と陽の関係だと預言者は言った
だからどちらかが死ねば片方も消える、ということなのかな、とおもった
それをネオは知っていた
だから死ぬ覚悟を決めることだけが、最後の選択だった…

トリニティはそのネオの決意に気づいて一緒に行くことを決めたのだ
ネオが先に死んでしまってもそのときそばにいたいと思ったのかな…
きっとそうだと思う
でも結局先に死んだのはトリニティだった
それでもネオは自分のすべきことがわかっていて、その場所まで来ていた
そしてそれが終われば二人はまた一緒になれる
だから感じるままに進んだ

そこで涙が沢山あふれたのだけど(今もだけど)
この涙はどういう意味なんだろう

嬉しいとか哀しいとかじゃない
もちろんトリニティが死んだのは悲しい
でもトリニティが最後にネオに言った言葉に感動もしていた
そして彼女の決心にも心を打たれていた
だから涙が出たんだと思う
だからこの涙は悲しいとか感動とかの一言じゃない
二言で言ってもその表現ではまだ足りていない
とにかく、すごく心を締めつけられたような涙だった

雨のなかネオとスミスが決闘するシーンだ
スミスは預言者の体も乗っ取ったから未来が見えていた
終末が見えていた
けれどそれがどういう意味かはわかっていなかったらしい

そしてネオはスミスにコピーされた…
同時に現実におけるネオは死んだのだが
どういうわけかスミスも消えた
それがつまり陰と陽の関係なのかな…と思ったけれどどうかな…
ネオが消えたらスミスも消えるような存在だった…?

世界は平和になったんだけど主人公が犠牲になった
もちろん他にも沢山の人間が犠牲になったけれど
映画としては主人公の犠牲で全世界に平和が訪れるという3部作の結末と
なるわけだが…
やっぱりなんだかこういうエンディングは寂しいな…

まだ謎に思う部分も沢山あって「あれはどういうことなの?」って感じだけど
とりあえず作品が完結して…うん、そこは落ち着いて考えようってかんじかな。

それから、こんな感想を抱く人は余りいないかもしれないけど
わしは映画を見た後「最終兵器彼女」を思い出した
戦争だからかな
なんだかわしのなかで「壮絶」のベクトルが似ているように感じたんだ。



パンフに載っていたネオとかトリニティとかツインズのコートや
サングラスなんかが欲しいなぁと思った
夜寝るとき、映画の壮絶さがフラッシュバックして悪夢を見るんじゃないか、と思った